初心者がAndroidアプリ開発を学ぶ手順
Androidアプリをはじめ、これまでスマホアプリを開発したことのない人は沢山いることでしょう。膨大な専門知識や特別なスキルを身につけなければならない印象があり、全くの初心者がアプリ開発を学ぶのは難しいと思われています。
果たして実態はどうなのでしょうか。ここでは、初心者がAndroidアプリ開発を学ぶ手順について具体的に解説します。
開発環境を用意
Androidアプリ開発を学ぶためにまず必要なものは、パソコンです。Androidアプリを開発するためには、開発のためのさまざまな高速ツールが搭載されている『Android Studio』を利用することが主流になりつつあります。
Androidアプリ開発を学ぶためには、Android Studioを利用することができるパソコンを用意しましょう。パソコンは、Android Studioをダウンロードできるものが必要です。OSはWindows・macOSのどちらでも開発できます。
プログラミング言語を学ぶ
Androidアプリを開発するためには、まずはプログラミング言語を学ぶ必要があります。いくつか存在するプログラミング言語の中で、王道なのがプログラミング言語『Java』です。
実際に、多くの開発プロジェクトの現場でJavaは頻繁に利用されています。さらに、Javaに関する情報はインターネット上に多く掲載されているので情報を得やすく、初学者でも学びやすい言語だと言えるでしょう。
作りながら学んでいくのが効率的
プログラミング言語には、一定のルールや独自の文法があります。これらを勉強する方法は、Javaに関して詳しく書かれた本を読む、詳しい人から教えてもらう、プログラミングを学べるサイトで動画を見て学ぶ、などの方法があります。
プログラミングを学び始めた最初の段階では、専門用語やツールの使い方など、分からないことが沢山あるでしょう。効率的に学びたいのであれば、実際にAndroidアプリを作り、実践的なスキルを身につけながら学ぶとよいでしょう。
Androidアプリ開発の流れ
アプリの開発にあたり最初に取り組むべきことは、企画を練ることです。具体的なアプリの内容や役割、最終ゴールをどこにするのかを、最初の段階で明確にすることが大切です。
初心者がいきなり開発に着手することは、足を踏み入れたことのない場所に地図を持たずに飛び込んでいくようなものです。ここでは企画から設計、開発方法といったアプリ開発の基本的な流れを解説します。
企画・基本設計
企画段階では、これから開発するアプリのイメージを明確にしましょう。誰がどんな場面で利用するアプリなのか、そのアプリを利用することでどのような効果が得られるのかを、できる限り具体的にイメージすることが大切です。
企画が固まれば、次に基本設計に移り、アプリの機能や画面のデザイン、ボタンの配置などの全体像を設計します。その際、ユーザーインターフェイス(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)を意識しながら設計するよう心がけましょう。
開発
アプリの企画や設計が出来上がったら、いよいよAndroid Studioを利用してアプリの開発に着手します。コードの自動補完機能やソースコード管理機能など、Android Studioには開発に便利な機能が豊富に実装されていますが、いきなり全てを使いこなす必要はありません。
実際に使いながら少しずつ機能をマスターし、開発作業と並行してAndroid Studioの機能に慣れていくとよいでしょう。
開発言語
コンピューターに指令するプログラムを書く際は、プログラミング言語と呼ばれる開発言語を身につける必要があります。Androidアプリの開発にはJava やKotlin、C言語などいくつかのプログラミング言語が使用されますが、一番多く採用されている言語はJavaです。
ここでは、Androidアプリ開発における、いくつかの代表的な言語を紹介します。
Java
Androidアプリのほとんどが、Javaを利用して作られています。Javaの特徴は、一度プログラムを開発すれば、WindowsやmacOS、LinuxやUNIXといったさまざま環境で、プログラムを実行できるという点です。
さらに、トレンドに左右されず長年使われている言語なので、Javaを身につけると仕事に直結しやすいという特徴もあります。
C言語
