Jiraの基本知識
まずはJira Softwareがどういったツールなのか、基本知識から見ていきましょう。
課題の一括管理
今、誰がどんなタスクをどのくらい抱えていて、進捗はどのくらいなのか。管理者やマネジメントを行う人であれば、その状況は常に把握しておきたいものです。そんなときに役に立つのがJira Softwareです。
Jira Softwareはさまざまな課題タイプを区別し、解決の進捗具合を展開する、いわゆる『課題管理ツール』の一つです。あらゆるタスクを『チケット』として整理し、プロジェクト進捗や各メンバーのタスクの消化率などを見える化してくれる便利なツールとして、注目を集めています。
無料トライアルと有料版がある
Jira Softwareは7日間の無料トライアルが利用できますので、使い勝手をチェックしたうえで、有料版を利用するかどうか検討できます。
10名までであれば月額$10で利用が可能なので、小さなチームであれば格安で十分なパフォーマンスを得ることができるでしょう。
出典:Jira | 課題 & プロジェクト追跡ソフトウェア | Atlassian
Jiraの使い方
それでは、ここからJira Softwareの使い方について見ていきます。
使いたい機能を選択
Jira Softwareは、課題管理ツールであるというのは前述のとおりです。バグ追跡や課題管理、プロジェクト管理での運用など、Jira Softwareで行いたい機能を選択してください。
『プロジェクト』とはたくさんのタスクをまとめた箱のようなものだと認識してください。権限設定、通知設定など、プロジェクトごとに設定できる項目がありますので、用途に合わせて設定します。
テンプレートの作成
Jira Softwareでは、使いたい機能に応じたテンプレートが用意されています。例えば以下のようなテンプレートです。
- バグ追跡:ソフトウェア開発プロセス全体を通じて、バグや課題を発見、追跡・解決する
- カンバンプロジェクト:各メンバーのToDoがひと目で分かるようになる可視化型テンプレート
- アジリティ:カンバンの最新版というイメージで、最も直感的なテンプレート
よく使われているのは、タスクを可視化できるカンバンプロジェクトです。Jira Softwareを通じてToDoを利用したい場合は、こちらのテンプレートが役立つでしょう。
フィードバック、リポートの報告
サービスや仕事の価値をより高めていくには、利用者にとって何が不満なのか、不都合なのかを知らなければなりせん。それには、実際に利用しているユーザーの声を集めるのが有効です。それを行うのに、Jira Softwareのフィードバックの機能が役に立ちます。
最もシンプルなフィードバックの収集方法は、Jira Software自体を通じて行うやり方です。プロジェクト内で『課題を作成』リンクを確認し、チームの同僚、テスト担当者、ユーザーからのフィードバックを収集することができます。
『レポート』を使えば、開発チームの進捗を把握することも可能です。実際にタスクを完了できた実績値や、設定したタスクの総量とその進捗などが分かります。
検索方法
自分のタスクだけを検索したいときなど、特定のタスクだけを取得したい場合は、検索機能が便利です。『ベーシック検索』と『Jiraクエリ言語(JQL)検索』の2種類があります。クエリ言語検索は上級者向けのため、ここではベーシック検索の使い方を紹介します。
まずは、検索対象のフィールド値を選択リストから設定します。プロジェクトで絞り込む場合、プロジェクトの選択リストから表示したいプロジェクトを選択します。検索結果として表示したいフィールドは『コラム』欄から設定可能です。
自分が担当している課題で、まだ対応が終わっていない課題を確認するには、担当者を『現在のユーザー(自分)』、課題の解決状況を『未解決』にして検索すればOKです。
コメントの使い方
引用付きコメントを使用することで、すばやく反応することが可能です。ページ上の文言をハイライト選択し、コメントを入力、保存をするだけで完了です。
課題を作ったとき、課題にコメントを追記したときなどに、メール通知をすることもできます。
出典:Jira の使用法 | 公式バイヤー & ユーザーガイド | Atlassian
知っておきたい用語と使い方
簡単な使い方が分かったところで、知っておくとよりJira Softwareの理解度が深まる用語を紹介していきます。使い方と合わせてチェックしておきましょう。
スクラム
スクラム開発とは、『チームのコミュニケーションを重視した手法』が特徴の、少人数で協力しあいながら作業を進める開発のことです。
