用語や意味について知ろう
『受注』とは具体的にどのような意味なのでしょうか。細かなニュアンスの違いや状況別の使い方などを解説します。
受注するとは
『受注』とは、文字通り『注文を受けること』です。ただし、同じ『受注』でも、状況や個人の使い方によって、細かい意味やニュアンスが異なる場合があります。
例えば、ビジネスシーンでは、『受注生産』と『受注管理』という言葉があります。『受注生産』は注文を受けてから生産するという意味の言葉で、この中の受注は『注文を受ける』という本来の使われ方です。
一方で、『受注管理』は受注に関する管理という意味で使われていましたが、最近では出荷管理までのプロセスを含めて、受注管理と呼ばれるようになっています。
また、『受注活動』のように、個人や組織が営業活動をする際に、注文を受けるという意味で使われる言葉も『受注』です。
このように、『受注』という言葉は、ビジネスシーンにおいて様々な使われ方をします。状況に応じて適切に使い分けができるようになることが重要です。
受注生産とは
受注生産とは、注文を受けてから生産を開始する生産方式のことです。注文を待たずに生産を開始する『見込み生産』とは対照的の生産形態になります。
受注生産は個別生産とも呼ばれ、造船や注文住宅など、世界にひとつしかないものを生産する際に使われます。『オーダーメイド』という言葉に置き換えると分かりやすいでしょう。
受注生産は『個別受注生産』と『繰返受注生産』に分けられます。個別受注生産は、専用機などの機械設備や、その機械設備の生産で利用する金型などの製造で使われる生産方式です。
繰返受注生産は、同じ仕様のアイテムを反復して生産する方式のことを表します。自動車・家電・日用品・食品などの規格商品や、それらを生産するための加工品などは、ほとんどが繰返受注生産で生産されています。
受注活動とは
受注活動とは、注文を受けるために個人やグループで活動することで、『営業活動』と同じ意味です。受注生産での受注という言葉が『既に注文を受けている』というニュアンスで使われるのに対し、受注活動での受注という言葉は『注文を獲得する』というニュアンスで使われます。
具体的には企画の立案から訪問活動、提案やプレゼン、見積もりの提示など、これらの営業プロセス全てが『受注活動』に該当するといえます。
既存客からの新たな取引が発生することや、新規開拓での注文獲得など、営業活動で新規受注するということは全て、『受注活動』の成果だということです。
榎本希
受注とは「注文を受ける」ことです。
それぞれのシーン別に意味を付け加えると
・受注生産
注文を受けてから生産をすることです。
オーダーメイドなどがわかりやすいでしょう。
・受注活動
注文を受ける活動のことです。
営業活動と同じ意味として使われます。
受注確度について知ろう
受注確度は、主に営業で使われるビジネス用語です。受注確度の意味や、ビジネスにおける重要性などを解説します。
受注確度とは
『確度』とは、『確実さの度合い』のことをいいます。つまり、『受注確度』とは『注文を受けられる可能性はどれくらいあるか』示す指標のことです。
例えば、受注確度が高いということは、注文を獲得できる可能性が高いということです。営業活動における成果がどの程度『確定』するのかを表す指標が『受注確度』であるともいえます。
受注という言葉の部分を換えて、『契約確度』『商談確度』『案件確度』と呼ばれることもあります。
効率の良い営業につながる
営業活動において確度管理をすることは、効率の良い営業につながるメリットがあります。営業相手に差を設けることで、それぞれに対する営業活動の熱量をコントロールできるということです。
例えば、受注確度が低い相手に対し、延々と営業をすることは非効率だといえます。受注確度の高い相手から優先的に、より多くの営業時間を割くことが、効率の良い営業です。
特に、不動産や生命保険などスポット型営業の場合は、案件ごとの受注確度管理が重要になるでしょう。
営業戦略や予測が立てやすくなる
受注確度管理をすることで獲得できそうな案件の数が把握できるため、企業としての営業戦略を立てやすくなります。
具体的には、下記のような戦略を立てることができます。
- 今月は受注確度の高い顧客が少ないから新規開拓に力を入れよう
- 受注確度の高い顧客に新人を同行させて、実際に受注に至るまでの流れを見てもらおう
また、自社案件を確度管理することで、数字の見通しがしやすくなるため、売上の予測が立てやすくなります。
このように、受注確度の管理は企業全体に様々な好影響を与えます。受注確度をより高められるよう、営業部門だけでなく企業全体が努力することも必要です。
榎本希
受注確度とは「注文を受けられる可能性はどのくらいあるか?」の基準のことです。