C言語でアプリを開発すると、非常に高速に動作するアプリを作ることが可能です。したがって、高い処理速度が求められるアプリや膨大なデータを利用するアプリの開発の際には、JavaではなくあえてC言語を利用するケースもあります。
さらに、C言語はさまざまなプログラミング言語やOSのもとになっているので、C言語を学べばコンピューターの基本となる知識を学習できます。
命令が細かく難解な面があるので、コンピューターに関する理解を深めながら、時間をかけて習得するとよいでしょう。
Kotlin
Kotlin(コトリン)は、2011年にJetBrains社によって発表された、比較的新しいプログラミング言語です。Androidアプリの開発の主流であるJavaとの連携がスムーズであり、Google社も公式にKotlinをAndroidアプリの開発言語として追加することを発表しています。
さらに、Yahoo! JAPANにおいては、Google Playで展開しているAndroidアプリの多くを、Kotlinを導入して開発しています。シンプルでわかりやすいコードであることから初心者でも使いやすく、現在、利用する人が急速に増加している人気の言語です。
Python
Python(パイソン)は、ビッグデータの解析や人工知能の開発などで頻繁に利用されているプログラミング言語です。JavaやC言語と比較すると比較的簡単な構文で読みやすく、プログラミング初心者でも取り組みやすいという特徴があります。
少ないコード量で簡単にプログラムを書くことができるのが、Pythonの特徴と言えるでしょう。Pythonはオープンソース型で管理されているので常にアップデートされており、安心して利用できるプログラミング言語の一つです。
プログラミングは独学でも習得可能
これからプログラミングを学ぼうと考えている人や、プログラミング学習を通じて新たな仕事にチャレンジしたいと考えている人は多いでしょう。しかし、日々忙しく働く社会人など、スクールに通う時間を確保することが難しい人もいるはずです。
しかし現在は、プログラミングを学べるツールがインターネット上に沢山あります。わざわざ時間をかけて通学しなくても、パソコンやインターネット環境があれば、独学でもプログラミングを学べる環境が整っているのです。
ここでは、独学でプログラミングを学べるツールをいくつか紹介します。
学習に使えるツール
無料のものから有料のものまで、インターネット上にはプログラミングを学習できるツールがいくつも存在します。
スクール形式で段階別にカリキュラムが組まれている学習用Webサイトや、経験豊富なエンジニアがプログラミングに関する質問に答えてくれる質問サイト、さらに定評のある雑誌や本が簡単に購入できるので、安心してプログラミングを学ぶことができます。
ここからは、それぞれのツールの特徴を具体的に解説していきます。
学習用Webサイト
現在、多くのプログラミング学習用Webサイトがありますが、プログラミング初心者であれば、動画を活用したサイトを使って学ぶことをおすすめします。スマホやパソコンがあれば、場所や時間に縛られることなくいつでも学習することが可能です。
分かりにくい箇所があれば何度も繰り返して視聴できるので、高い学習効果も期待できます。
有料サービスだけでなく、無料で閲覧できる動画を豊富に用意しているサイトもあるので、積極的に活用してプログラミングの全体像を把握するとよいでしょう。
質問サイト
副業ブームの影響もあり、最近はプログラミングを学び始める人が増えています。しかし、その中には途中で挫折してしまう人も一定数存在します。挫折の原因の一つとして、分からない部分が出てきても質問する相手が身近にいないことが挙げられるでしょう。
しかし、インターネット上にはプログラミングに関する質問に答えてくれる専門サイトがいくつも誕生し、日々、新たな質問と回答が蓄積されています。質問サイトは、実践的なノウハウが詰まった質の高い学習ツールなのです。
独学の強い味方である質問サイトを上手に利用すれば、1人で悩まず、安心して学習を進めることができるでしょう。
雑誌や本
雑誌や本を読みながらプログラミングを学ぶのも、有効な手段のひとつです。見た目にも分かりやすい書籍が沢山出版されているので、自分のレベルに合わせて選択できます。
気になる部分は何度も読み返すことができ、マーカーや付箋で印をつけることも可能ですので、学習効果も期待できるでしょう。これから学び始めるのであれば、薄い入門書などを1冊購入して、繰り返し読みながら実践することをおすすめします。
アプリエンジニアの将来性は?
