Pythonエンジニアの年収事情。市場や将来性を解説

世の中には数多くのプログラミング言語がありますが、その中でも人工知能開発やWeb開発分野で最近注目を集めるプログラミング言語が『Python』です。今回はPythonを扱うエンジニアの仕事内容や将来性、年収などを詳しく説明します。

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Pythonエンジニアの仕事内容

Pythonはさまざまな分野で活用できる汎用プログラムで、AI(人工知能)の分野で注目を集めるプログラムです。そんなPythonを扱うPythonエンジニアはどのような仕事に携わるのでしょうか。まずはPythonについて確認をしましょう。

AI(人工知能)や統計解析分野で注目

Pythonはオープンソースのプログラミング言語の一つです。

主な特徴は、コードが簡潔で少ない行数でプログラムを構築できる点や、専門的なライブラリが多数ある点が挙げられます。そのため、ゲームからWebアプリケーションまでな製品の開発に使われています。

また、AIの根幹的技術である機械学習や膨大なデータの分析に強いことで知られ、AIに関しての開発で多く利用されているプログラミング言語です。

そのため、Pythonプログラマーの仕事内容はAI分野やアプリケーション開発など、多岐にわたるといえます。

Pythonエンジニアの開発分野・職種

Pythonは幅広く使われているプログラミング言語です。

さまざまな分野で活用されているので、Pythonエンジニアの開発分野は多岐にわたります。今回は特にPythonが利用されている開発分野を3パターン紹介します。

どのようにPythonが利用されているか、またその分野で生かせる職種を確認しましょう。

Webアプリケーションエンジニア(アプリケーション開発)

AI分野で注目を集めるPythonですが、実際にはさまざまなアプリケーション開発でも使用されています。

デスクトップアプリケーションやWebアプリケーションなどさまざまな分野で使用されていますが、特にWebアプリケーション分野でPythonの使用が増えています。

例を上げるとInstagramやYouTubeのサービスの一部にもPythonが使用されたことがあり、Googleの検索エンジンにもPythonが使用されています。

また、IoT(モノのインターネット)を利用した組み込みアプリケーションとの親和性が高いとされ、日本国内でも組み込みアプリケーションにPythonが使用される場面が増えてきています。

AI関係の仕事やデータサイエンティストよりは平均年収が低めとされてるWebアプリケーションエンジニアですが、Pythonが使えるWebアプリケーションエンジニアは年々需要が高まっているので高収入を得られる可能性もあります。

業界未経験者を募集しているケースが多く、AIエンジニアやデータサイエンティストより目指しやすい職でもあります。

PythonとともにJavaやPHPなどのスキルやマネジメントの知識を身に着け、Webアプリケーションエンジニアとして上流工程に携わることも可能です。

出典:Pythonで作られたアプリ・Webサービス7選!YoutubeもPythonで作られている|TECH CAMPブログ

データサイエンティスト

Pythonは膨大なデータを扱い、解析処理に強い言語です。そのため、大量のデータを扱うデータサイエンスなどにも使用されるケースが多くなっています。

従来のデータサイエンスでは『R』と呼ばれる言語が主流でしたが、最近ではPythonも多く使用されるようになっています。

これは、Pythonにはデータサイエンスに密接に関係する、機械学習に関するライブラリやフレームワークが多数あるためです。これらのライブラリやフレームワークを使用して、膨大なデータを簡単かつ高速で処理できます。

そのため、データサイエンスの分野ではPythonエンジニアの活躍が期待できます。

数学や統計学といったITやプログラミング以外の知識が求められる職種ですが、高収入が期待できます。

IT業界未経験のPythonエンジニアとして携わるのは厳しいですが、データ分析や効果検証などの研究者寄りのスキルを身に付ければ、経験が浅くとも目指すことも可能な職です。

