エンジニアの副業や転職を考えるときの注意点とポイント解説

政府により働き方改革が進められ、仕事のあり方に変化が現れています。「副業で収入やスキルをアップさせたい」「転職でよりよい仕事環境を実現したい」と考える人は、副業や転職における注意点を知って新しいワークスタイルへ踏み出す準備を始めましょう。

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エンジニアも副業をしよう

企業や団体に籍を置き、エンジニアとして仕事に従事している人の中にも、副業を考えている人はいます。しかし「副業が許されるのか?」と疑問を抱いている人もいるでしょう。

副業に全く制約がないと言うことはまずありません、しっかりと留意しておくべき点があります。曖昧な知識や感覚で副業をスタートする前に、大切なポイントはしっかりと押さえておきましょう。

法的制約について

副業自体、法律的に問題があるわけではありません。以下は、厚生労働省が副業に関してまとめたモデル就業規則に関する部分です。

(副業・兼業) 第67条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事すること ができる。

2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の 届出を行うものとする。

3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場 合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。

① 労務提供上の支障がある場合 ② 企業秘密が漏洩する場合 ③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合 ④ 競業により、企業の利益を害する場合

出典:副業・兼業の促進に関するガイドライン

事前に会社に申し出た上で、会社の禁止・制限事項に触れないか判断を仰ぐ必要があります。

IT技術者の人手不足

昨今、IT業界において技術者の人手不足が問題になっており、今後この人手不足は深刻化する可能性が高いです。

実際に経済産業省によって発表された調査結果によると、IT需要は今後拡大するにもかかわらず、労働人口が減るため、2030年にはIT人材の需要が供給を79万人分上回る可能性があるとされています。

IT人材不足が起こると言うことは、エンジニアの需要が高まっていることを意味します。副業でエンジニアをすることは、自分のスキルアップや収入増加のだけではなく、IT業界の手助けにもなるのではないのでしょうか。

出典:ーIT人材需給に関する調査ー

副業の主な職種と探し方

エンジニアが副業をしたいと考える理由には、さまざまなものがあります。収入を増やしたい人もいれば、スキルアップを目指したいという人もいるでしょう。

ともあれ、漠然と副業をしようと考えていても前には進めません。エンジニアができる副業にはどのような仕事があって、どのように探すのかを知ることが大切です。

職種別の求人件数ランキング

WEB系エンジニア、組み込み系エンジニアなど様々な職種がありますが、自分の専門領域で副業したいという人が多いでしょう。

また、職種を決める際の一つの参考として、人材エージェントに載っている職種別案件数を第1位〜第5位までを表でまとめました。

順位 職種 件数
1位 インフラエンジニア 1937件
2位 サーバーエンジニア 950件
3位 アプリケーションエンジニア 558件
4位 ネットワークエンジニア 416件
5位 データベースエンジニア 300件

(2020/4/14日現在)

出典:フリーエンジニアのIT求人・案件サイト【レバテックフリーランス】≪公式≫

副業を探す方法とは

副業案件を得るための方法を、大きく三つに分けて説明します。

まず一つ目として、副業を手掛ける人やフリーランス向けのエージェントを活用することはとても有効です。価格交渉などを代行してくれる点でとても業務がスムーズなり、かつ高額案件の紹介も期待できます。

次に、クラウドソーシングのウェブサイトも、仕事探しに盛んに利用されています。そこに並ぶ案件のほとんどは業務委託なので、会社勤めをしながらでも両立しやすく、フルリモートで業務にあたれる点でも副業に適しています。

さらに、エンジニア仲間から案件を紹介してもらうために、人脈を広く持つことも役立ちます。実際に交流がある人の信頼を得られていれば、仕事の紹介も受けやすいでしょう。

副業するときに気を付ける点

副業を始めるにあたって、就業規則にまず注意すべきことは既に記しました。それ以外にも、気を付けるべき点があります。

副業は、収入を増やしたり技術を向上させたりということを確実に進めなければ意味がありません。適切に継続していくためのポイントをまとめておきます。

過重労働にならないこと

広く普及してきた副業ですが、過重労働にならないように留意することが必要です。

働き方の自由度が高い副業において、所得を増やしたいがためにオーバーワークとなり、健康を害してしまっては元も子もありません。

自分の働き方はしっかりと自己管理し、業務ペースや睡眠時間、本業への影響などをコントロールしましょう。

確定申告について

企業などに勤めながら副業をし、新たな収入を得ると確定申告が必要になる場合があります。この点についても理解をしておきましょう。

ビジネスパーソンが副業するとき、確定申告の必要が生じるかどうかの一つの基準に、いわゆる『20万円ルール』があります。

『副業による所得が20万円以下』の場合には、確定申告をしなくても大丈夫というものです。しかし、20万円を超えると確定申告の義務が生じます。

とはいえ、医療費控除やふるさと納税の適用を受ける際は、『副業による所得が20万円以下』でも確定申告が必要になります。これは国税庁の『副収入などがある方の確定申告』に記されています。

