フリーランスデザイナーの年収は?
働く場所や時間を自由に設定できるのがフリーランスのメリットですが、フリーランスになった場合の懐事情が気になる人も多いでしょう。フリーランスデザイナーの年収はどのくらいなのか見てみましょう。
平均は300~400万円台
フリーランスデザイナーの年収を見ると、最も多いのが『300~400万円台』です。この範囲に該当しない人の年収は100~1000万円以上までと広く分散していますが、500万円以上稼いでいる人は全体の3割以下です。フリーランスである以上、個人の持つスキルやマネジメント能力によって、年収には大きな差が生じていることがわかります。
フリーランスで仕事をする厳しさも念頭に
会社員からフリーランスになったとしても、最初から会社員時代以上の年収を稼ぐのは難しい場合が多いです。フリーランスとして独立した場合、「独立して良かった」と言えるラインは年商600万円程度です。
しかしこのラインを超える月収を稼ぐには、時給3200円以上の仕事をコンスタントに請け負う必要があります。(1日8時間稼働×20日)
また高時給の仕事を受注できたとしても、諸経費や税金をねん出する必要があるため、収入=手取りではありません。月給制の会社員とは異なり、フリーランスの収入は安定さに欠けるということを理解しておきましょう。
年収アップのためにやるべき事
フリーランスデザイナーとして独立するからには、相応の年収を得たいところです。年収をアップさせるために必要な事とは何なのでしょうか。
案件はコツコツと受注する
フリーランスとして高収入を得るには、地道に案件を受注して、実績を積み重ねるのが一番です。どんな仕事でもそうですが、高額な仕事や条件の良い仕事はある程度実績のある人に集中します。
まずは案件単価を気にせず、フリーランスとしての実績を作ることに重点を置きましょう。できる仕事をコツコツと続けていれば仕事の幅も広がり、やがては高額案件も受注できるようになります。
スキルを磨く
市場には新しいソフトやツールが続々と登場しており、新しい技術や言語を駆使できるデザイナーは重宝されます。現在習得している技術や言語で満足せず、どんどん新しいスキルを獲得しましょう。
使える言語やソフトが増えれば、仕事を受注できるチャンスはさらに広がります。フリーランスとして独立しても、スキルを磨き続けることは重要です。
市場動向の観察努力を怠らない
フリーランスであるからには、市場の動向や顧客のニーズを把握し、自分で経営戦略を立てなければなりません。変化の激しい顧客・市場のトレンドやニーズに対し、柔軟に反応することが重要です。
市場トレンドや変化を注視する方法はさほど難しくありません。著名な同業者が発信する情報を逐一チェックしたり、専門メディアの情報、さらには政府や業界団体が発する情報をこまめにチェックすれば、市場の大まかな傾向は追えるでしょう。市場動向の観察を毎日のスケジュールに取り入れて、必要な情報を逃さないようにしましょう。
稼ぐためには営業活動に力を入れよう
いくら高いスキルがあったとしても、顧客や企業に伝えられなければ意味がありません。フリーランスデザイナーとしての収入は、いかに実力をアピールできるかにかかっているのです。フリーランスデザイナーとして行いたい営業活動について紹介します。
ポートフォリオサイトを充実させる
フリーランスデザイナーとしてアピールするためには、自身が今までデザインした作品をまとめた『ポートフォリオサイト』の作成が欠かせません。サイトを作成する際のポイントとしては次のとおりです。
- 他案件で作成した作品は、発注者に許可をとってから掲載する
- 作品の概要・使用した技術などを記載する
他案件の作品を無断掲載すると、発注クライアントとトラブルになる可能性があります。掲載不可と言われたものはたとえ自分の作品であっても、サイトにアップすることはNGです。
また作品の概要や使用技術などは、クライアントや企業が仕事を発注する際の判断材料となります。なるべく詳細に記載することをおすすめします。魅力的なポートフォリオサイトなら、アピール力は絶大です。丁寧に作成して、受注チャンスを広げましょう。