また、データサイエンティストは技術者としてのキャリアの他に、コンサルタントとしてのキャリアも目指せます。

AIエンジニア

PythonはIT技術の最先端として知られるAIに強い言語です。

Pythonは手軽に扱えるプログラミング言語ながら、TensorFlowやPyTorchといった機械学習ライブラリが豊富にあります。そのため、AIに関係する分野で広く利用されています。

また、AIは現在発展中の分野です。

そのためPythonエンジニアは家電を始めとした掃除ロボや自動運転といった製品やアプリケーションの開発から、ビッグデータ解析、機械学習の研究といった研究職などのさまざまな分野に携わる可能性があります。

また、AIは世界中のさまざまな企業や研究機関が力を入れている分野なので今後も需要は拡大していくと言われます。AI分野で活躍するPythonエンジニアが今後増えていくでしょう。

AIエンジニアはプログラミング経験だけでなく、データ分析や機械学習に関するさまざまなスキルや知識を求められる仕事ですが、高収入な職種である点に加え、最先端技術に関われる魅力があります。

IT業界が未経験の人がいきなり就くのは難しい職ですが、エンジニアやエンジニアの経験がある人や研究職に携わった経験がある人ならチャンスが多い職種です。

またAIエンジニアはプログラミングだけでなく、コンサルタント業務やマネジメント業務などの上流工程に携わる機会も増えます。

Pythonエンジニアの平均年収

職種や経験年数などにより変わりますが、需要が拡大しているPythonエンジニアの平均年収は他のプログラミング言語を扱うエンジニアの平均年収より高くなっています。Pythonエンジニアの平均年収を見てみましょう。

他のエンジニアに比べて年収は高め

普通のエンジニアの平均年収が400万円前後なのに対し、Pythonエンジニアの平均年収は600万円前後と高めの年収になっています。

これは需要が大きいにもかかわらず、Pythonエンジニアの数が少ない点が挙げられます。

具体的にはさまざまな企業が力を入れて開発しているAIや機械学習にPythonが使われるケースが多い事に加え、WebアプリケーションでもPythonの需要が高まっています。しかし、Pythonエンジニアの数が少ないので、希少なPythonエンジニアを企業が取り合っているのです。

また、AIや機械学習に関する人材は専門知識が必要で希少人材である点からも年収が高くなるとされ、それがPythonエンジニアの平均年収を押し上げています。

出典:Pythonエンジニアの年収が高い理由とは|DAINOTE

職種によって年収が変わる

平均年収が高めのPythonエンジニアですが、携わる分野や職種によって大きな差が出ます。

AI関連のエンジニアやデータサイエンティストの場合、平均年収が600万~1000万円ですが、Webエンジニアの場合、300万~500万円前後と大きな差があります。

これはAIやデータサイエンスに必要な専門知識を持っている人が少ないため、企業が予算を掛けて人材を採用しているためです。

また、Web系のPythonエンジニアと比べ、AIやデータサイエンティストとして活動するPythonエンジニアは経験を積んでおり、業界経験年数の長さも関係しています。

そのため、平均年収は職種によって変化するといえます。

出典:AI人材は高収入?AIエンジニアの平均年収・給料事情|AIdrops 未来につながるAIメディア

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Pythonエンジニアの需要と将来性

AI技術でも使用され、アプリケーション開発の現場でも必要とされるPythonエンジニアの需要は拡大しています。この見出しではPythonエンジニアの需要が高い理由や将来性などを紹介します。

Pythonエンジニアの需要が高い理由

Pythonエンジニアの需要が高い理由は、Pythonを扱える人に対し、Pythonエンジニアが欲しい企業が多いためです。

経済産業省の調査「IT 人材需給に関する調査」(2019年3月)によると、日本国内においてIT人材は不足している状況です。それにもかかわらずIT人材の需要が拡大しており、2030年には最大80万人ほどの人材が不足する試算が出ています。

通常のIT人材が不足しているにもかかわらず、PythonはAI分野での活用の拡大やPythonを使用するWebアプリケーションの増加などでの需要が拡大しています。