出典:副収入などがある方の確定申告

転職を考える際に大切なこと

現在の勤め先での勤務を続けての副業ではなく、会社そのものを変える転職を検討している人もいるでしょう。その場合の注意点についてまとめました。

転職の目的を明確に

現在の状況に満足できず、現状を打破しようと転職を考えても、いざとなると具体的な転職先のイメージが持てない人もいます。技術には自信があるのにターゲット企業を絞れず、納得できる転職活動ができない人も多いのです。

その理由として大きいのは、転職者が転職する意義や方向性を定めていないことが挙げられます。つまり具体的な目的や目標の有り様です。

社格を上げたいと思ったとします。これを細かく見ると、給与を上げたいのか、ステータスやブランド価値がほしいのかなど、実はいろいろな要素があります。

漠然としたイメージではなく、より明確な目的や目標を打ち立てて転職先を探すことが大切です。

求められるスキルを理解しよう

転職活動では、企業が求める人材に自分の能力がマッチしていることが採用されるポイントです。そこで、企業が望むスキルについて、正確に理解しておくことが重要です。必要なITスキルは大きく分けて二つあります。

  • 基礎IT知識
  • プログラミング言語

基礎IT知識

以下の五つの項目に分かれた基礎知識は全て、職種に関わらずIT技術者として知っておかなければならないものです。これらは全て、国家資格でありIT技術者の登竜門として知られる基本情報技術者試験の試験範囲に含まれています。

  • ソフトウェア:OS、ミドルウェア、ファイルシステム、開発ツール、オープンソースのなどの知識。つまりパソコンで様々な操作を可能にするプログラムに関する知識。
  • ハードウェア:メモリ、プロセッサ、バス、入出力デバイス、入出力装置などコンピューターなどの機械の構成要素に関する知識
  • データベース:データベース方式、設計手法、データ操作、トランザクション処理などの知識
  • ネットワーク:ネットワーク方式、通信プロトコル、データ通信と制御、ネットワーク管理などの知識
  • セキュリティ:情報セキュリティの種類、情報セキュリティ管理方法、情報セキュリティ対策手法、情報セキュリティ技術評価方法などの知識

プログラミング言語

プログラミング言語は職種によって身につけておくべきものが異なるので、職種ごとに紹介します。

  • WEBエンジニア:PHP、Java、Rubyなど
  • 組み込みエンジニア:C、C++、Javaなど
  • バックエンドエンジニア:PHP、Java、Python、Rubyなど
  • アプリエンジニア:Swift、Java、Kotlinなど

プログラミング学習方法には主に三つあるので、自分に合ったものを活用してみてください。

求められているニーズをしっかりと把握し、それを自分が持っているかどうかを判断しましょう。

出典:IT技術者に必要なスキル

エンジニア特有の転職における注意点

転職を考える際に大切なことについてまとめましたが、『エンジニアならではの転職を考える際に気をつけておくべき点』もいくつかありますので、早速見ていきましょう。

タイミングを逃さない

エンジニアという職業は、体力や断続的なスキルアップデートが求められる仕事です。なので、体力もあり好奇心が比較的強い20〜30代はそれ自体が強みとして働きやすいです。

例えば、同じスキルを持ち合わせている30歳と40歳の人から応募があれば、優先的に年齢の若い30歳の人を採用するという可能性もあります。

だからと言ってスキルは度外視で若ければなんでも言いとうわけではもちろんありません。自分のスキルと年齢を考慮して最適なタイミングで転職することが、自分の納得した転職先に採用される大事なポイントになってきます。

目先の収入だけに囚われない

転職する方の一部には、現在働いている会社の収入に不満を抱いて転職を考える方もいらっしゃるのではないでしょうか?その際に注意すべき点は、収入だけで転職先を決めることは危険だということです。

エンジニアという職業は前述の通りスキルが大きく求められる職業です。なので、ITスキルだけでなく様々な『スキルの向上が期待できる』企業に転職することも今後のキャリアのためにも重要になっていきます。

特に、今後転職後にフリーランスに転向しようと考えている方は、ITスキルだけでなく営業力やコミュニケーション能力も必要になっていくので、スキルアップは欠かせません。

まとめ

時代と共に、働き方は大きく変化を見せています。自分の能力を生かした副業や転職は、その人の可能性を広げることができます。

しかし、やみくもに別の仕事を求めても、よい結果につながるとは言い切れません。注意点を理解し、ポイントを押さえた活動で、副業や転職を成功させましょう。

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