Redmineとはそもそも何?
Redmineは、複数の仕事を管理するのに役立つタスク管理ツールとして、IT企業をはじめとした多くの企業の開発現場で採用されています。しかし初めてRedmineを耳にする人の中には、そもそもどんなツールなのかイメージが湧かない人もいるでしょう。
そもそもRedmineとは何なのか、特徴を含め分かりやすく解説します。
プロジェクト管理ツール
Redmineには、複数のプロジェクトや、沢山の人数が関わるタスクを管理できる機能がいくつも搭載されています。いわゆる『プロジェクト管理ツール』として、パソコンにダウンロードして利用できます。
Redmineは『オープンソース型』のツールであり、豊富な機能を全て無料で使うことができます。それぞれのプロジェクトに合わせて自在にカスタマイズできるので、開発現場に合わせてRedmineを使うことも可能です。
Redmineは情報を共有して作業を効率化できる、便利な管理ツールなのです。
チームの情報共有が容易
Redmineは、Webアプリケーションとして複数の利用者が同時にアクセスして利用できます。一つのプロジェクトに関わる際も、全員が同時にRedmineにアクセスできるので、現在の状況を全員が把握しやすく、情報共有が簡単に実現できるのです。
Redmineを活用すると、やるべき作業を簡単に記録・管理できるので、全員がその内容を把握することが容易になります。開発現場で進捗確認は大切です。チーム全体のプロジェクト管理が簡単に実現できる優れたアプリケーションなのです。
Redmineの用語解説
Redmineには、タスク管理やプロジェクト管理に役立つ機能が多数搭載されています。それらの機能の中には初めて耳にする用語が多く、これからRedmineを使おうと考えている人は戸惑うこともあるでしょう。
共有ツールであることから、使用するメンバー全員が使用する用語や機能をきちんと認識することが必要です。ここからは、大切な用語をいくつかピックアップして紹介していきます。
チケット
『チケット』はタスク管理する際に頻繁に使われる機能です。これから行うべき作業をチケットとして登録し、チケットの中に担当者や役割分担、仕事の優先順位や進捗状況など、タスクの具体的な内容を記載できます。
チケットは、複数のメンバーが一つのプロジェクトを円滑に進められるようにするための、作業工程表の役割を果たしています。
トラッカー
チケットが持つ情報の一つに『トラッカー』機能があります。トラッカーはチケットを大きくバグ・機能・サポートの3つに分類して管理する機能です。
『バグ』は、不具合があり修正しなければならない課題を表します。『機能』は、これから開発するタスクを意味します。『サポート』は、ソースコードを変更しない間接的な業務をさします。
チケットを作成する際、タスクの種類を細かく設定することで、管理しやすくすることがトラッカーの役目なのです。
ウォッチ、ウォッチャー
プロジェクト内の作業の進捗状況を把握できる『ウォッチ』という機能があります。チケットに対してウォッチを利用すると、チケットが更新される度に自分の元へ通知が届くので、進捗を管理できるという機能です。
通知を受け取る側を『ウォッチャー』といいます。作業依頼のチケットを作成する場合に、他の関係者をウォッチャーに追加登録することで、担当者だけでなくウォッチャーに追加された関係者にも都度通知が行くようになります。
ウォッチは、タスクの状況を共通認識できる便利な機能です。
カスタムクエリ
『カスタムクエリ』は、作成した複数のチケットをフィルタリングしたり並び替えたりすることができる機能です。
チケットが多くなると自分の探したいものがどこにあるのか探すのに手間がかかるようになります。カスタムクリエリを使えば、条件を設定してフィルタにかけることや、チケットをグループ化して分かりやすく管理することができるようになります。
Redmineの基本的な使い方
Redmineにはプロジェクト管理に役立つ多くの機能が搭載されていますが、いきなり最初から全てを使いこなすのは至難の技です。
Redmineは、基本的な機能を使いこなすだけでも、十分作業の効率化に役立つ便利なツールです。Redmineの登録の仕方や基本的な利用方法について、具体的に解説していきます。
登録方法
Redmineを始めるにあたり、最初は公式ホームページから『RedmineInstaller』をダウンロードする必要があります。無事にダウンロードできたらフォルダに保存されるので、早速インストールの作業を進めましょう。
インストールが終わればホーム画面が表示され、システムにログインできるようになります。IDとパスワードを設定してログインすると、管理者自身の登録とユーザーの追加ができるようになります。
追加ユーザーそれぞれのIDとパスワードを設定することができるので、入力し設定を終えてユーザー登録しましょう。