この受注確度を管理するメリットは下記の通りになります。
- 契約成立の確率が高い見込み客に集中することができる。
- 契約成立の確率が低い見込み客への対応ができる。
この上記2つにより営業効率が上がります。
- 営業戦略を練りやすくなる。
- 売上げの予測がしやすくなる。
フリーランスが受注するためのポイント
営業活動がうまくいかず悩んでいるフリーランスは多いでしょう。受注するための方法や考え方など、フリーランスとして営業活動する際のポイントを紹介します。
エージェント登録やクラウドソーシング
まずはエージェントの利用を検討しましょう。エンジニアやデザイナー、ディレクターなど、世の中には様々な業種に対応したフリーランス向けのエージェントが存在します。
エージェントに登録し、自身のスキルや経験などを登録しておけば、欲している条件とマッチしたクライアントがいる場合に、エージェントが案件を紹介してくれます。
同時にクラウドソーシングサービスへの登録もしておくべきです。エージェントとの契約は比較的長期になりやすいメリットがありますが、契約が決まるまでに時間がかかる場合があります。
一方でクラウドソーシングの多くは、クライアントが募集している案件ごとに自分で仕事を選べるため、仕事が途切れにくいメリットがあります。
クラウドソーシングは単発で終わる案件も少なくありませんが、エージェントと並行して利用することで、長期的により安定した仕事ができるようになるでしょう。
クラウドソーシングの場合、単価が低めに設定されている事も多いので作業時間と報酬を考え、納得するものを選びましょう。
SNSなどで情報発信
Facebook・Twitter・InstagramといったSNSやブログは、情報発信手段として利用価値の高い手段といえます。SNSやブログを通して発信した情報は、世界中の人の目に留まる可能性があり、思いがけない問い合わせを受ける可能性もあります。
また、ライターやデザイナーであれば、自分のスキルを使ってブログを作り込み、情報発信手段としてだけでなくポートフォリオとしても利用できるでしょう。
SNSやブログは比較的自由な表現が可能なので、エージェントやクラウドサービスへの売り込みとはまた違ったアプローチで自分をアピールできます。
まだSNSやブログの経験がない場合はもちろん、趣味でSNSやブログを既に持っている場合でも、日々感じたことや活動内容などを綴るだけでなく、営業活動としてのコンテンツを追加してみましょう。
同業者との情報交換
フリーランス向けのセミナーに参加すると、同業だけでなく異業種の人たちとの交流することも可能です。その場で仕事をもらおうというスタンスではなく、あくまでも面識を持つ程度に留めましょう。後々のビジネスチャンスにつながる可能性は大いにあります。
最近全国で増えている『コワーキングスペース』も、情報交換の場として役立つでしょう。
コワーキングスペースとは、主にフリーランス向けに提供された、仕事や会議ができるスペースです。様々な業種のフリーランスがそれぞれの目的を持って集まる場所で、交流スペースも設けられているので、他の利用者とのコミュニケーションを図れます。
コワーキングスペースは事業所として登録できる場所もあり、フリーランスにとって様々なメリットを受けられるスペースです。近くにある場合は一度足を運んでみてもよいでしょう。
開業セミナーなど、中にはいわゆる「ひよこぐい」と呼ばれるものも存在しますのできちんと見極めるようにしましょう。
榎本希
フリーランスとして活動を始めてまず大切なことは自分を知ってもらうことです。
始めたばかりは実績もないのでまずはクラウドソーシングなどで実績を作るとよいでしょう。
ただし、仕事が欲しい事が先立ち労力と対価が見合わない案件をたくさん受注しすぎてオーバーワークにならないように気をつけましょう。
近年はネットの活用も大きな営業手段です。
最初は簡単な物でもいいのでHPやブログなどを作って自身の事業を発信していきましょう。
また、開業セミナー等を利用する際にはいわゆる「ひよこぐい」には注意が必要です。
受注管理について知ろう
受注管理とは具体的にどのような業務なのか確認しましょう。
販売管理の流れ
販売管理業務は、ビジネスをしている全ての企業において行われる業務です。販売管理は、仕入れをして代金を支払う仕入管理、商品やサービスを販売して代金を受け取る販売管理、在庫を適切に管理する在庫管理の三つに分けられます。
例えば、製造業であれば、部品などを仕入れて製品を生産し販売します。小売業であれば、取り扱う商品を仕入れて販売します。さらに、それぞれ在庫が発生し、管理する必要があるでしょう。業種により商慣習の違いはあっても、仕入・販売・在庫管理の三要素は常に存在します。
