フリーランスエンジニアの開業届の書き方。メリットや出す理由は?

フリーランスとして活動を始める際、開業届は出す場合が多いです。しかし、書き方がわからない、また、そもそも出すべきなのかどうかもわからないと迷うことはありませんか? 今回は、フリーランスエンジニアが開業届を出す際の書き方やその注意点についてまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

開業届は出さなくてもいい

開業届は、法律上では出さなくてもいいこととなっています。

しかし、なぜ多くの人フリーランスとして事業を始める際に提出するのかというと、提出するメリットが大きいからです。

開業届を出すメリット

開業届を出すメリットとしては、次のようなものがあります。

  • 小規模企業共済に加入できる
  • 確定申告書類が勝手に送られてくる
  • 屋号付きの銀行口座が持てる
  • 青色申告が可能になる

以下に大きいメリット2点について補足します。

屋号付きの銀行口座

開業届を提出すると、記入した屋号の名義で銀行口座を作成することができます。これによって、事業のための資金とプライベートの貯蓄を分けることができます。

フリーランスは普段の生活と業務の間で区別をつけることが難しいため、資金を明確に区別できることは大きなメリットであると言えますね。

青色申告が可能に

また、開業届の提出によって確定申告の際、青色申告を選択することができます。

青色申告とは個人事業主が使うことの多い申請方法で、一般に会社員の人が用いることが多い白色申告と比べて、手順が複雑で難しいです。

しかし、青色申告はその一方で、10万円、さらに条件を満たせば65万円の大幅な控除が受けられ、支払わなければならない額が減額されます。

参考として、65万円の控除を受けるための条件とは例として以下のようなものがあります。

  • 山林所得のみでないこと
  • 複式簿記で記入されていること
  • 発生主義で記入されていること
  • 損益計算書と貸借対照表を確定申告書に添付すること
  • 不動産所得の場合、事業規模であること
  • 期限内に申告すること

出典:No.2072青色申告特別控除|国税庁

失業手当がもらえなくなる

開業届を出すことの唯一のデメリットとしては、唯一、失業手当がもらえなくなることがあります。

失業手当とは、失業してしまい、新しい就職先を探している人に対して支払われる手当のことです。したがって、開業届を出してしまうと、仕事を探している状態ではなくなってしまうため、失業手当をもらう資格がなくなってしまいます。

つまり、再就職と個人事業主とで迷っている状態では開業届は出さないほうが良い一方で、個人事業主として見通しがあり、心が決まっている場合には開業届を出したほうがいいでしょう。

開業届の書き方

では実際に、開業届の書き方の手順について見ていきましょう。項目やタイミング、注意点について見ていきます。

タイミングは1カ月以内

開業届を出すタイミングは事業を開始してから1カ月以内です。出すことを義務付けられているわけではないため、提出が遅れた場合でも、法律的に罰せられることはありません。

しかし、提出が遅れてしまうと、届くはずの確定申告書類が届かない等のデメリットがあります。また、1カ月以上提出が遅れ、開業届と一緒に提出することの多い青色申告申請書が2カ月の期限に遅れてしまうと、その年は青色申告ができないため、大きな損失になってしまうので気をつけましょう。

出典:個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁

用紙をダウンロード

開業届の用紙は以下の国税庁のリンクからダウンロード出来ます。ぜひ活用してみてください。

個人事業の開業・廃業等届出書(提出用・控用)

フリーランスエンジニアの記入例

基本的には、用紙で聞かれたことをそのまま記入すれば問題ないですが、2点、フリーランスエンジニアが記入する際に注意するべき項目について見てみましょう。

職業

職業は、システムエンジニアと記入するのが無難です。個人企業主は事業内容が法定業務に該当する場合、個人事業税を支払わなければなりません。

法定業務には、次のようなものが当てはまります。

  • 第1種事業 物品販売業、飲食店業、不動産貸付業など
  • 第2種事業 畜産業、水産業、薪炭製造業
  • 第3種事業 税理士業、弁護士業、コンサルタント業、あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復 その他の医業に類する事業

出典:個人事業税 | 税金の種類 | 東京都主税局

以上の法定業種に該当するITコンサルタントなどを記入してしまうと、損になるため気をつけましょう。

事業の概要

事業の概要の欄には、業務の内容を具体的に書きましょう。

エンジニアの場合、Webシステム構築や、アプリケーション開発などと記入しておけば問題ありません。

開業届もソフトで簡単

しかし、開業届を手書きで書いたり、国税庁の書き方を参照しながら書いたりすることは煩雑ですよね。そんな方のために、便利なソフトをご紹介します。

開業freeeを使ってみよう

開業freeeは、会計ソフトでおなじみのfreeeの開業サポート版です。

開業freeeでは一度情報を入力すれば、開業届や青色申告の申請書など、様々な書類が自動で作成されるため非常に便利です。

以下のリンクから飛ぶことができるのでぜひ活用してください。

個人事業主の開業手続き、開業届作成を無料でサポート | 開業 freee

まとめ

フリーランスのエンジニアとして活動していくと決めた場合、開業届を出すことにはメリットしかありません。

損をしない書き方で記入し、しっかりと期限を守って提出してフリーランスエンジニアとしてのいいスタートを切りましょう。

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