プロジェクト作成
ログインした際に表示されるホーム画面には、プロジェクトの項目が表示されます。そこから簡単に新しいプロジェクトを追加することができるようになっています。
プロジェクト作成の際には、名前やプロジェクトの内容、識別子を入力して作成ボタンをクリックして保存します。プロジェクトは複数個作成することができ、プロジェクトタブで一覧表示してすべてのプロジェクトを管理できます。
チケット登録
Redmineでは、一つのプロジェクトの中に複数のタスクを設定することが可能です。プロジェクトの中で作成したタスクは、チケット登録することでそれぞれ管理することができるのです。
該当するプロジェクトの画面でチケットタブをクリックすると、新しいチケットのリンクが表示されます。クリックすると、担当者やそのタイトル、内容や期日まで細かく入力できるので、重要な項目を入力して作成ボタンを押しましょう。
作成が完了するとチケットタブに一覧表示されるので、一つのプロジェクトの中にどんなチケットがあるのかを簡単に見ることができます。
タスク管理
チケットを活用することで、タスクの進捗状況を簡単に管理することができます。
プロジェクト内のチケットタブを右クリックすると、タスクの進捗率を確認できます。ここで進捗率100%を選択すると、進捗が更新され最新のタスク進捗状況を把握できるのです。
さらにガントチャートのタブをクリックするとタスクごとのガントチャートが現れます。これを見ればタスクの進捗状況がひと目でわかるようになり、チーム全体でプロジェクトの進捗を共有できるようになるのです。
チケットの使い方
チケットは、プロジェクト参加者の全員が共有できる作業工程表のようなものです。チケットを活用すれば、どのようなタスクを、誰に、いつまでにやってほしいのかを管理できます。
チケットには様々な便利な機能が搭載されています。これらを上手に活用することによって、チーム全体で進捗状況を管理できるようになり、作業効率を改善できます。
更新
チケットの内容はタスクの進行具合によって上書きされていきます。常に最新の進捗状況を確認するためにも、こまめに更新するようにしましょう。
チケットを割り当てられた人は、マイページからチケット内容を確認して更新できます。チケット内容更新の際は、担当者設定を間違えるとマイページから情報共有できなくなるので、きちんと担当者を確認して更新するようにしましょう。
編集
チケットの題名部分や説明部分は進捗状況に応じて随時編集することが可能です。
チケットタブにある更新ボタンをクリックすると、内容を変更するための画面が表示されます。題名や説明を編集し終えたら、画面の下にある編集ボタンをクリックしましょう。
ちなみにチケットの編集権限は管理者に付与されています。権限の割当や変更は簡単にできるので、適切なメンバーに管理権限を与えましょう。
返信
Redmineには、チケット情報を更新するとその内容をチームメンバーに知らせる通知機能があります。さらにそのメールに対して返信するとで、注記をつけることもできます。
豊富に用意されているチケットの機能を活用して、情報共有を行い、プロジェクト達成へと進みましょう。
Redmineの便利な使い方
Redmineには、プロジェクトを上手に管理できる便利な機能がたくさん搭載されています。プロジェクト管理に特化したツールとして開発され、その機能は日々進化しているのです。
その機能の全てをここで紹介するのは難しいのですが、タスク管理の効率を飛躍的に上昇させる、一押しのRedmineの使い方を紹介します。
ガントチャートの使い方
取り組んでいるプロジェクトの全体の進捗状況を確認する際、作成されたチケットをガントチャートで確認することができます。
ガントチャートは複数のタスクを一覧で管理できるので、今どのプロジェクトがどのくらい進行しているのか一目で確認できるのです。
さらにガントチャートにはフィルタリング機能がついているので、これを活用することで、期日や担当者など必要なものだけを絞り込んで分かりやすく表示できます。
wikiページへのリンク
Redmineは情報共有ツールでもあります。プロジェクトのマニュアルや工程表など、チームメンバーで共有したい内容をWikiページとして共同で作成することができます。
プロジェクト画面やチケット画面から作成したWikiページへリンクを貼ることが可能です。リンクの見出しや表記など細かく設定できるので、上手に活用してタスク管理を行いましょう。
トラッカーの使い方
トラッカーを活用することで、複数のチケットを大まかに3つに分類することができます。チケット作成時にトラッカーと書かれたタブから設定するだけです。
チケットがどのカテゴリーに分類されているのか一目でわかるので、業務効率を改善できます。
