Android Studioの基本を知ろう
Androidアプリを開発するにはGoogle純正の総合開発環境であるAndroid Studioを用いるのが最適です。
まずはAndroid Studioの基本情報を確認してみましょう。
Android Studioとは
『Android Studio』とは、2014年12月8日に『The official Android IDE』としてGoogleが正式にリリースした、Android開発に最適化された「総合開発環境(IDE)」です。
JavaやKotlinなどのJavaプラットフォーム上の言語に対応した「IntelliJ IDEA(インテリジェイ アイディア)」ベースの総合開発環境となっています。
Android Studioが登場するまでのAndroidアプリ開発では、IBM社製の「Eclips」という総合開発環境にGoogleが提供するAndroid開発のためのプラグイン「ADT」を導入することが主流でした。
Android StudioはGoogle純正製品でAndroid総合開発環境を一本化したものと言えます。操作や機能は従来のADTと違和感なく使えるようになっていますので、Android Studio以前の開発環境に慣れている人でも安心して使えることでしょう。
Google公式開発ツール
AndroidはGoogleが開発したモバイルOSです。Google製のOSで動作するアプリをGoogle製の総合開発環境で作製する、ということを実現するAndroid StudioはGoogleが推奨する公式開発ツールともなっています。
また2015年末にADTのサポートは打ち切られ、現在はAndroid Studioの使用が推奨されています。
このためEclipsにADTを導入して開発するスタイルは技術の遷移に対応できなくなっており、その環境でアプリを開発したとしてもAndroid上で正しく動作しない可能性があるのです。
これからAndroidアプリを開発するならAndroid Studioを用いることがグローバルスタンダードかつベストな方法と考えておくと良いでしょう。
出典:Android デベロッパー | Android Developers
Android Studioのメリット
Android Studioを使うと、どのようなメリットがあるのか見てみましょう。
仕事を獲得できる
日本ではAppleのOSであるiOSのシェアが50%を超えており、スマートフォンといえばiPhoneというイメージがありますが、これは世界的にみても珍しいケースです。
Net Applicationsが発表した2019年1月の全世界OSシェアではAndroidが70%を超えています。モバイルアプリ開発においてはAndroidを無視することはできない状況です。
また、iOS向けに作られたアプリがAndroidに移植されることもあり、Androidアプリを作成して翻訳すれば全世界の億単位のユーザーにアプリを届けられるという巨大市場が待っています。
Androidアプリを作製する推奨環境であるAndroid Studioを使いこなせるスキルを持っているということは、それだけでAndroid開発者として案件獲得の機会があります。
またこの市場に参入する無数の企業にとって市場価値があるということです。
アプリを作れる
Android Studioでのアプリ開発は言語としてJavaが基礎的ですが、これさえあればプラットフォームを問わずさまざまなアプリが作製可能です。
iOSアプリの場合はmacOSとXcodeという環境が必須ですが、Android StudioはWindowsでもmacOSでもLinuxでも動作し互換性もあります。
またアプリといってもスマートフォン向けだけではなく、Google製のスマートウォッチ「Wear OS by Google(旧称Android Wear)」や、スマートTVの「Android TV」、またカーナビの「Android Auto」向けのアプリの作製も可能でしょう。
Android StudioとJavaの知識・スキル、これさえあればどこにどんなアプリを投入することもでき、GooglePlayStoreでアプリ公開するには25ドルの登録料さえあれば済みます。
Android Studioの特徴
では次にAndroid Studioの特徴と有用性を見てみましょう。
アプリ構築が簡単
AndroidSdutioではビルド自動化システムである「Gradle」導入されています。
ソースコードファイルをアプリに変換するには「ビルド」という作業を行いますが、これはコンパイル・テスト・依存関係の管理など多くの手順を含むため、通常は非常に煩雑な作業です。
Gradleは簡単な命令を与えるだけでこれらを自動化し、更にバージョンアップで何度ソースコードを書き換えてビルドを行なっても、変更のない部分は再コンパイルしない、というようにしてビルドの無駄を極力排除しています。
要約すると、JavaでコーディングすればあとはGradleがアプリにしてくれるということです。
コード編集がしやすい
