Dropboxとは
Dropboxという名前を、聞いたことがあっても、使ったことがないという人もいるでしょう。まずはDropboxがどんなサービスなのかを解説します。
オンラインストレージサービス
『オンラインストレージサービス』とは、手元にあるパソコンやスマホとは別のところにファイルや画像を保存しておくことで、安全にファイルや画像を共有することができる、便利なサービスです。
一つのパソコンやiPad、スマホでファイルや画像を保存していたら、紛失や故障などのトラブルによって、大事なデータもなくなってしまった、という経験がある人もいるでしょう。
または、会社のパソコンのデータをUSBメモリに保存し、家に持ち帰ったところ、USBメモリが見当たらず焦った、というのもありうることです。
『オンラインストレージサービス』は、デバイスとは別のところ、Dropboxにファイルや画像が保存してあります。そのため、たとえデバイスが故障したり紛失したりしても、データが消えることはありません。
スマホ、PCどちらでも利用可能
最近はスマートフォンのカメラの性能が優れているので、写真はすべてスマホで撮り、保存しておく人も多くなりました。もちろん、画質をより良くするために高性能のデジタルカメラを使い、パソコンに写真を保存している人もいます。
Dropboxは、スマホとパソコン、どちらからでも利用できるので、友達や家族と写真を共有したいときにも便利です。
そして仕事でも、会社のパソコンでDropboxにファイルを保存し、自宅で同じファイルを開くことができるので、わざわざUSBメモリを持ち歩く必要がなく、メールでファイルを送信する手間もかかりません。
Dropboxを使うには
それでは、実際にDropboxを使うときの手順を確認していきましょう。
ここでは、パソコンでDropboxのアプリをダウンロードしてからユーザー登録をし、実際に使えるようになるまでの流れについて説明します。
アプリをダウンロード
Dropboxはプラウザ上で使うこともできますが、あらかじめアプリをダウンロードしておくと便利です。
パソコンでDropboxを使うときは、ダウンロードページにアクセスし、『Dropboxをダウンロード』のボタンを押します。
『DropboxInstaller.exe』がダウンロードされるので、そのファイルを開き、『実行』ボタンを押すと、インストールが開始されます。
メールアドレスで登録
Dropboxのアプリをダウンロードした後、設定画面が表示されます。『登録』ボタンを押すと、氏名とメールアドレス、パスワードを入力する画面に切り替わるので、各項目を入力してください。
利用規約を読んで、『利用規約に同意する』にチェックを入れると、登録完了です。登録してからは、Dropboxを開き、ログインすると、自分のページに入れるようになります。
Dropbox基本の使い方
登録が終わったら、ここからが本番です。Dropboxを使いこなせるようになると、仕事の効率化にもつながり、プライベートでも時間をかけずに友達とファイルを共有できます。
大容量のファイルを送信
メールでファイルを添付して送りたくても、容量が大きすぎて送信できなかった、という経験を誰でも一度はしているのではないでしょうか。
Dropboxでは、パソコンからでもスマホからでも、さまざまな種類の大容量データを相手に送信することができます。
大容量のデータは、Dropboxにファイルを入れた後、そのリンクをコピーし、メールやチャットにそのコピーを貼り付けて送信します。受信者は大容量のファイルを、容量を気にすることなく受け取れるため、とても便利です。
ファイルの同期
Dropboxはファイルを同期させることも簡単にできてしまいます。パソコンのDropboxのフォルダに画像やファイルを保存すると、自動的にスマホのDropboxにその画像やファイルが同期されるのです。
更新したデータや、新しく保存したファイルも自動的に同期されるので、更新されたことを同僚などに知らせる必要もありません。
大事なファイルがすべて同期されると、緑色のチェックマークが表示されます。それによって自分でもすべて同期されたことを確認できるので安心です。
ファイルの共有
Dropboxでは、オンラインストレージ上のファイルのリンクを相手に伝えるだけで、簡単にファイルを共有できます。
メールだけでなく、FacebookのメッセンジャーやTwitterのダイレクトメール、LINEなどで簡単に送信できます。遊びに行った仲間で、ファイルや画像を共有する、といったこともあっという間にできてしまうのです。