さらにトラッカーごとにチケットの入力項目が異なることから、トラッカーを上手に使いこなすことで、チケットの内容が格段に分かりやすく整理されるのです。
賢く使えるプラグイン
Redmineには、さらに業務効率を上げるプラグインがいくつも用意されています。プラグインを上手に組み合わせることで、自由にカスタマイズすることができるので積極的に活用しましょう。
数あるプラグインの中から、タスク管理に便利な2つのプラグインをここで紹介します。
redmine_agile
『redmine_agile』は、いわゆる『かんばん方式』のタスク管理を利用できるようにするためのプラグインです。
ボードに付箋を貼っていく感覚で、現在のタスク項目を色別で管理できるので、一目で重要度が判別できます。移動したり削除したりすることも簡単なので、付箋をつける感覚でタスク管理できるのが特徴です。
redmine_agileダウンロードページ|RedmineUP
redmine_checklists
『redmine_checklists』はチケットの中にチェックリストを追加できるプラグインです。チケットの中にはタスクの内容を詳しく説明する項目がありますが、タスク内容が増えてくるとやるべきことが分かりにくくなります。
このプラグインを使って、タスクに必要な作業をリスト化し、チェックすることでそれぞれの進捗状況やタスクへの理解度などを共有できるのです。
説明とチェックリストを両方使うことで、さらに業務を円滑に進めることができるようになります。
redmine_checklistsダウンロードページ|RedmineUP
Redmineを使いこなすための本
Redmineの基本的な使い方の解説はインターネット上にたくさんあるのですが、より詳しく体系立ててRedmineを学びたい場合には、書籍を活用することをおすすめします。
基本的な動作方法はもちろん、応用的な実践例や幅広い活用事例など、実践的な内容を学ぶことができるのです。
Redmineを使いこなせるようになるための、おすすめ書籍を紹介します。
入門Redmine 第5版
この書籍は、ソフトウェア開発やネットワーク構築の専門家が書いた分かりやすい入門書です。著者は、ソフトウェア開発の現場でRedmineを活用してその機能の良さに驚いた経験がきっかけとなり、Redmineの普及活動をしています。
Redmineを導入すべき理由を説得力ある文章で分かりやすく記載しており、まさにRedmineの入門書として最適な一冊だといえるでしょう。
- タイトル:入門Redmine 第5版
- 価格:2592円(税込)
- Amazon:商品ページ
Redmineによるタスクマネジメント実践技法
Redmineの導入法や特徴の解説というよりは、Redmineを開発現場でどのように活用するのが効果的か、その運用面について詳しく書かれた実践的な一冊です。
開発の現場でRedmineのどの機能が効果的に働いたのか、またどの機能がうまく機能しなかったのかが詳細に書かれています。試行錯誤しながら自らのプロジェクトにRedmineを最適化させていくリアルな様子が描かれています。
Redmineの課題や問題点を鋭く指摘しており、非常に参考になる書籍です。
- タイトル:Redmineによるタスクマネジメント実践技法
- 価格:3542円(税込)
- Amazon:商品ページ
Redmine実践ガイド
Redmineの基本的な機能や使い方から、実際の開発現場での効果的な活用法まで、具体的な事例を使って分かりやすく解説している実践書です。
プロジェクト管理の際どのようなツールを使えばいいのか悩んでいる人には分かりやすくその魅力を伝え、すでに現場で運用している人にはさらに効果的に活用する具体的な法を伝えています。
検討段階から導入、実際の運用に至る全ての段階を実例を交えながら分かりやすく解説してくれています。これ一冊でRedmineをほぼ理解することができるので、一読することをおすすめします。
- タイトル:Redmine実践ガイド 理論と実践、事例で学ぶ新しいプロジェクトマネジメント
- 価格:4104円(税込)
- Amazon:商品ページ
まとめ
システム開発やネットワーク構築の現場では、常に複数のプロジェクトが立ち上がり、プロジェクト内でも小さなタスクが山のように存在します。実際に作業にあたるチームやそのメンバーの数も必然的に多くなるので、プロジェクト全体を把握することが重要です。
Redmineを使えば膨大なプロジェクトを簡単に管理できます。常に現在の状況を確認できるので、自分が今何をすべきなのかが手に取るように分かるのです。
便利な機能が豊富に搭載されているRedmineはオープンソフトウェアなので全て無料で使えます。さらに機能は常にアップデートを繰り返しているので、利便性は向上し続けているのです。
Redmineを活用して、チームの生産性を飛躍的に改善していきましょう。