システム開発を行う上で、開発手法はたくさんあります。そのうち、順序立てて行う開発を『ウォーターフォール開発』といい、優先度の高い機能から順不同で行う開発をアジャイル開発といいます。
アジャイル開発の中でも、チームでプロジェクトを遂行し、短い期間で開発を繰り返していくことを、ラグビー用語にちなんで『スクラム開発』と呼びます。
Jira Softwareではスクラムボードを作成することができ、バックログ機能では、課題の作成、更新が可能です。スクラムボードとは、一言でいえば『チームで仕事を進めるための枠組み』です。
スクラム開発では、個々で仕事を担い、それを共有しながら進める方法を採用しています。そのため、各人のタスクをバックログ(チームのタスクリスト)として可視化できると、とても役に立つのです。
チケット
Jira Softwareでいう『チケット』とは、作業指示書ととらえると分かりやすいでしょう。
プロジェクトに『実施すべき作業、修正すべきバグ』などの指示が書かれたチケットを追加します。1件のタスクにつき1件のチケットが与えられ、そこへ担当者を割り当てます。チケットには、タスクの内容・優先度・担当者・期日・進捗状況などを記録しておくことが可能です。
そして作業の進捗に応じて、そのチケットを更新していくというのが基本的な利用方法です。
Jiraを日本語で使うには
Jira Softwareは英語のインターフェースのため、もとは日本語ではありません。英語のユーザーインターフェースを日本語に変更する方法を紹介します。
プロファイルで日本語を選択
右上にあるアカウント名をクリックするとプロファイルが表示されます。次に『Preferences』の右側にある鉛筆マークをクリックしてください。
プロファイル編集モードに入りますので、『Language』(言語)のところから『Japanese(Japan)』を選択して、『Update』ボタンをクリックします。これでインターフェースが日本語になります。
一度設定してしまえば、以降は変更しなくても日本語のままで使用が可能です。
Jiraの使い方の解説本
最後に、Jira Softwareをより詳しく知るための解説本を3冊ご紹介します。どの本も非常に参考になりますので、ぜひ書店でチェックしてみてください。
課題管理システム JIRA入門
これからJira Softwareを導入しようと考えている人や、チーム連携業務として利用し始める場合におすすめの入門書です。Jira Softwareの全体像、そして設定の方法・操作方法が細かく紹介されています。
プロジェクトや課題、フィールドの設定からワークフロー、レポート、セキュリティ、そしてルック・アンド・フィールにいたるまで、Jira Softwareの活用方法を広範にカバーしています。
文字だけではなく、スクリーンショットとともにステップ・バイ・ステップで丁寧に操作を説明しているので、初心者やITの知識を持たない人であっても、Jira Softwareの使い方を理解できるはずです。
もう利用しているという人も、トラブルシューティングの方法などが記されていますから、何かと便利に利用できるでしょう。
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ユーザー向け JIRA 入門ガイドブック
リックソフト株式会社が発行している『ユーザー向け JIRA 入門ガイドブック』は、Jira Softwareでよく使う機能の操作マニュアルとして、初心者にもやさしい有能な一冊です。プロジェクトとは何かという基本から、課題の作成方法、さらには情報共有のための通知の出し方、検索・フィルターの使い方などを分かりやすく説明しています。
Jira Softwareを運用する際に必要なトピックが丁寧にまとめられていますので、初めてJira Softwareを使う際にそばにあると、何か疑問があればすぐに確認できて便利です。- 商品名:ユーザー向け JIRA 入門ガイドブック
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管理者向け Jira入門ガイドブック
上記で紹介したリックソフト株式会社様の同シリーズで、管理者向けにまとめられたものです。はじめてJira Softwareの管理者を任されたときに大変役に立つ一冊で、実際にどこをどう設定すればよいのか、506ページにわたって詳しくまとめられています。 プロジェクトの管理やアジャイル開発などの運用に関する解説から、外部ツールとの連携方法やサポートツールの使い方まで、余すところなくJira Softwareの機能を解説しています。- 商品名:管理者向け Jira入門ガイドブック
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