ハードウェアエンジニアとして副業はできる?
ハードウェアの仕事は本業との両立が難しい
『目に見えないもの』を扱うソフトウェアの仕事と異なり、ハードウェアの仕事は基板やモータなど『目に見えるもの』を扱うことがほとんどです。
クライアント企業への常駐や客先への出向を必須とする案件が多く、現地での打ち合わせを必要とすることも多いため、本業以外の時間に働くことは難しいといえます。
このような性質をもつ業務内容であることから、副業としての案件数もそれほど多くありません。継続的に仕事を獲得している人も、時間的に余裕をもったフリーランスであることがほとんどです。
本業のスキルが生かせるとは限らない
ハードウェアエンジニアの業務は、数多くの分野と部門を対象としています。機械や設備を取り扱う業界なら、ほぼ全てのジャンルの業種で必要とされるといっても過言ではありません。
PC本体や周辺機器、内部で使用される物理的な電子回路はもちろん、各種家電製品や工場設備など、ソフトウェアを組み込める機械類はほぼ全てハードウェアエンジニアの業務対象です。
それぞれの業務が専門的すぎるため、本業で身に付けた知識や経験をダイレクトに生かせるとは限りません。クライアント側にとっても、即戦力を獲得しにくい領域であるといえます。
ハードウェアエンジニアが副業するなら
ハードウェアエンジニアが実際にやっている副業
副業をするのが難しいハードウェアエンジニアですが、実際に本業と両立できている方もいます。今回はその方々がどのような副業しているのか調査したのでご紹介します。
【アンケートの概要】
- 対象者:副業をしているハードウェアエンジニアの方
- 募集期間:2020年 4/15 ~ 4/16
- アンケート媒体:Crowd Works
Aさん | Bさん | Cさん | |
副業 | ドローン関連(機体搭載装置等)の開発 | 電化製品の修理 | 映像演出オペレーター |
副業の月収 | 多い月で5万円、少ない月は収入なし | 7.5万円 | 5万円 |
本業 | 産業用機械装置の研究・開発 | 電機メーカーでの設計 | ハードウェア系システムエンジニア |
この調査で分かったように、ハードウェアエンジニアは本業で培ったスキルをいかして副業を行うことができます。しかし、ソフトウェアエンジニアのように安定した活動を行うことは難しいのも事実です。
講師という選択肢がある
エンジニアとして、本業である程度のキャリアを重ねている場合は、プログラミング講師をするという方法があります。講師の種類には以下の2種類があります。
- プログラミングスクールの講師
- 企業の新人研修の講師
プログラミングの講師は、初心者に向けた基礎を教えることが大半です。各種専門分野のプログラミングを教える授業内容でなければ、ほとんどのエンジニアは対応できるでしょう。
プログラミング講師の業務形態は、ビデオチャットなどを利用したネット経由のオンラインと、実際にスクールへ出向いて教えるオフラインに分けられます。
プログラミングスクールであれば利用する学生や社会人は、夜間や土日の利用者が多いため、本業と両立しやすいでしょう。
副業案件の探し方と注意点
副業案件を探すには
案件を探す方法には以下のようなものがあります。
- クラウドソーシング
- エージェントサービス
- 営業
- 知り合いの紹介
仕事を探している人と発注元のクライアントを仲介するクラウドソーシングと呼ばれるサービスがあります。自分のスキルや実績をアピールしながら、自分好みの案件を探せるサービスです。エンジニアが副業で行える仕事も多数そろっています。
似たようなサービスにエージェントと呼ばれるものもあります。自分に合ったクライアントを紹介してくれるため、営業する労力や時間を省きたい人におすすめです。
本業を通して知り合った仕事仲間や友人などから、案件を紹介してもらうのも一つの方法です。自分の要望を伝えやすく、スキルを理解してもらいやすいメリットがあります。
副業で注意するポイント
副業での注意点には以下のようなものがあります。
- 本業の規則に反していないか
- 過重労働にならないか
- 案件が能力の範囲内か
副業を検討する際は、本業の就業規則を確認しましょう。副業禁止と明記されているにもかかわらず副業をしてしまうと、最悪の場合、懲戒処分を受ける恐れがあります。
過重労働にも注意が必要です。本業にプラスして働くことになるため、本業や生活そのものに支障をきたさないよう、無理のない働き方を意識することが大事だといえます。
また、高単価の案件ばかりを請け負いすぎると、スキルが追いつかなくなる場合があります。募集内容にしっかりと目を通し、面談時にもクライアントに詳細を確認しながら、自分にできる範囲内の仕事を選択することが重要です。
確定申告について
ビジネスパーソンが、副業で年間20万円以上の所得を得た場合は、確定申告をすることが義務付けられています。時期がきたら必ず申告するようにしましょう。
この場合の所得とは『収入』から『経費』を差し引いたものです。パソコン購入費・ネット代・文房具代など、副業により発生した費用が経費計上できます。
クライアントが源泉徴収している案件の報酬は、既に納税済みの金額です。確定申告をすることで、源泉徴収により納めすぎた税金が還付される場合があります。
エンジニア案件は報酬単価の高いものが多いため、月に数本のプログラミング案件を受注するだけでも、確定申告の対象者となります。
まとめ
ハードウェアエンジニアの仕事は、専門性が高い上、業務内容も多岐にわたります。常駐や出向が必須となる場合も多いため、本業のスキルを生かした副業には向いていません。
エンジニアとして副業を探すなら、基礎知識を教えるスクール講師や、キャリアアップにも役立つソフトウェアの案件を中心にアプローチしてみましょう。