プリンターの種類について
プリンターには、大きく分けて「レーザープリンター」と「インクジェットプリンター」の2種類に分けられます。
- 前者は、オフィスやコンビニで使われるような大型のもの
- 後者は、自宅用の簡易型のもの
が多くあります。自宅をオフィスとして仕事をするフリーランスデザイナーにとっては、どのようなものを選ぶとよいのでしょうか。
レーザー式とは
レーザープリンターは、オフィスやコンビニなどにあるコピー機と同じ原理で印刷できる本格的なプリンターです。どんな特徴があるか見てみましょう。
- モノクロ印刷を鮮明にすることができる
- 印刷速度が速く、大量に印刷することが可能
- 大量に印刷する場合はランニングコストが抑えられる
- トナーなど消耗品は長持ちだが価格高め。コストパフォーマンスは悪くない
- 動作音が静か
- サイズが大きく、設置スペースを要する
- 発熱量、電気代が高い
以上から、『頻繁&大量に印刷する機会があり、そこまで高画質なカラー印刷が必要でない場合』は向いているといえます。
インクジェット式とは
インクジェットプリンターは、小型で汎用性の高い家庭向けプリンターの主流商品です。どんな特徴があるか見てみましょう。
- 高画質でキレイ印刷ができる
- 印刷速度はレーザープリンターに比べて遅め
- 大量に印刷する場合はインク代が高くつく
- インクはある程度頻繁に交換が必要だが、1本数千円するトナーに比べると安価。コストパフォーマンス的にはいまいち
- 動作音が大きく、うるさい
- コンパクトなサイズのものが多く、デスクやテーブルの上に乗せられる
- 電気代が圧倒的に安い
以上から、『高速印刷や大量の枚数を印刷する機会が少なく、高画質な印刷をしたい場合く』は向いているといえます。
複合機とは
プリンターとしての機能のほかに、スキャナーやコピー、FAXも備えた「複合機」があります。1つの機械に多くの機能が備わっているので、汎用性が高く人気です。配線や消費電力が1台分で済むところもメリットの一つです。
デザイナーという職業柄、プリンターだけでなくスキャナーやコピーを使うことも多くあるので、複合機があるととても重宝します。
デザイナーが使用するプリンターの着目点
そのほかにもプリンターを選ぶにあたり、デザイナー目線で着目すべき点を見て行きましょう。
解像度は?
解像度とは、画像の荒さを決める数値。数値化する際は、dpi(dots per inch)という単位が用いられています。これは、1インチ(2.54㎝)あたりにdots(点)がいくつあるかということを示しています。
dpiが多ければ多いほど「解像度が高い」ということになり、「どれだけキレイに印刷できるのか」を決める指標となります。作品をプリントする際など、美しく再現できるのはより解像度が高いプリンターであるといえます。デザイナーとしてはチェックしたい項目です。
A3ノビ対応している?
インクジェットプリンターで印刷できる最大の用紙サイズはA3です。ただ、A3実寸でプリントアウトするには、周りに余白がある必要があります。
その「余白」に対応しているのが「A3ノビ対応」のプリンターです。ノビの正式な寸法は決められていないのですが、A3がきれいにプリントできるくらいの、A3よりも大きめのサイズとなります。
スキャナの光学解像度は?
スキャナでデータを取り込む際は、解像度を選択できます。この場合の解像度は「どれだけ詳細にキレイにデータを取り込めるか」ということにつながり、これを「光学解像度」と言います。基本的な考え方はプリンターと同じです。単位も同じくdpi表記で、点の密度で表します。
インク選びにもこだわろう
インクジェットプリンターに使うインクは、「染料インク」と「顔料インク」とそれら2つを組み合わせた「ハイブリッド」の3種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
画像印刷には染料インク
「染料インク」は水に溶ける性質を持ったインクです。
そのため、プリントすると紙に染み込んで、発色や光沢を鮮やかに再現できます。そのため、写真やイラストを美しくプリントすることができるのです。
プリントの見栄えを重視することが多いデザイナーは、染料インクが使えるかどうかはマストでカバーしておきたい機能です。ただ、デメリットは、顔料インクに比べ乾燥に時間がかかること。また水にもあまり強くなく濡れるとにじみやすいので、印刷した後も濡らさないようになどの注意が必要です。
文字印刷には顔料インク
粒子が大きく紙の内部までは浸透しない「顔料インク」は、紙の表面で定着するのが特徴です。
文字がくっきりと鮮明に印刷できるので、文書メインの資料などの印刷をすることが多い場合にオススメです。
印刷した後に蛍光ペンなどを使ってもにじみにくい性質もあります。ただ、発色性が染料インクに劣るため、顔料インクは写真やイラストを印刷するのにはあまり向いていないといえます。
画像と文字両方はハイブリッドインク
文書と画像、どちらも印刷する機会があるという場合は、顔料インクも染料インクも両方使えるハイブリッドのプリンターを選びましょう。両方のインクを併用することができるので、使い分けができます。
デザイナーといえども、資料や請求書などの資料をプリントする機会ももちろんあります。どちらもカバーできるものだと、間違いありません。
フリーランスデザイナーはインクジェットがおススメ
プリンターの特性をいろいろと見てきましたが、フリーランスデザイナーという職業柄、最適なプリントは「インクジェットプリンター」だと言えます。その理由を見ていきましょう。
コスパが良い
まずオススメの第一の理由は『コストパフォーマンス』です。レーザープリンターは、インクジェットプリンターに比べると、本体の価格はもちろん、維持費やランニングコストも高くつきます。インフラを整えるのにあまり経費をかけられないフリーランスにとって、プリンターのコストを考える上ではレーザープリンターは不向きと言えます。
インクジェットプリンターは、平均的に1~2万円で購入することができます。機種によってはFAX機能や自動原稿送り装置なども搭載されたモデルもあり、しかも価格も手頃。多彩なメーカーや機種の中から、仕事で必要な機能のあるものを選ぶことができます。
コンパクトで場所をとらない
インクジェットプリンターのもう1つの利点は、コンパクトで場所をとらないという点です。自宅をオフィス兼用とすることが多いフリーランスデザイナーにとっては、大事なポイントです。
会社やコンビニにあるような大型のレーザープリンターが自宅にあることを想像してみてください。それだけでスペースが割かれてしまいます。
また、レーザープリンターは交換トナーなどの部品も大きく購入や保管も面倒です。インクジェットプリンターのインクは小さいので購入や保管の点でも効率的と言えます。
まとめ
フリーランスデザイナーという職業柄、選ぶべきプリンターはインクジェットプリンター。1台でスキャンやコピー、FAX機能を持つ複合機だと、仕事する上で大変便利です。さらには、出力するものの見た目のクオリティを上げるために解像度やインクの種類、A3ノビに対応しているかといったことにも着目する必要があります。