エンジニアは副業に向いているのか?
時代の流れとして、IT関係のエンジニアに対する需要は旺盛です。会社勤めとしてのエンジニアがいて、独立したフリーランスのエンジニアもいます。また、会社勤めをしながら、副業としてもエンジニアの仕事をするケースも見受けられます。
時間や場所を選ばない仕事
エンジニアという仕事の強みは、時間や場所を選ばずにネット環境とパソコンさえあれば進めることができる点です。それだけでもすでに副業に向いています。都合のよいときに都合のよいところでできるためです。
会議が必要な場合も、オンラインのビデオチャットによるWeb会議で事足ります。そこで進捗状況の把握や意見交換をし、コーディングなどの具体的な作業は自宅やコワーキングスペースなどで可能です。
スキルとパソコン、そしてネット環境が揃えば、いつどこでもできるエンジニアという仕事は、副業に向いていると言って間違いはないでしょう。
人材が不足している今が狙い時
IT関連業界の現状としては、エンジニアが慢性的に不足しています。2015年の時点でエンジニアは実に17万人も不足で、その不足状態は年々拡大していくと見込まれています。
需要側の多くの企業が、副業であれなんであれ、エンジニアを求めているのです。エンジニアにとっては、いわゆる売り手市場だと言って過言ではありません。この傾向が続きそうなので、会社勤めのエンジニアにとっては今後しばらくは副業に取り組む好機と言えるでしょう。
副業でできるエンジニアの仕事
いざ副業でエンジニアをトライするとして、具体的にどのような仕事があるのでしょうか。
HP作成
企業やさまざまな法人の、ホームページの制作案件も多数あるようです。中には個人がクライアントの場合もあります。制作だけでなく、リニューアルや不具合のメンテナンスなども仕事です。
HTMLやCSSの知識によって、大部分の案件に対応可能です。さらにJavaScriptを扱う技術を持っていると、高報酬案件も選べます。
アプリの開発
副業の案件としてのアプリ開発には2通りあります。受託アプリの開発と自作のアプリ開発です。
受託アプリ開発は、企業から開発の業務委託を受けるかたちです。ゼロから作る場合もありますが、すでに流通しているアプリの仕様変更やバグ修正、機能追加などさまざまな作業があります。依頼企業との契約通りの仕事ができれば、確実に決められた額の報酬を得られる点は安心できます。
その点、自作アプリでは、アプリの広告がメインの収入源なので不安定です。全てを自作で進めるので、スキルアップにも役立つ仕事ではありますが、売れ行きが悪ければ、作業量に見合う収入が得られない可能性もあります。
プログラミング講師
プログラミングのノウハウと経験を持つ人にとって、講師という副業の選択肢があります。これには2つの道があり、自分でスクールを開くパターンとスクールを運営している会社と講師として契約するパターンです。
自分でスクールを開くのは、設備の準備や場所の確保と契約など、面倒なこともあるのでおすすめとは言えません。すでにスクールを運営している会社での講師契約が、リスクもなくてよいでしょう。
教える対象は社会人や学生だけではなく、小・中学生にも広がっています。また、オンラインのスクールもあり、ビデオチャットでの指導の仕事もあります。
エンジニアの副業を探す方法は?
副業としてのエンジニアの仕事を探す方法には、どんなものがあるのでしょうか。いくつかの代表的なものを、紹介しておきましょう。
知人の紹介を受ける
手っ取り早くて、リスクも少ないのが友人から仕事を紹介してもらう方法です。これは何もIT業界に限定されません。他業種の中で使われているシステムに関しての、アドバイスを求められて、仕事に発展する場合もあるでしょう。
エンジニアとしての経歴が長い人なら、さまざまな現場に臨む中で人脈を広げていることが多いと聞きます。過去に同じプロジェクトの現場で知り合った人から、妥当な案件もしくはクライアントを紹介してもらえるケースもあるでしょう。
クラウドソーシングに登録する
企業と人材のマッチングサービスである『クラウドソーシング』に登録してみるのもよいでしょう。企業の需要とワーカーの供給をマッチさせるのが、クラウドソーシングです。
案件は豊富にあり、副業向けもフリーランス向けもあれば、主婦ワーカー向け、学生向けもあります。コンペ形式やプロジェクト形式、タスク形式と仕事の募集方法もさまざまです。
日本を代表するようなクラウドソーシングサービスも、すでにいくつかあって実績も定評もあるので、比較的安心して利用できます。ただし、クライアントとのトラブルが無いわけではありませんので、交渉に関してはいつの場合も慎重におこないましょう。
クライアントから継続的に案件を受ける
一度業務を請け負ったクライアントに、自分ができる案件がないかを打診するのも、ひとつの方法です。タイミングがよければ、その時に受ける相手を探している案件があり、条件が折り合うなら契約できる可能性があります。
ただし最初の出会いがクラウドソーシングサービスだったり、エージェントからの斡旋であったりする場合に、仲介元の頭越しで契約することをためらうクライアントもいます。
当然仲介者からすれば、筋が通らないと思われる話です。それがトラブルに発展してもつまらないので、積極的に選ぶ方法ではないかも知れません。
副業を探す時の注意点
副業の案件をこれから探そうかというときに、注意すべき点はどのようなものでしょうか。大事な部分ですので、具体的に見ていきましょう。
会社の就業規則をチェック
公務員を除く一般的な給与所得者にとっては、副業自体は法的には問題ないのです。しかし、個々の会社には就業規則というものがあります。そして、会社によっては、さまざまな理由で副業を禁じている場合もあります。
それを無視して副業をおこなうと、雇用契約上の違反行為になる可能性がありますので、発覚すれば何らかのペナルティを受けるか、退職を勧告されるかも知れません。
無用なトラブルを避けるためにも副業を検討するのなら、前もって就業規則を確認しましょう。もし就業規則で副業が禁じられている項目がなくても、後々問題になりそうな環境なら、そうなる前に会社と相談してみるのもひとつです。
確定申告が必要になることも
給与所得者の副業などの給与以外の所得が年間20万円を超えると、確定申告の義務を負うことになります。これを怠ると、いわゆる脱税行為になるので注意が必要です。
ただし、収入ではなくあくまで所得ですので、収入自体は20万円を超えていても経費を差し引いて20万円未満になれば、その対象にはなりません。
クラウドソーシングは単価に注意
クラウドソーシングは副業ワーカーやフリーランスにとって、仕事を探す有効な方法であることは間違いありません。しかし、問題点としては、業務の内容に対して単価が安くなる傾向があります。
不特定多数から案件を請け負うワーカーを募るという形態なので、受注競争が生じて単価が下がる傾向にあります。まして初心者ワーカーなら安くてもいいから、とにかく仕事をしたいとか実績を積みたいという人も多いでしょう。
もちろん、すべての案件の単価が低いわけではないし、業務の難度が高いものや納期が早いものは、高い報酬が提示されているものもあります。いずれにせよクラウドソーシングを利用するときには、くれぐれも単価と内容のバランスに注意しましょう。
まとめ
フリ―ランスのエンジニアに関して、それが副業としても成り立つものかという観点で、稼ぎ方と注意点も含めて解説しました。
フリーランスエンジニアは充分副業に向いて要る職種であり、案件の探し方もいろいろあります。しかし会社とのトラブルを避ける配慮と、税金のことも注意が必要です。
フリーランスエンジニアとしての副業を考えている会社員の人たちには、ここで紹介した基本情報を押さえた上で、ぜひ副業としてトライしてもらいたいものです。