SNSで活動内容の発信を積極的に
SNSを積極的に活用する事で、より多くの人に作品を見てもらうことができます。
近年はSNSの種類が増えているうえ、利用者もますます増加しています。デザイナーに限らず、フリーランスで活動している人なら、仕事受注のきっかけとなりうるSNSでの発信は不可欠です。
細々記述するのが面倒な人はInstagramで作品をどんどんアップしていけば良いですし、きちんと見せたい人はブログで丁寧な解説を加えるのも良いでしょう。また「どのアカウントも持っていない、作りたくない」という人は、せめてFacebookにアカウントを作成し、プロフィールだけでも埋めておいてはいかがでしょうか。
プロフィールや職歴を確認できる場があれば、クライアントや企業の目にとまることもあります。
交流会などで人と出会う
フリーランスで活動するなら交流会などに参加して、他のデザイナーと繋がりを持つことも重要です。フリーランスデザイナーの案件には、自分のスキルではおさまらず、他者のスキルを借りなければならない場合があります。そんな時同業者の知り合いがいれば声をかけやすく、お互いに仕事を依頼しあうこともできるでしょう。
同業者と出会うにはフリーランス向けイベントや交流会、デザイナースクールなどがあります。フリーランスの場合は自分で積極的に動かなければ出会いのチャンスはほぼないため、たとえ月に数回でも、同業者の集まる場所には顔を出すことをおすすめします。
フリーランスデザイナーの仕事の見つけ方
フリーランスになったら、仕事は自分で見つけなければなりません。フリーランスデザイナーとしてコンスタントに仕事を受注するには、どのような方法があるのでしょうか。
既存顧客からの評価を高める
フリーランスが新しい顧客を獲得した場合、そのほとんどは『既存顧客からの紹介』です。つまり、請けた仕事で高パフォーマンスを残せば、次の仕事につながる確率が高いといえます。
既存顧客から請け負った仕事は丁寧に取り組み、仕事の出来や姿勢が評価されるように努めましょう。「この人になら仕事を任せても大丈夫」と判断されれば、既存顧客のつてや口コミで、さらに仕事が増えていくでしょう。
クラウドソーシングの利用で実績作り
特別なつてや知り合いがいない人は、クラウドソーシングを利用して、できそうな案件から始めることをおすすめします。クラウドソーシングとは、仕事を発注したい企業やクライアントと、受注したい個人をWeb上でマッチングする、新しい雇用形態です。
クラウドソーシングは、自分で営業を行って仕事を得る必要がないため、時間を無駄にすることがありません。実績ゼロから始める場合は、クラウドソーシングサイトでコツコツと案件を受注し、実績を作りましょう。
エージェントを利用する
フリーランス向けのエージェントを利用すれば、契約や営業といった面倒な作業を代行してくれるうえ、スキルや希望にマッチした案件を紹介してくれます。ただし紹介される仕事の量や中身は、登録したエージェントによって大きく異なります。
良いエージェントなら条件の良い仕事を積極的に紹介してくれますが、そうでない場合は登録しても紹介がなかったり、希望とは異なるものばかりを紹介されたりということもあります。エージェントに登録する際は口コミや評判等をチェックして、エージェントの良し悪しを見極めることが重要です。
まとめ
フリーランスデザイナーとして独立しても、いきなり高収入を得ることは難しいです。まずはクラウドソーシングサイトやエージェントなどを利用して、実績を積んでいくことが重要です。またフリーランスなら営業の仕事も自分で行う必要があります。SNSを利用したりイベントや交流会に顔を出したりして、フリーランスデザイナーとしての自分を多方面にアピールしておきましょう。
実績が積み重なれば、口コミやつてで仕事も増えていきます。高い年収を得たいなら、スキルを磨いたり安価でも多くの案件をこなしたりと、地道な活動から始めることをおすすめします。