フリーランスアプリ開発のエンジニアの仕事
フリーランスとしてのアプリ開発エンジニアの仕事はどんな内容なのでしょう。大きくはWeb系と業務系に分かれます。それぞれの特徴を確認しておきましょう。
コンシューマー向けアプリの開発
コンシューマー向けのアプリ開発エンジニアはどのようなアプリを制作するのでしょうか。これには2種類あります。『スマホアプリ』と『Webアプリケーション』です。
スマホアプリとはスマートフォンに限定されたアプリケーションのことです。スマホの普及率が伸びたおかげで、需要も拡大しています。スマホアプリにはAndroidアプリ、iOSアプリの2種類があります。
Webアプリケーションは、ブラウザから利用可能なアプリケーション・サービスのことを指します。GmailやDropboxなど、インストールしなくても利用できる点が特徴的です。
業務系アプリ開発エンジニア
企業経営の中で課題について、解決を後押しするアプリケーションを作るのが、業務系アプリエンジニアの仕事です。企業内の業務改善システムの設計から動作テストまでを含む、幅広い業務となります。
システム設計やプログラムの開発だけでなく、実際の運営・保守までも行うため、広いく深い知識を要求されます。そして、クライアントが望むものをヒアリングし、システム設計にまで落とし込むコミュニケーションスキルが必要です。
アプリ開発の種類とは?
アプリ開発と一口に言っても様々な種類が存在します。ここでは代表的なものを紹介しておきましょう。
ソーシャルゲーム、ソーシャルアプリ
『ソーシャルゲーム』とは有名な『モンスターストライク』や大人気の『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』などです。このようなゲームは、スマホ向けを中心に、システム開発の需要がたくさんあります。
『ソーシャルアプリ』は増加が著しく、スマホ向けとして10代や20代に人気の『Instagram』などの伸びかたは驚異的です。
このようなアプリはターゲットの多くが利用するまでは利益を生みにくく、採算が合うまでに時間を要します。ターゲットに反応がよいと需要が一気に増えて、一躍ベストセラーになるのがよくあるパターンです。
Eコマースアプリ開発
『メルカリ』を筆頭に最近勢いがある『Eコマースアプリ』は、高い成長率を誇っています。CtoC(消費者から消費者)向けのアプリとしてダントツの知名度と言えるでしょう。
業界先駆けの『Amazon』と『楽天市場』が大御所であり、安定したビジネス展開をしていますが、よりマニアックにニッチを狙って、商品を豊かな表現で見せるサービスも台頭してきています。
たとえば、DeNAに買収され有名になったペロリ運営の『MERY』は、若い女性をターゲットとして、Eコマースとキュレーションマガジンを組み合わせた展開で絶大な人気です。
他にも様々なアプリ開発がある
アプリ開発は他にも多種多様のジャンルがあり、実際ほぼすべての事業の最前線でアプリ開発ノウハウが生かされています。
事業・産業のIT化は今後ますます加速するでしょう。そしてそれにともない、アプリ開発のジャンルも拡大し続けています。また、モノのインターネットである『IoT(Internet of Things)』もこれからの展開に目が離せません。
生活を快適にし、ストレス軽減・時間短縮をしてくれる、いわゆる『キーレス』(鍵を持たなくてもロックを開閉できるシステム)をはじめとしたIoTの普及のためにも、アプリ開発は必要不可欠です。
今注目のSwiftとは?
『iPhone』をはじめとした革新的なヒット製品を生み出し続けるApple社が、iOSアプリに使用するプログラミング言語は、元々は『Objective-C』でした。そのため同社が2014年に発表した新言語『Swift』の突然の登場は、大きな驚きをもって迎えられました。
イージーさと実装機能を兼ねたSwift
Objective-Cは本来、難解なコンパイラのC言語をベースにした言語です。C言語を習得したベテランの熟練エンジニアでなければ、扱うこと自体が難しいというデメリットがありました。
Swiftはその難しさを飛躍的に改善し、スクリプト系言語のようなイージーさと、コンパイラ言語の実装機能を兼ね備えた次世代言語と言えます。
コーディング(仕様書どおりにプログラミング言語に置き換えること)と同時進行で実行結果の確認ができる『playground』は、現場の最前線で開発を担うアプリケーションエンジニアにとっては、まさしく強力な武器です。
アプリ開発エンジニアの収入と将来性
アプリ開発エンジニアの収入が気になるところです。またその将来性はどうでしょうか?リアルな数字から考えてみましょう。
フリーランスのアプリ開発エンジニアの収入は?