販売管理は、上記三要素の中の販売だけを管理する意味で使われる場合と、三要素全てを合わせた販売管理の意味で使われる場合があります。
受注管理とは
受注管理とは、注文内容の確認、受注情報の登録、注文請書の発行、在庫引当といった、一連の業務管理をいいます。
登録された受注情報は生産計画の対象となり、生産が完了し販売対象となるまでストックされます。注文請書とは、顧客や取引先に渡す、商品名・数量・金額・納期などが記載された書類です。
また、在庫引当とは、受注した時点の販売可能な在庫数を把握することです。後述する『受注残管理』と大きく関係します。
受注管理は製造部門と販売部門の連携をスムーズにするための業務でもあるので、受注管理がうまく機能することで、企業全体の効率化につながるといえます。
受注金額など内容確認が重要
受注後は金額などの内容をしっかりと確認することが大切です。この段階でミスが起こると、後に続く業務で様々なトラブルが発生する可能性があります。
受注の方法は業種や商慣習により異なります。営業先で注文書を受領したり、電話やメール、FAXなどの通信手段で注文を受けることもあるでしょう。
トラブルを防ぐために、最終的な受注方法を一つに絞っている企業もあります。しかし、相手の都合なども考慮すると、徹底することはなかなか難しいでしょう。
特に電話での受注はミスが多くなりがちなので、メールやFAXのように文書で残すか、受注後すぐにシステムに登録する必要があります。
注文請書を発行しよう
受注後は、注文内容を確認するために相手へ渡す『注文請書』を発行します。注文請書は必ず発行しなければならないものではありませんが、トラブルを未然に防ぐ意味でもできるだけ発行するようにしましょう。特に企業相手の取引では必須といえます。
注文請書に記載する主な項目は、商品名・数量・金額・発行日などです。これら以外にも、個別の取引条件や特別事項など、書くべきと思われることはできるだけ盛り込むようにしましょう。
システムを利用している場合は、受注した内容を自社で管理するために『受注伝票』を登録できる機能が付いていることがあります。その内容を基に注文請書を作成できることが多いので利用してみましょう。
榎本希
受注管理とは注文の確認から在庫の引き当てまでの一連の流れを指します。
受注の確認の際には電話など口頭で行う場合には聞き間違いなどを防止するためにも復唱をして確認をし、必ずメモなりに記録すること。
また、電話で注文を受けた場合にも念のために確認メールをするなどミスが起きないような工夫をするようにしましょう。
受注残管理について知ろう
受注残管理には、在庫管理と事業評価の観点から、大きく二つのポイントがあります。それぞれについて解説します。
受注残管理とは
受注残とは、注文を受けた商品における未出荷の金額や量のことをいいます。受注残管理は、この受注残を管理することです。在庫管理と大きな関係性がある業務といえます。
受注残には、『受注残高』という関連用語もあります。注文を受けた金額の中で、まだ売上計上できていない金額のことです。
注文を受けていながらまだ売れていないということは、将来入ってくる予定のお金がまだ入っていない状態ともいえます。つまり、受注残が多いほど受注残高も大きくなり、受注残高の大きさは将来の運営が安定する一つの要素として数えられます。
受注残管理は、在庫管理との兼ね合いが大きい業務である一方で、長期的な事業運営の安定度をはかる大事な指標ともいえるでしょう。
受注残管理の必要性
在庫がない状態で注文を受けたり、何らかの都合で一時的に在庫が不足している場合は、受注後すぐに出荷できないことになります。
このような状態で新たな受注が発生した場合に、目に見える在庫だけで判断してしまうと、受注残を補うために発注した在庫を、新たな受注の在庫として扱わざるを得ない状況が生まれてしまいます。
こういったトラブルを防ぐために、在庫管理を行う際は、目に見える在庫の有無だけでなく、受注残や発注済みの商品の納期まで管理する必要があります。
受注残管理を適切に行うことで、在庫の動きが様々な角度から分かるようになり、受注や発注、出荷を円滑におこなえるようになります。
榎本希
受注残とはバックログなどとも言われています。
これは注文を受けていてもまだ出荷をしていない残りの商品数や金額のことを指します。
受注残管理を行うことの必要性はトラブルやミスの防止にあります。
本当は在庫がないにも関わらず受注してしまい納期に間に合わなくなってしまったり、在庫の入荷ができずに取引をキャンセルしなければならなくなってしまったりといったトラブルやミスが起こらないようにするためにも受注残管理は大切です。
受注管理の方法について知ろう
効率的な事業運営を目指すために、受注管理システムの導入も検討しましょう。