アプリを世の中に生み出す場合、アプリエンジニアの存在は欠かせません。アプリエンジニアは、ただアプリを開発するだけでなく、システムの設計やデータ収集、動作テストや実際の運用に至るまで、幅広く関わっていくのです。
将来、アプリエンジニアの仕事を視野に入れている人にとって、その将来性はどの程度あるのか気になるところです。以下、アプリエンジニアの将来性について具体的に解説していきます。
アプリ開発の需要は高い
ITエンジニアの中で、アプリエンジニアとして活躍している人の割合はそれほど多くはありませんが、その一方で、アプリ開発の需要は年々高くなっています。
ゲームアプリの中でも、とりわけソーシャルゲームの人気の高さは凄まじく、Androidアプリの中でも安定した需要を保っています。企業側も案件を多く抱えており、アプリエンジニアの人材確保が急務になっています。
Javaのスキルは他分野でも応用可能
近年、KotlinやScalaといったJavaに代わるプログラミング言語が出現し、Javaのスキルの需要は減るのではないか、という見方があります。
しかし、これまでJavaで開発されてきたプログラムやシステムのメンテナンスなどはJavaで行う必要があります。さらに、Javaのスキルはサーバーサイド開発など、他の分野においても応用が可能なのです。
企業も、過去多くのシステム開発でJavaを取り入れた経験があるので取り入れやすく、今後、アプリ開発以外の場面でもJavaのスキルは応用可能だと言えるでしょう。
Androidアプリ開発で稼ぐ方法
Androidアプリの開発自体はまだ高いニーズがあるので、プログラミングスキルを身につければ、アプリ開発の仕事に携わる機会も多いでしょう。
実際にAndroidアプリ開発で稼ぐためには、いくつかの方法があります。ここでは、稼ぐための具体的な手段として、特定の企業に所属してエンジニアとして働く方法と、企業に属するのではなくフリーランスとして働く方法を、それぞれ紹介していきます。
企業に所属しエンジニアとして働く
特定の企業に所属して会社員エンジニアとして働くのであれば、毎月決まった日に給与が支払われるので、安心して仕事に集中できます。
さらに、社会保険・退職金・有給休暇など、フリーランスにはない会社員としての恩恵を受けられるというメリットがあるのも魅力的です。
会社員であれば、社内でキャリアアップを目指すこともできます。プロジェクトマネージャーなどの管理者になれば、さらに給料が上がることも期待できるでしょう。
フリーランスとして働く
会社に属さずフリーランスとして働く場合、これまでの経験や実績が報酬に影響します。能力が高い優秀なエンジニアであれば、会社員エンジニア以上に稼ぐことも可能でしょう。
また、働く時間と場所を好きに選ぶことができ、人間関係に気をつかう必要もなくなるので、会社員エンジニアよりも自由になることが多いです。
フリーランスのエンジニアは、基本的には仕事を自ら獲得しなければならず、収入面で不安定になりますが、報酬には上限がないので、大きく稼げるチャンスがあります。
アプリエンジニアに求められる能力
これからアプリエンジニアを目指す人や、経験が乏しい初心者がアプリ開発に携わる場合、どのような能力が求められるのでしょうか。
開発の際に利用するプログラミング言語などの専門的な知識はもちろんですが、それ以外にも必要とされる能力がいくつかあります。ここでは、アプリエンジニアに求められる能力を具体的に三つ紹介します。
世の中のニーズを把握する力
アプリエンジニアの仕事は、ただアプリ開発のプログラミングをするだけではありません。アプリの企画段階から関わり、マーケティングの側面から提案する機会もあるでしょう。
良いアプリを生み出すためには、常にアンテナを立て、世の中の人がどんなものに興味が持ち、必要としているのかを知ることが大切です。アプリエンジニアには、世の中のニーズを適切に把握する力が求められています。
問題解決力
アプリエンジニアには、問題がどこにあるのかを自ら見つけて迅速に対応する『問題解決能力』が求められます。そのためには、「どこに問題があるのか」「何が原因なのか」「どう修正すればよいのか」という論理的な思考をする必要があります。
多くの人が関わるアプリ開発の現場では、さまざまな問題が頻繁に起こることから、アプリエンジニアには、目の前の問題を一つ一つ解決していく能力が求められているのです。
新しい言語やスキルを習得する向学心
Webサービスは日々成長しており、新しい情報やスキルが常に生み出され続けています。アプリエンジニアは、プログラミング言語をはじめ、アプリ開発に必要なスキルを常に学ぶ必要があるのです。
より良いサービスを提供するためにも、アプリエンジニアには新しい言語やスキルを学び続ける『向学心』が必要になると言えるでしょう。
まとめ
スマホユーザーは年々増加しています。Androidを搭載しているスマホを利用している人も多く、世界的に見ると、圧倒的にAndroidの方がiOSよりも普及しているのです。
すでに沢山のAndroidアプリが存在しますが、今後も新しいアプリが次々に誕生することが予想されます。したがって、Androidアプリを開発できるエンジニアの需要はますます高くなることでしょう。Androidアプリの開発に興味があれば、今回の記事を参考にして、ぜひ最初の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。