また、これまで仕事で使っているファイルを別のパソコンで使いたいときは、どうしていたでしょうか。USBメモリを持ち歩いたり、メールでファイルを送信したりしていたはずです。
Dropboxを使えば、自分の所有する複数台のパソコンやスマホ、タブレットでファイルを共有できますので、そのような手間は不要です。関係者で1つのファイルを共有し、各自が自分のデバイスからファイルを編集する、ということも可能になります。
スマホで撮った写真の保存
Dropboxの『カメラアップロード』という機能も便利です。
スマホで撮影した写真は、そのまま端末内に保存していると、スマホのデータ容量を圧迫してしまいます。Dropboxのカメラアップロード機能を設定しておけば、撮影した写真が自動的にDropboxにアップロードされますので、データ容量の節約になります。
写真のバックアップにもなりますので、スマホの故障で大切な思い出の写真を失うということも防止できるのです。
Dropboxのおすすめの使い方
これまでDropboxの基本的な使い方を説明してきました。ここからは、まだあまり知られていない、Dropboxのおすすめの使い方を紹介します。
音楽のバックグラウンド再生
Dropboxから音楽を再生すると、別のアプリに切り替えて操作しても、その音楽が流れ続けます。
これを『バックグラウンド再生』と言いますが、操作方法はとても簡単です。好きな音源をMP3形式のファイルとしてDropboxに入れておくだけで、いつでもバックグラウンド再生ができるのです。
音楽を聴きながら、友達とLINEしたり、仕事の連絡をしたりできます。スマホをスリープ画面にしても再生され続けるので、電力消費もおさえられます。また、オフラインにも対応しているので、データ通信量も節約可能です。
画像タイムライン機能
Dropboxにはタイムライン機能というものがあります。これを使うと、Dropboxに入れた画像を、作られた順に並べて見ることができます。カレンダーを見るように画像を並べることができるので、アルバムを作るときなどに便利です。
使いたい写真を見つけたら、ダウンロードボタンを押すだけで、ダウンロードできます。
ファイルの復元
Dropbox内で削除されたファイルは、30日間保管されます。30日を過ぎると、自動的に削除されてしまいますが、削除してから30日の間は簡単に復元可能です。
それだけではなく、誤って上書きをしてしまった場合も、上書きをする前の状態に戻せます。間違えてファイルや画像を上書き、削除してしまったときのリスクに備えられるのです。
オンライン上での編集
Dropboxは、Microsoft Officeと連携しています。そのため、パソコンやスマホといったデバイスにWordやExcelがダウンロードされていなくても、Dropboxの中にあるファイルが編集可能になります。
外出先で、いつもと違うパソコンを使おうとしたら、そのパソコンにはMicrosoft Officeがダウンロードされていなかった、ということはよくあることです。そんなときも、Dropboxでファイルを開けば編集できるので、あわてなくても済みます。
有料版と無料版の違い
Dropboxには有料版と無料版があります。有料版にはどのような種類があり、また、どんなメリットがあるのでしょうか。
個人向けの有料プランは2種類
Dropboxは無料版の他に有料版があり、その有料版は大きく分けて2種類あります。以下の表で比べてみましょう。まずは個人向けプランのものです。
プラン | 月額(年間払い) | 月額(月間払い) |
Dropbox Plus | 1000円 | 1200円 |
Dropbox Professional | 2000円 | 2400円 |
Dropbox Plusを選択すると、デバイス盗難や紛失などの際、そのデバイス内のデータを削除する『デバイス データの遠隔削除』という機能などが使えるようになります。
Dropbox Professionalならさらに、ハードドライブの容量を使わずにDropboxファイルにアクセスできる『スマートシンク』、すべてのファイル内のテキストデータにも簡単に検索をかけられる『全文検索』などの機能が加えられます。
チーム向けの有料プランは3種類
グループで使用することを前提とし、管理者の権限も強化されたDropbox Businessというサービスがあり、プランは3種類あります。詳細は以下のとおりです。
プラン | 月額(年間払い) | 月額(月間払い) |
Standard | 1000円 | 1200円 |
Advanced | 2000円 | 2400円 |
Enterprise | 要問い合わせ |
容量の違い
それぞれのプランで、容量にも違いがあります。
プラン | 容量 |