Pythonの需要が増えている背景や状況を詳しく確認しましょう。

出典:IT 人材需給に関する調査 経済産業省

AI分野で活用が広がっている

ビッグデータの活用ができるようになり、AIを始めとした機械学習の分野は急速発展しています。

それに伴い、機械学習やAIに強いPythonを使える人材の需要は拡大していると言えます。

上述の経済産業省の試算でも今後、AIに関する需要は伸びていく見込みで、AIに強い人材の不足すると推測されています。そのため、AI分野に於いてPythonエンジニアの将来性は明るいと見ても良いでしょう。

著名なサイトやアプリが導入

YouTubeやInstagramを始めとしたサービスや、GoogleやYahoo!などの大企業がPythonが導入しており、日本の企業でもPythonが拡大してきています。

また、検索エンジンでの検索回数などを元にオランダのTIOBE Softwareが行っているプログラミング言語人気ランキングではPythonが3位となっており、使用者が多いC言語やJavaに迫る勢いで需要が拡大しています。

国内で人材が不足している

2021年7月時点で世界3位の人気を誇るPythonですが国内ではPythonを使える人材が不足しています。

これは従来のWebアプリケーション開発がPHPやJavaで行われていたりと、Pythonを必要とした企業が大企業に多く、求人が少なかったりする状況が原因として挙げられます。

そのため学習者が少なかったPythonですが、ここ数年でWebアプリケーションやAIの求人が増えたため国内の人材が不足していると言われます。

Pythonエンジニアの年収を上げるポイント

職種によって平均年収に大きな差があるPythonエンジニアですが、年収を上げるためにはどのような改善をすれば良いのでしょうか?この見出しではPythonエンジニアが年収を上げるためのポイントを紹介します。

スキルや経験を積む

エンジニアだけでなく、エンジニア全体に共通しますが年収アップのためには経験年数を積み、スキルを磨く必要があります。

なぜなら、Pythonエンジニアの需要が拡大していますが、Pythonだけ使えるエンジニアの求人は多くなく年収アップにはつながらないからです。

なので、Pythonエンジニアになるのであれば、まずはPHPやJavaなどの他のプログラミング言語の知識も付け、さまざまな場面で活躍できるエンジニアとしてキャリアを積みましょう。

そして、AIや機械学習などの平均収入が高いPythonエンジニアを目指し、AIや機械学習に関してのスキルを身につけると良いでしょう。

プログラミング以外の技能も磨く

Pythonエンジニアとして年収を上げるのであれば、統計学や数学の知識を磨くのも重要です。

PythonエンジニアからAIエンジニアやデータサイエンティストを目指す場合、統計学や数学の知識が必要になります。

例えば、データサイエンティストは膨大なデータの中から有益な情報を引き出す仕事なので、数学や統計学などのさまざまな知識を活用する対応が求められます。

AI分野のエンジニアになるのも年収をアップさせる方法のひとつですが、プログラム以外の知識をつけてデータサイエンティストを目指すのも年収アップの方法です。

独立も選択肢に

Pythonエンジニアは企業の従業員としての活躍も可能ですが、スキルがあればフリーのエンジニアとして独立することで収入アップが可能になります。

なぜなら、Pythonエンジニアの希少性は高くフリーランスとして活躍が可能であり、契約単価が他の言語より高いためです。

実際、企業とフリーランスをつなぐ『Offers』で平均時給を確認すると、Pythonが使えるエンジニアの平均時給は3978円と、高い状態にあります。 この数字を元に年収を計算すると年収は750万円近くになり、Pythonエンジニアの平均年収を超える年収を得られます。

スキルに自信があるのであれば、フリーのPythonエンジニアになることで年収アップが見込めます。

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Pythonエンジニアの実際の案件例

エンジニアの求人マッチングサービス「Offers」には、Pythonエンジニアの案件が掲載されています。実際にある2つの案件を例に、どのような仕事があるのかを確認してみましょう。

