フリーランスデザイナーの時給意識が重要な理由
フリーランスのデザイナーにとって、時給を意識することはとても大切です。なぜ時給意識が大切なのか、解説します。
仕事の単価意識で効率が上がる
フリーランスの仕事の効率を高めるのに役立つこと。それは、時給を意識することです。今やっている仕事を時給換算するとどのくらいになるのか、これを意識するだけで仕事への意識が変化します。
フリーランスデザイナーの仕事は、デザインすることだけではありません。打合せ・資料の収集・アイデア出しの時間、といったものも全て仕事の時間です。そのため、時給を計算するときには、これらの時間も作業時間に含めて計算します。
すると、高単価の仕事と思っていた案件が、実はトータルでは低単価であることが判明することがあります。また、逆に、低単価と思っていた案件が意外と高単価、ということもあるのです。
それぞれの案件を時給換算すると、どのように取り組むのがベストか、ということが分かるようになってきます。ムダを省き、効率的に稼げるようになるのです。
見積もりの提示に必要
自分の時給を把握することは、フリーランスデザイナーが見積もりを作るのに欠かせません。なぜなら、時給が分からないと、見積もりの作成基準がない状態で、見積もりを作成しなければいけないからです。
案件によっては、ある程度、単価の相場が決まっているものもあります。しかし、中には相場が曖昧なものもあります。何の根拠もなしに見積もりを作ることはできません。そうしたとき、基準になるのが時給です。だから、ひとつの基準として、自分の時給を知っている必要があります。
時給の決め方
フリーランスデザイナーになると、自分の時給は自分で決めます。では、時給はどのように決めるのでしょうか。時給の決め方について解説します。
必要収入より少し高めに設定をする
時給の決め方として、まずあげられるのは、必要な収入から決める方法です。例えば、1ヵ月に30万円必要ということであれば、30万円を基準に時給を設定すればいいのです。
このとき、必要な収入よりも高めに設定することがポイントとなります。フリーランスの収入はそのまま全て使えるお金ではありません。会社員時代には天引きされていた、年金・税金・健康保険などの支払いがあるからです。また、仕事のための交通費・家賃・備品の購入にもお金が必要になります。
フリーランスが希望通りの手取り収入を得るためには、その倍の時給を設定しなければいけない、という人もいるほどです。そのため、必要な収入をもとに時給の設定をするときには、高めにすることを意識しましょう。
単価の相場を逸脱しない
時給を決めるときには、相場を意識することも大切です。フリーランスデザイナーの相場について、まずは調べましょう。クラウドソーシングで様々な案件の報酬を比較してみたり、先輩フリーランスデザイナーに聞いたりします。
相場を知った上で、自分の持っている知識・技術・アイデアや、クライアントの求める質などをプラスしたときに、どのくらいの時給が適正かを考えるようにします。
価格交渉はしっかりとしよう
クライアントに見積もりを出すと、その後たいていは交渉をすることになります。このときに大切なのは、きちんと交渉することです。クライアントの言い値で受注する・どんな仕事でも一律の価格で引き受ける、というようなことはせず、必ず適正な報酬になるようにしましょう。
また、1度設定した時給をそのままにすることはできません。時間が経って、知識・技術・経験などを積んでスキルアップしたら、その分時給も上がらなければいけないからです。その場合にも、きちんと価格交渉をしましょう。
時給をアップさせるためのポイント
フリーランスデザイナーとして、時給をアップさせるためのポイントについて解説します。
ある程度の仕事をこなし、信頼を得る
時給アップのポイントとしてまず大切なのは、クライアントから信頼されることです。1回依頼しただけのデザイナーを100%信頼するクライアントはいません。クライアントの信頼を得るためには、半年・1年と継続して仕事を受け、確かな仕事をするデザイナーだと思ってもらう必要があります。
クライアントにとって、新しく信頼できるデザイナーを探すのは手間のかかることです。そのため、多少、単価が上がっても信頼できるデザイナーに依頼したいと考えます。だから、仕事を通して確かな信頼を得てからであれば、単価アップの交渉がうまくいく可能性が高まるのです。
求められるスキルを向上させる
時給アップを目指すなら、スキルを向上させることも重要です。ただし、どんなスキルでもいいというわけではありません。今、業界で求められているスキルを身につけるのです。
どんなスキルが求められているかを調べるのには、クラウドソーシングなどを参考にするといいでしょう。たくさんの案件をみていると、どういったスキルが必要とされているのか、大まかな傾向が見えてきます。
また、身につけたスキルを分かりやすく見せられる形にしておくことも大切です。ただ「できます」といわれただけでは信用できませんが、実際のデザインをみれば実力は一目で分かります。実績などをまとめ、ポートフォリオにしておくのもおすすめです。
複数クライアントをかかえる
時給アップを目指すなら、クライアントは1社ではなく、複数持つようにしましょう。クライアントが1社しかいない場合、そこで仕事を断られてしまうと、翌日から仕事がなくなってしまいます。すると、仕事を断られることを恐れ、単価交渉をうまくできなくなってしまうのです。
複数のクライアントがいれば、1社から断られてしまっても、他の会社の仕事がまだあります。そのため、時給アップの交渉がしやすくなるのです。
クライアントへの単価交渉も必要
フリーランスデザイナーとして経験を積むと、徐々に実力が高まっていきます。そうしてスキルアップしてきたときには、クライアントに単価交渉をしてみましょう。単価交渉のポイントについて解説します。
契約更新時期や決算期に提案する
クライアントに単価交渉するときは時期も大切な要素になります。クライアントが時給アップに同意しやすいのは、『契約更新のタイミング』と『決算期』です。
『契約更新のタイミング』は、言い換えれば実績を作った後です。そのため、どのくらいのクオリティで仕事をするのかをクライアントは理解しています。また、ある程度の信頼関係も築けているでしょう。そのため、時給アップの交渉がうまくいく可能性が高まります。
『決算期』は、クライアント企業内で、稟議や決裁が通りやすい時期です。そのため、うまくそのタイミングに交渉ができれば、スムーズに単価が上がる可能性があります。日ごろからクライアントとコミュニケーションをして、期末がいつなのか探った上で交渉するといいでしょう。
相場を理解してもらう
クライアントに相場を理解してもらうということも、単価アップのためには大切です。特に初心者向けの案件の場合には、相場から大きく離れた低い金額設定になっているものもあります。
経験が少ない・高単価だと案件が獲得できない、などの理由で、こうした案件に飛びつくフリーランスデザイナーもいるでしょう。確かに、全くの未経験で実績がない場合には、実績づくりのために取り組んで見ましょう。
しかし、いつまでも、相場とかけ離れた単価で仕事をし続ける必要はないのです。経験を積み、スキルアップしたのなら、相場と同程度の単価で仕事ができるよう交渉しましょう。
まとめ
フリーランスデザイナーは、時給を意識して仕事をすることが大切です。そうすることで、より効率的に仕事ができるようになります。また、知識や技術を身につけてスキルアップしたなら、相応の単価アップをしてもらえるよう、交渉することも大切です。時給意識や単価の相場について知り、効果的に仕事をしましょう。