Dropbox無料版 | 2GB |
Dropbox Plus | 1TB(1024GB) |
Dropbox Professional | 2TB(2048GB) |
Dropbox Business Standard | 3TB(3072GB) |
Dropbox Business Advanced | 必要に応じて容量を追加 |
ビジネスでは、グループ内で容量が増えても心配しなくてもいいDropbox Business Advancedを選ぶユーザーも多いです。
復元機能の違い
無料版もしくDropbox Plusを利用している場合、過去『30日間』に削除したファイルや画像については復元可能です。
Dropbox Professional、またはDropbox Businessなら、復元できる期間が『120日間』と長くなります。
全ファイルのバックアップが可能
Dropbox Plusの1TBという容量は、個人で利用するなら、一生涯で使用するデータ量と同じくらいの容量です。すなわち、その分の容量のデータを、Dropboxで安全に管理することができます。
ひとつのパソコンに入っているファイルや画像すべてをDropboxに保管しておけば、いつでも他のデバイスからそれを開くことができます。有料版なら、データのバックアップについて、もう悩む必要がないでしょう。
共有機能の強化
共有リンクはデータ容量の大きいファイルや画像を他の人に送るときに便利な機能ですまた、ダウンロード許可設定も付与されていて、共有ファイルのメンバーであれば、他のデバイスでファイルをダウンロードすることも可能です。
しかし、無料版とDropbox Plusでは、共有リンクを作成したり、削除したりする機能しか備わっていません。これがDropbox ProfessionalやDropbox Businessになると、共有リンクにパスワードを設定することができ、セキュリティが強化されます。
さらに、Businessには管理者機能があり、管理者がチームフォルダを作り、指定したチームのメンバーしかファイルを閲覧したり編集したりできないように設定できます。
この機能を使えば、大人数で扱うときの管理ができ、外部に作業を委託するときにも余計な心配をする必要がありません。セキュリティ面が重要なビジネスでは欠かせない機能です。
iPhone、Androidで使う方法
Dropboxはもちろんパソコンからでも使えますが、ここでは、iPhoneやAndroidスマホで使うときの方法について説明していきます。
アプリでの使用がおすすめ
Dropboxのプランが無料版でも有料版でも、アプリのダウンロードは無料です。
Dropboxに保存しているファイルの移動も簡単にできます。マホに保存している画像やファイルをDropboxに移動させておくと、スマホ内で画像やファイルを削除してしまったときも、Dropboxを開けば見られるので便利です。
アプリダウンロード方法
それでは実際にアプリをダウンロードしてみましょう。
アプリをダウンロードするときは、すでにスマホに入っている画像やアプリで容量が制限を超えているとダウンロードできないので、あらかじめパソコンとスマホの容量を確認しておくことが必要です。
ダウンロードができたら、名前、メールアドレス、パスワードを入れて登録します。パソコンが近くにあれば、その場でパソコンにもDropboxのアプリをダウンロードすることができます。
Chromeの拡張機能も便利
Google ChromeとDropboxを連携させて使うと、Dropboxはますます便利になります。
Chrome拡張機能のDropbox
まずは、Chrome ウェブストアから拡張機能を追加します。もちろん無料で追加可能です。追加したあと、流れに沿って操作していくと、Chromeのアプリ一覧画面にDropboxが表示されるようになります。
そこからDropboxのアイコンをクリックし、ログインすると、Chrome上でDropboxに保存されているファイルやフォルダを確認できます。
まとめ
Dropboxはファイルを簡単に共有できるだけではなく、個人情報や機密情報が漏れるリスクを軽減することもできます。
また、コストパフォーマンスの高い有料版をダウンロードすると、Dropboxでできることは増え、仕事の効率化もさらに進みます。プロジェクトで仕事をする際には、Dropbox Businessを活用してみましょう。
また、プライベートでも、Dropboxは便利なサービスです。ファイルをメールで送ったりしなくても、簡単に写真や画像を共有できます。
Dropboxの機能を活用することで、時間を節約し、手間を省きましょう。