ITサービスマネージャの難易度とは?資格取得の有用性も紹介

ITサービスマネージャの資格を取得して有利な転職をしたり、運用管理の責任者へキャリアアップしたりするために、どんな知識やスキルが必要なのでしょうか?試験の内容や難易度、資格取得後の有用性について紹介していきます。

ITサービスマネージャの難易度

ITサービスマネージャとは、システム全体のプラン作成や統制業務だけでなく、運用状況を的確に把握したうえでのスタッフの配置・指導、プロジェクト運営といったシステム運用管理を行う管理責任者です。試験の難易度と試験内容について詳しくご紹介します。

スキルレベルは4

ITサービスマネージャは高度情報処理技術者試験の一つで、気になる合格率は2017年で13.6%、2018年14.3%と、情報処理技術者資格の中でも難易度が高いです。

試験も1年に一度しか行われないため、不合格の場合は次の年を待たねばならず、資格試験の中ではレベルが高いといえるでしょう。

ITサービスマネージャでは高度なITの専門知識のみならず、顧障害が発生した場合のリスク管理やコスト管理といった経営やビジネスといったスキルまで要求されるため、出題範囲も幅広く設定されています。

試験内容

ITサービスマネージャ試験は1日で行われます。スケジュールは午前中に2試験、午後から2試験の合計4つあります。午前の試験は多肢選択式で実施されるため、全ての問題に解答が必要です。

午前I 午前II
試験時間 50分 40分
出題形式 多肢選択式 多肢選択式
出題数 30問(全て回答) 25問(全て回答)

2年以内に応用情報技術者試験に合格した試験科目者は、午前Iの試験が免除となります。

午後の試験は記述式と論述式となり、選択解答となるため全ての設問に答える必要はありません。

午後I 午後II
試験時間 90分 120分
出題形式 記述式 論述式
出題数 4問(回答数2問) 3問(回答数1問)

合格基準は、選択式では100点満点中の60点以上、論述式では最高ランクのランクAを満たすことです。すべての項目で合格点を取らなければならないので、まんべんなく勉強する必要があります。

試験内容は、午前Iが情報処理技術者としての基礎知識、午前II、午後の部はITサービスマネージャとしての知識に関する内容です。

安全で信頼できるITシステムを提供するために、システムの安定性の確保、トラブル時の対処、品質管理と向上、マネジメントなど、広い範囲で出題されます。

求められる知識

ITサービスマネージャは、開発責任者と同程度の統括責任を負います。システムの安定稼働はもちろん、あらゆるリスクに対応してコスト効率のことまで継続的に運用しなければなりません。そのために求められる知識についてまとめました。

技術的な知識

ITサービスマネージャは、システム全体の統括を担うため、様々な技術が求められます。

システムを構築するためのプロセスを理解し、顧客の求めるサービスを考え、最終的に安全で信頼性の高いITサービスを提供しなければなりません。

そのために必要なシステムの運行管理だけでなく、障害が起きた時の対応も重要な仕事です。情報セキュリティ対策を万全にすることで、常に品質を維持することがITサービスマネージャには求められるのです。

ハードウェアやソフトウェアを導入する時は、セットアップから機能の維持・拡張を行い、障害が起こればそれを修復できるスキルも必要になります。

マネジメントの知識

ITサービスマネージャには、マネジメントの知識も必要といえます。

プロジェクトを統括管理するマネジメント力だけでなく、顧客サービスとしてのサービスマネジメント力も必要な仕事です。その中には、システム監査の知識も関係しますので、経営に関するさまざまな知識が必要とされます。

ITサービスマネージャ資格の有用性

様々な業界に業務システムが導入されている昨今では、ITサービスマネージャのさらなる活躍が期待されています。どんな有用性が見込めるのでしょうか。

スキルの証明ができる

ITサービスマネージャは国家資格であり、難易度が高いため、技術的にも知識的にも信頼の厚い資格といえるでしょう。今日では多くの業界で業務システムが採用されており、一度採用となれば長い期間働くことができると予想されます。

業務システム管理の全体を任せられる人材として、ITサービスマネージャの資格は、かなり有用性が高いといえます。

分析や深く考えるためのスキルが身につく

ITサービスマネージャはシステムを開発するだけではなく、その先に続くリスク管理やパフォーマンス管理といった運営自体に携わっていきます。

そのため、問題が起きる度に分析や解決を行い、さらなる質の向上を目指していくスキルが問われるのです。資格取得のための勉強を通して、物事を分析し、将来のことまで見据えて考えるスキルが身につくでしょう。

転職に有利

今日では幅広い業界でシステム導入がなされているため、IT企業に限らず、企業のシステム管理部門から必要とされる資格であるといえます。

信頼ある難関の国家資格は、その知識やスキルを証明するものです。今後もますます需要が高まることが予想されるため、転職に非常に有利になります。

まとめ

ITサービスマネージャは、情報システムの安定稼働、障害の回避や被害の最小化、品質管理と継続的な向上といった、高いサービスの提供が求められます。

難易度の高い国家試験であるため、取得することで得られる信頼は大きいといえます。今後も多様な業界、分野からの需要が見込めるため、転職にも有利に働くでしょう。

システム開発のみならず、全体の運用・管理まで行いたい、スキルを磨きたいという方におすすめの資格です。

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