副業を始める前に意識しておきたい注意点
やみくもに副業を始めてもうまくいかないことがあります。なぜ副業をするのか、どのように副業を選ぶのか、といった指針をはっきりさせてから始めると、長続きしやすいでしょう。
副業する目的を明確にする
あなたが副業したいと思った目的は何でしょうか?
WEBエンジニアとして本業がある方には、副業をしなくてもすぐに生活に困るわけではありません。そのため、目的や目標があいまいなまま始めると、継続するのが難しいのです。
逆に、明確な目的を持って取り組む副業は、スキルアップやキャリアアップに役立ちます。いつまでにどのようなスキルを身に付けて、どのような将来を実現したいのでしょうか?
あなたの将来のためにも、目的を明確にして副業をしましょう。
自分にメリットがある仕事を選ぶ
副業を選ぶ基準は、あなたにメリットがあるかどうかです。メリットといっても、必ずしもお金とは限りません。副業の目的に合わせて、メリットの大きな仕事を選びましょう。
例えば、スキルアップを目的とした副業なら、あなたが望むスキルを身に付けられるかどうかを基準に選びます。
報酬は相場より少ないこともありますが、今後を考えて必須のスキルが身に付くなら、あなたにとってはプラスに働くはずです。
WEBエンジニアとしてのモチベーションアップのために副業したいということもあるでしょう。その場合、一緒に取り組むメンバーが前向きでやる気があるかどうかという点や、経営者のビジョンなどもポイントです。
デメリットも理解しておく
例えば、社員として本業に取り組みながら副業をこなすのは大変です。スキルを身に付けて本業に生かしたいと思って副業を始めても、本業がおろそかになることもあります。しかし、これでは本末転倒です。
本業にしっかり取り組みつつ、副業で新しいスキルを身に付けるという好循環のためには、時間管理が欠かせません。副業に取り組む時間帯や曜日を固定するといった工夫で、本業をおろそかにしない仕組みづくりを行う事が大切です。
詳しいデメリットはこの後記載していますので、気になる方は読み進めてみてください。
WEBエンジニアは副業と相性が良い
仕事を取り巻く環境も、仕事の進め方そのものも、WEBエンジニアは副業向きといえます。具体的にどのような点が副業に向いているのでしょうか?
需要が高いため比較的仕事が見つけやすい
副業においてWEBエンジニアは、仕事が見つけやすいのが特徴です。WEB業界は成長産業で、その規模は大きくなり続けています。そして、今後も伸びていくと予想されているのです。
例えば、広告業界ではテレビ広告の売り上げにネット広告の売り上げがかなり迫ってきていて、もうすぐ追い抜くと言われています。それくらいネットは今の時代の先陣を切っているのです。
インターネット環境が普及し、スマホやパソコンだけでなく、家電にもITが組み込まれるようになった今、WEBは生活に必要不可欠なものになっています。ITの活用範囲が広がることで、WEBエンジニアの仕事も増えているのです。
業種別での「IT・通信」の求人数は前月比102.2%と微増、職種別でも「技術系(IT・通信)」の求人数は前月比103.8%とやや増加した。前年同月比を見ると、業種別「IT・通信」の求人数が115.0%、職種別「技術系(IT・通信)」の求人数が121.8%とはっきり増加している。業種別「IT・通信」の転職求人倍率は7.24倍、職種別「技術系(IT・通信)」の転職求人倍率は9.73倍と、職種別ではとうとう9倍を突破した。
出典:2019年7月の「doda 転職求人倍率レポート」発表、技術系(IT・通信)求人がとうとう9倍を突破―パーソルキャリア|IT人材ラボ
このように、IT系の有効求人倍率は高い状態が続いています。需要があるため、副業もスムーズに見つけやすい状況といえるのです。
リモートで働きやすい案件が豊富
自宅やカフェなど、オフィス以外の場所で仕事がしやすいというのも、副業に向いている理由です。
副業は本業の空き時間に取り組む仕事のため、できるだけ効率的に進めたいと感じている人も多いでしょう。パソコンを開いてすぐに自宅で仕事ができるとなれば、通勤時間なども副業にあてられます。
また、リモートで働けるというのは、リラックスできる空間でマイペースに取り組めるという点でもメリットです。
仕事をする上で距離が問題にならなくなると、選べる案件の幅が広がります。国内外を問わず、多彩な仕事にチャレンジできるという魅力もあるのです。