コーディングは集中力と時間との戦いですが、Android Studioには「インテリジェントコードエディター」というエディタが備わっており、スマートフォンの予測変換のような『コードの自動補完』が行えるため作業効率を大幅に向上してくれます。
さらにコードの置換・検索・解析など便利な機能が盛り沢山で、短時間でより高品質なコードを作成するサポート体制は万全と言えるでしょう。
テストを行いやすい
小さなコーディングミスが命取りになりかねないアプリ開発ですが、Android Studioにはユニットテストを自動化する『JUnit』やUI機能テストフレームワークなどのテストに役立つさまざまなツールが販売されています。
また、問題発見時にもワンクリックで解決できる機能や、複雑な問題なら解決をガイドしてくれる機能なども備わっているため、コーディングとテストをストレスフリーに行なっていける環境が整っているのです。
Android Studioを日本語化する方法
Androidは Studioはデフォルトでメニューや表示されるメッセージが英語ですが、『Pleiades』プラグインを使用して日本語化することが可能です。
まずはAndroid Studioをダウンロードし、デフォルトのディレクトリにインストールしておきましょう。以下はAndroid Studio 3.4・Windows10での日本語化を想定しています。
Pleiadesプラグインをダウンロード
Android Studioのインストールが完了したらPleiadesの公式サイトにアクセスしましょう。
「Pleiades プラグイン・ダウンロード」ブロックの「Windows」をクリックするとPleiadesプラグインのダウンロードが開始されます。任意の場所に保存をします。
Pleiadesプラグインをインストール
続いてPleiadesプラグインをインストールしましょう。ダウンロードしたファイルは圧縮ファイル(.zip)ですので解凍しましょう。
展開されたら「setup.exe」をダブルクリックして起動します。セットアップウィンドウが開きますので「日本語化するアプリケーション」の「選択」をクリックしましょう。
ファイル選択ダイアログが表示されますのでダウンロードしたフォルダ表示して「studio64.exe」を選択し「開く」をクリックします。
ここで「Pleiades が配置されるディレクトリ」および「Pleiades の設定が追加されるファイル」も自動的に設定されますので「日本語化する」をクリックしましょう。
「日本語化が完了しました。」というダイアログが表示されますので「OK」をクリックし、セットアップウィンドウで「終了」をクリックして日本語化完了です。
日本語化されたかを確認
Android Studioが日本語化されたかどうか確認してみましょう。
Android Studioを起動すれば、表示されるメニューやラベルなどが日本語化されていることが確認できます。
英語に戻す解除方法
日本語化したAndroid Studioを英語に戻すには「studio64.exe.vmoptions」ファイルを編集します。この場合デフォルト位置なら「C:\Users\(ユーザー名)\.Android Studio3.4\config\studio64.exe.vmoptions」にありますので、ファイルをテキストエディタで開きます。
ファイルの最後の2行に対してそれぞれ行の先頭に「#」を追加して「コメントアウト(コマンドが実行されない)」してからファイルを保存してください。
これで英語表示に戻っているはずです。Android Studioを起動すればメニューやラベルが英語表記に戻っていることが確認できます。
Android Studioで作れるもの
Android StudioではさまざまなGoogle製のデバイスで動作するアプリを作製し、共有することができます。ごく簡単に見てみましょう。
スマホアプリ
Android Studioでは作りたいアプリを目的別にテンプレートから選択できます。
選択した機能のソースコードが自動的に記述されるので、これを利用するのも良いでしょう。ゼロからコーディングしていくことも可能です。
Android TV
Google製のスマートTVであるAndroid TV向けのアプリも、スマホアプリと同じ技術で作製することができます。
ただしAndroid TVの場合は「TVアクティビティ」や「タッチスクリーンの不要」を宣言するコードを挿入する必要があるなど、特別なルールがあります。
例えばスマホ版で作製したゲームや動画アプリを大画面で再生させることなども可能です。
Android Auto
またGoogle製カーナビであるAndroid Auto向けのアプリも、やはりスマホアプリと同じ技術で作成することができます。
例えば作製したスマホアプリをAndroid Auto用にビルドしてデータ共有するといったことが可能です。
まとめ
JavaとAndroid Studioのスキルさえあれば世界で通用するアプリを作ることも可能ですので、有名アプリ開発者を目指してみるのも良いのではないでしょうか。