成長しているサービスのデータ分析・仕組み化を行うPython副業案件

中小企業に対してマーケティングの支援をしている企業のPython副業募集案件です。中小企業支援、大規模データ処理、数理モデル化に挑戦します。

業務内容

弊社が展開するサービスの成長に対してデータ分析・仕組み化の観点から携わる。

具体的には、

サービスの現状分析および課題分析

サービスに対する効果予測および、その仕組み化

サービスに対するデータ分析を土台とした提案

時給・稼働時間

時給:3,000円〜5,000円

稼働時間:月20時間~180時間(週5~45時間)

勤務地 リモート
必須条件

仮説立案、データ抽出、効果検証、課題抽出の業務を遂行した経験1年以上

Pythonを用いてデータを抽出、加工した経験2年以上

機械学習、最適数理など数理工学の技術により分析をした経験2年以上

歓迎条件

広告代理店などマーケティング業界での経験(特にデジタルマーケティングの知識がある方を優遇)

BIの運用

大学や企業研究所での数理工学系の研究経験

AutoMLの使用経験

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オンラインとオフラインをつなぐ媒体のプロダクト向上を目指すPython副業の案件

オフィスの郵便管理にまつわるサービスを提供する企業のPython副業募集案件です。「不要な出社・荷物の探索・転送や通知の手間」を無くすサービスを開発していきます。

業務内容

プロダクトの機能に関わる機能設計

機能要件実現のために必要なバックエンドの実装業務

実装~テスト~レビューなど一連の開発業務

プロダクトの機能実装のために必要な技術調査

システム運用監視、不具合対応

時給・稼働時間

時給:2,000円〜5,000円

稼働時間:月80時間~160時間(週20~40時間)

勤務地 リモート
必須条件

Python : 3年以上の経験

歓迎条件

React Native、React、TypeScript の利用経験

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Pythonエンジニアに必要な知識やスキル

Pythonエンジニアとして活躍するにあたり必要な知識やスキルはいくつかあります。今回はPythonエンジニアがキャリアを積んでいく上で必要な知識やスキルをまとめました。確認をしてキャリア形成に役立てましょう。

Webアプリケーションの開発経験

PythonはAI関連と並び、Webアプリケーションでの利用が増えています。そのため、Pythonエンジニアとして活動をするのであれば、Webアプリケーションの開発経験は有利に働きます。

なぜならPythonのプログラミングスキルだけでWebアプリケーションを作るのは難しく、転職や年収アップにはつながらないからです。

また、開発経験を積むとエンジニアとして成長が期待できます。Webアプリケーションで使われるPHPやJavaScriptなどを学びつつ、Webアプリケーションの開発経験を積むと良いでしょう。

Web系のPythonエンジニアはもちろん、AI系のエンジニアを目指す人もアプリケーション開発の経験はプラスに働きます。

AI関連の知識・スキル

Pythonが注目されるAI分野に関する知識やスキルは、今後のためにも身につけておきたい知識です。

Pythonが使えるエンジニアの数は少ないといわれますが、AI関連の専門知識やスキルを持っているエンジニアの数は更に少なく、知識を身に付ければ希少な人材となれます。

特にAI関連の分野は今後も需要が拡大していくと予想されており、AIに関する知識をつければ希少人材として高年収を得られるでしょう。

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まとめ

AIやWebアプリケーションで需要が高まるPythonエンジニアですが、携わる職種や経験年数によって年収に大きく差が出ます。

今回はPythonエンジニアの概要から、年収の差が大きい理由、Pythonエンジニアの現状や必要スキル、おすすめの職種など多角的に解説しました。

さまざまなキャリアの形成が可能で、今後も成長が見込めるPythonエンジニアは将来性の高い職種です。この記事をきっかけにPythonエンジニアとしての転職や副業を検討したり、興味を持っていただければ幸いです。

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