WEBエンジニアが副業をするメリット
WEBエンジニアが副業をするのは、収入を増やしたいという理由だけではないでしょう。将来に役立つ大きなメリットがあるからこそ、本業の合間を縫って副業にチャレンジするのです。
本業以外のスキルを身に付けられる
まず挙げられるのは、本業では得られないスキルを身に付けられるという点です。WEBエンジニアの仕事は幅広いですが、1人に任される仕事の幅はそれほど広くありません。
そのため本業のみだと、専門分野を深められたとしても、他のスキルを身に付けることは難しいのです。たとえスキルを身に付けようと勉強したとしても、それを生かす機会がない状況でもあります。
一方、副業に取り組むと、本業とは違う分野の仕事を任されることがあります。その経験を通して、本業とは違うスキルを磨いたり、勉強したことを実務経験に生かしたりできるのです。
そのほか向上が期待できるスキルは以下のようなものでしょう。
- マーケティング力
- 営業力
- コミュニケーション能力
副業の経験を本業に活用して好循環を作ってはいかがでしょうか。またこのようなスキルアップは今後フリーランス転向を考えている人にとっても貴重な経験になるでしょう。
自分の市場価値を客観視できる
市場全体の中で、自分は今どのくらいの実力があるかを知るためにも、副業は役立ちます。
オフィスで一緒に働くメンバーは同じスキルを持っている人が多いものです。そのため、市場全体から見た自分の強みが理解できないことがあります。
本業の会社での評価は、あくまでも社内の評価です。社外でも仕事ができる実力があるかどうかは、実際に副業に取り組むことで把握できます。
副業で本業と違う環境で仕事をすることや、フィードバックされることを通して、自分の持っている強みに気付いたり、補うべきスキルを発見できたりするのです。
自分の持っているものを客観視して市場価値を把握することは、キャリアを考える上でも役立ちます。
WEBエンジニアが副業をするデメリット
対して、先述した「本業が疎かになる可能性がある」他にもWEBエンジニアには以下のようなデメリットがあります。
本業と副業以外の自由な時間が減ってしまう
例えば、平日は本業をして土日や週末、休日に副業をする場合、必然的に自由な時間が減ってしまいます。休みなく働きすぎて体調を崩してしまっては本末転倒です。適度な休暇を取る事を意識したスケジューリングを自分自身で行う必要があります。
確定申告を行う必要がある
副業収入が20万円を超える場合は確定申告を行う必要があります。ただし、給与として年末調整を行っている場合は不要です。確定申告の期日に間に合わず、確定申告ができなかった場合、無申告加算税や延滞税などのペナルティを課されてしまう可能性があるので気をつけましょう。
WEBエンジニアの副業案件の探し方・サイト
副業としてWEBエンジニアの仕事を探すには、さまざまな方法があります。まずはどのような探し方があるかを知ることが大切です。今後の目標や、やりたい仕事に合わせた方法で仕事探しをしましょう。
エージェントを活用
副業の求人を探す方法として、広く知られている手段の一つがエージェントの活用です。エンジニアの求人情報に特化したエージェントだけでも複数存在します。
自分が求める条件に合った仕事を見つけるサービスまで提供するエージェントは、求人を探している側にも仲介料が発生します。
一方で、会員登録をしたらあとはその中で自分で求人情報を探して応募するといったものは無料であることが多いです。
無料で使えるサービスは同時に登録することで、求人情報収集を効率的に行うことができます。
クラウドソーシングを活用
『クラウドソーシング』を活用した副業探しなら、希望する条件に合った副業を簡単に検索できます。スキルや条件・難易度に合わせて、たくさんの仕事の中からぴったりのものを見つけましょう。
より高度で専門的な高単価の仕事を選ぶことや、今学んでいるスキルに合わせた仕事を選ぶことができます。
クラウドソーシングで検索できる仕事は、自宅で作業できるものが多いのが特徴です。そのため、効率的に副業に取り組みやすいのも魅力といえます。
Offers Jobsなどのプラットフォームを活用
おすすめはオファー型のサービスに登録して副業案件を探す方法です。オファー型とは、登録しているユーザーに対して企業側が副業のオファーを出し、マッチングする形式の事です。