フリーランスのアプリ開発エンジニアの年収は、民間調査によると下記の図のようになります。
年齢 | 最高年収 | 平均年収 | 最低年収 | 正社員平均年収 |
25~29歳 | 900万円 | 696万円 | 420万円 | 378万円 |
30~34歳 | 960万円 | 780万円 | 420万円 | 475万円 |
35~39歳 | 1080万円 | 816万円 | 480万円 | 572万円 |
40~44歳 | 1140万円 | 840万円 | 660万円 | 635万円 |
45~49歳 | 1080万円 | 876万円 | 600万円 | 670万円 |
50~54歳 | 1200万円 | 660万円 | 540万円 | 690万円 |
55~59歳 | 1200万円 | 600万円 | 540万円 | 684万円 |
フリーランスは20〜40代までは収入が増加し、50代になると年収が下がる、という結果となっています。30〜40代では同世代よりも300万円以上の収入です。スキルが充実し体力的にも闊達な時期で、同世代でトップクラスの収入でしょう。
50代は40代より年収が200万円減少し、厳しい環境になりそうです。収入面だけでいえば、20〜40代半ばまでをフリーランスとして仕事に励み、そのキャリアを活かして大手企業に転職できれば、とても充実した人生になるでしょう。
出典:フリーランスエンジニア100人に聞いた年収調査【相場グラフつき】
フリーランスのアプリ開発業界の将来性
アプリケーション開発の業界は、エンジニアが活躍できるフィールドとして広いと言えます。現在は大変多くの企業が、オリジナルのアプリケーションを開発しています。
ネイティブアプリの開発や業務系のアプリ開発も、将来性は充分に見込めます。自分が一日のうちにどれぐらいスマホで色々なことをしているかを考えれば、スマホアプリ開発を担うエンジニア需要の将来性は推して知るべしです。
また、社会というものは、便利で生産性を高める方向へ向かいます。当然業務を効率よくするためのアプリ開発は、今後一層必要とされるでしょう。アプリ開発という業界、そしてエンジニアの将来は明るいと言って間違いなさそうです。
フリーランスのアプリ開発の仕事の探し方
フリーランスのアプリ開発エンジニアはどのように仕事を探せばよいのでしょうか。有効な方法を、具体的に見ていきましょう。
専門エージェントを利用する
専門エージェントに登録し、希望を伝えておけば案件を紹介してくれます。業界では別名『SES(システム・エンジニアリング・サービス)』です。
エージェントに任せておけば、フリーランスと企業の面談の段取りから契約までサポートしてくれます。
フリーランスは基本的には仕事は自分で探すものですが、エージェントの利用で営業活動の時間を減らし、スキルアップなど他のことに最大限に使えるのが最大のメリットかも知れません。
あるいは企業との契約面で言いにくい要望などがあるときに、エージェントが自分に代わって企業と交渉・調整をしてくれたりもします。
クラウドソーシングに登録
『クラウドソーシング』とは、オンラインで業務委託契約という形態での受発注ができるサービスです。最近はクラウドソーシングのサイトを通じて、スキルを持つ人がアプリ開発を副業として、気軽に仕事を請け負える環境になっています。
いまだアプリ開発の実践経験がなくても、低単価の小さな案件をこなして経験を積んで、スキルアップすることができます。実績を積み重ねれば高単価の案件への道も開かれます。
まとめ
アプリ開発エンジニアは専門性が高い上に、今後需要がさらに高まる職種と見て間違いないでしょう。
フリーランスには良い面も悪い面もありますが、中高年以降の生き方のビジョンさえしっかり持てば、若いうちにはチャレンジし甲斐のある選択肢と言えましょう。