受注管理システムの利用
受注管理は企業にとって大事な業務ですが、全てを人の手で行うと相当な手間がかかり、またミスが発生する可能性も高くなります。受注管理がうまく機能しなければ、販売や生産など他の業務にも多くの悪影響を及ぼしかねません。
受注管理システムを導入することで、面倒な作業を自動化できる上にミスも減り、営業など人にしかできない作業に多くの時間を充てられます。
受注管理システムには、ネットショップや製造業に特化したものなど、多くのジャンルが存在します。事業体制に合った受注管理ソフトを適切に選択することで、多くのメリットが期待できるでしょう。
受注業務のアウトソーシング
受注業務のアウトソーシング化は、近年多くの企業で取り組まれています。ネットショップやコールセンター、製造業など、様々な業種でアウトソーシングが可能です。
受注業務をアウトソーシングすることで、質の高い受注対応や人員の補強を実現できます。また、受注業務を完全に外部に任せることになる場合は、自社の専門業務に集中して取り組むことができるでしょう。
自社への受注管理システムの導入でも効率化を図ることはできますが、あくまでも自社でシステムを管理する必要があります。アウトソーシングなら自社における手間がほとんどなくなるという点が、大きなメリットです。
榎本希
受注管理の方法については主に下記の2つがあります。
・受注管理システムの導入
人的なミスや手間を削減し、本来の業務や営業などに時間を使えるようになります。
・アウトソーシング
業務委託契約などで受注管理を行ってくれる人員を確保することです。
システムの導入をするほどではないけれど補助的な人員がほしい場合や繁忙期のみ人員を確保したいような場合に活用する企業が増えてきています。
受注管理システムの選び方
受注管理システムは、受注はもちろん、在庫管理や自動配信機能が備わっているものなど、内容も様々です。業務運営に適したシステムを選択するためのポイントを解説します。
操作のしやすさ
操作のしやすさを事前に知ることは、システム導入後のスムーズな運営を実現させる上で大切です。導入後システムに携わる可能性がある全ての人が、できるだけ事前に操作性を確認できることが望ましいでしょう。
システム導入により手間が省けるといっても、重要な部分は手作業で行う必要があります。多くのシステム提供元が、期間限定のお試しサービスを実施しているので、感触を確かめておくようにしましょう。
ニーズや付加機能
受注業務における問題点や不満など、現場のニーズを事前に知ることも重要です。コストや機能の多さだけで選んでしまい、現場の問題が改善されなければ導入におけるメリットは減少するでしょう。
また、付加機能やカスタマイズ性もシステム選びにおいて重視したいポイントです。導入前後に追加で欲しい機能が搭載できれば、より使いやすいシステムにカスタマイズできます。
他データとの連携やサポート
受注管理業務に関連する部門で利用中のシステムとの連動性を確認したり、受注管理以外の部分でシステム化できる機能を確認したりすることも大切です。受注管理は業務全体の根幹ともいえ、システム自体の性能だけでなく、他部門にとっても効果的な役割を果たす必要があります。
また、受注管理システムは、業務プロセスに合わせた正確な導入が重要です。そのため、サポート体制を確認することは、システム選びにおける重要なポイントの一つといえます。
システムに関する知識だけでなく、システム導入経験も豊富なサポートが望ましいでしょう。導入後に受けられるアフターフォローも手厚いに越したことはありません。
榎本希
管理システムには様々なものがあり、それぞれに特徴があります。
管理システムを選ぶためのポイントとしては下記のものが挙げられます。
・操作のしやすさ
いくら便利なシステムであっても操作に時間がかかってしまってはシステムを導入しても時間コストの軽減効果が期待できなくなってしまいます。
・現場のニーズや付加機能
管理システムの機能は様々な物があるため、ニーズに合った付加機能がある管理システムを選ぶようにしましょう。
・サポートの充実性
管理システムに何らかのトラブルがあった場合や、使用方法が分からなかった場合にスムーズに対応してもらうことができるというサポート面が充実しているシステムも管理システムを導入するための選択肢としては大切です。
様々な管理システムがありますので、いろいろな管理システムの情報を調べた上で自社に合ったものを選ぶようにしましょう。
まとめ
フリーランスが受注するためには、エージェントやクラウドソーシングへの登録、SNSなどの活用、積極的な情報交換などが重要です。受注管理の考え方や仕組みなどもしっかりと確認し、状況に応じてシステムの導入も検討しましょう。