温度感の高い企業からのオファーが届くので選考を進めやすく、自分のスキルや経歴を事前に確認した企業からオファーが届くため、要件のすり合わせが行いやすいというメリットがあります。
エンジニアに特化したOffers Jobsには週1案件や時給4000円以上の案件が全体の半分以上と大変豊富に掲載されています。また、案件数も増え続けており、希望に合った求人とマッチングできる可能性が日を追うごとに高まっています。
知人やSNS経由で探す
『知人の紹介やSNSへの投稿が副業につながる』という可能性もあります。
「ホームページやアプリを作りたい人はいませんか?」と知人に一声かけてみましょう。意外と多くの依頼が集まる可能性があります。
副業探しのツールとしてSNSを活用するなら、技術的なことや仕事への価値観を意識して投稿しましょう。日々の投稿がきっかけで、企業から声がかかることもあります。
その際、実名で登録しておくことや、会社経営者を積極的にフォローすることなどを意識すると、より成果が期待できるでしょう。
個人開発も手段の一つ
WEBサイトやアプリを『自分で開発して収益化する』という方法もあります。
個人開発の魅力は、総合力を磨けるということです。企業に雇用されるWEBエンジニアに求められるのは開発と運用のスキルですが、個人開発ではそれだけでなく、アイデア出し・市場調査・集客・収益化などさまざまなスキルが必要とされます。
最初から軌道に乗せるのは難しい方法ですが、将来的に独立を目指したいと考えている人が小さく始めるのに向いています。
WEBエンジニアの土日(週末)OKな副業案件
平日に本業を行い、仕事のない土日に副業をしたいという方もいるのではないでしょうか。土日可能な案件をご紹介します。
PHPやRubyなどのプログラミング言語別の土日可能な案件
これはプログラミング言語別の求人倍率をグラフにまとめたものです。
Scalaに続きReact、Kotilnの倍率が高く、一方でPHPとJavaScriptは倍率が低い結果となりました。
その他、エンジニアの土日副業について興味のある方は、より詳しく説明しているこちらの記事をご覧ください。
WEBエンジニアの副業収入・案件
次に、プログラミング言語別やポジション別の時給分布を見ていきましょう。
プログラミング言語別副業収入の相場
プログラミング言語別の時給分布はこのような結果が出ています。GoやRuby、PHPやPythonは時給に幅があり、経験やスキルによって差が大きく開いている事が分かります。
また、Kotlinは一番高い水準で、求人倍率も高く、高単価な案件獲得のチャンスも高いと言えます。
エンジニアのポジション別副業収入の相場
こちらはエンジニアのポジション別時給分布をまとめたグラフです。フルスタックやPM、リードエンジニアは比較的時給の幅が狭いですが、その他のポジションは大きく差が開いている事が分かります。ポジションの中でもスキルや経験によって大きく報酬に差が出ているようです。
特に、データサイエンティストは5000円から1万円と高い値で幅広い結果になっています。
WEBエンジニア未経験者の副業について
全くの未経験の状態で副業案件を獲得するのは難しいのが実情ですが、向上心や意欲があり、スキルがつけば案件獲得に繋げる事ができます。
エンジニア初心者が副業する際の注意点
近年、人工知能やAIの普及により大変注目を浴びているWEBエンジニア業界。求人に対して人員が不足している事により、高時給や高単価な案件も豊富にあります。
「未経験だけどこれからエンジニアとして副業したい」「初心者だけどエンジニアとして活躍したい」と考えている方もいるでしょう。そんなエンジニア未経験者・エンジニア初心者に役立つ情報をまとめた記事をご紹介します。きっと、あなたが抱えている不安の解消や、準備・実務の手助けになるでしょう。
まとめ
スキルアップやキャリアアップを目指すWEBエンジニアにとって、副業は非常に役立ちます。本業では得られないスキルを身に付けるきっかけになるからです。
多くの企業がWEBエンジニアを求めている今なら、さまざまな仕事の中から、あなたにぴったりの副業を選びやすいという状況でもあります。
計画的に取り組むことで、本業に好影響を与えることにもつながるでしょう。副業に取り組む目的や選ぶ基準を明確にすれば、目標実現にもつながりやすくなります。