受注残とはどんな意味?用語の理解や受注残管理について

受注残管理は企業経営を長期的に安定させる上で重要な業務であり、受注高や売上高以上に重視すべき要素といえます。フリーランスにとっても受注残の意味や重要性を理解しておくことは大切なことです。あわせて受注管理ソフト導入時に着目すべきポイントや、メリットについて解説します。

用語や意味について理解しよう

受注残と主な関連用語について意味を解説します。

受注高

受注高とは注文を受けた金額です。本決算なら、1年間で受けた注文の総額を表します。注文を受けた商品の在庫があり、すぐに販売できれば売上に計上できるので、受注高と売上高の金額は同じになります。

しかし、商品の在庫がない場合や、注文を受けてから販売までに時間を要するものは、注文を受けてからすぐに売上計上できないので、受注高と売上高に差がある期間が発生します。

受注高と売上高はよく比較されますが全く違うものです。受注高は、あくまでも注文を受けた時点での金額で、将来入ってくる予定のお金といえます。一方、売上高はすでに売上になっている金額で、過去を表す指標といえるでしょう。

受注残高

受注残高とは、受注高から売上高を引いた金額です。注文を受けた金額の中で、まだ売上に計上できていない金額を指します。

決算においては、期末時点において消化しきれていない受注の残高を表します。期首の受注残高と期中の受注高を足して売上高を引くと、期末の受注残高になるのです。

規模の大きい設備やシステムなどを作成する企業では、受注残高が企業の年間売り上げを上回る場合もあります。

発注残

発注残とは、仕入先への発注において、まだ納品されていない発注のことを言います。発注残を追うことで、仕入先からの納品の状況を管理できます。

例えば、仕入単価50円の商品を10個発注した場合、発注した時点での発注残は10個(500円)となります。その後、とりあえず6個が分納されたとすると、この時の発注残は4個(200円)です。最後に発注残分の4個が納品されれば発注残は0になり、一つの発注に対して仕入れが完了したことになります。

納品後に検収があり、検収基準で仕入計上する場合は、納品日と検収日を分けて発注を管理する場合もあります。この場合、発注残は納品日で消えますが、検収残として管理する必要があるでしょう。

受注残管理の重要性

受注残管理は在庫管理を円滑に進める上で欠かせない機能です。受注残管理のポイントについて解説します。

受注管理とは

受注管理とは、顧客や取引先からの引き合いや問い合わせに応じるとともに、実際に注文を受け付け、納期や数量などを決定し、顧客オーダーを基に受注オーダーを作成する一連の流れです。

作成された受注オーダーは生産計画の対象となり、製品が完了し出荷の対象となるまで維持されます。また、顧客や取引先へ渡すために作成されるのが注文請書です。注文請書には商品名・数量・金額・納期などが記載されます。

受注管理は製造と販売の連携を円滑に進められる業務です。受注管理が機能することにより、製造部門と販売部門に分かれている組織では、それぞれが業務に専念しやすくなります。

受注残管理とは

受注残はバックログともいわれ、注文を受けた商品における未出荷の量や金額のことです。受注残には、受注オーダー番号や製品番号、納期、数量などに加え、『現在組み立て中』や『出荷計画中』といったオーダー状況が付与されることもあります。

受注残管理は、この受注残を管理することです。具体的には、商品を受注してからその商品が出荷されるまでの間、受注数を管理することをいいます。

在庫がない状態で受注したり、一時的に在庫が不足していたりする場合に、受注してから出荷するまでに時間のズレが生じます。受注残管理が機能していれば、納品予定日に在庫の発注が間に合わないなどのトラブルを防ぐことができます。

経営指標として分析に使える?

経営者目線では売上高を経営指標として重視されますが、受注残も長期的な運営戦略を考える上で大事な指標です。

受注残が多いことは何を意味するか

受注残は将来入ってくる予定の金額なので、受注残高をできるだけ積み重ねることで、安定した経営が期待できます。そのため、受注残は企業の業績を予測するためによく使われる指標です。投資家などが投資先を探る上で着目するポイントのひとつでもあります。

受注して利益を得るタイプの業種では、大きい単価で継続的に収入を得る仕組みを構築している企業が多く、受注から売上確定まで時間がかかります。こういった業種の場合は、受注残の期間が長いほど、先々までの安定した経営が実現できます。

視覚化のメリット

受注残推移を視覚化することで、月次や年次の動きを見ることが可能となり、常に高い位置をキープしようとする意識を高められます。

また、推移に注目できることにより、経営の予測が立てやすくなるでしょう。どのようなペースで受注していけば経営の安定につながるのかを考えることは、経営者にとって重要なことです。

受注管理システムを活用しよう

より良い経営体制を整えるために、受注管理システムの導入も検討しましょう。安定した経営をめざすために重視すべき受注残を視覚化でき、業務全体の根幹を支える受注管理を楽にしてくれます。

自動化で効率良く管理できる

受注管理は企業にとって注力すべき重要な業務ですが、手作業で行うには手間がかかる上に、ミスも発生しやすくなります。受注管理業務が滞ると、販売部門や製造部門など他の部署に様々な悪影響を及ぼしかねません。

しかし、受注管理システムを使うことで、面倒な作業を自動化でき、マーケティングや顧客対応など人にしかできない作業に、より多くの時間を割けるようになります。また、ミスの発生件数も大幅に減らせるでしょう。

世の中には多くの受注管理システムを提供するサービスが存在し、業種により特徴も様々です。自社の運営形態に合った受注管理ソフトを適切に選択し利用することで、業務全体にわたり多くのメリットが期待できます。

受注管理ソフトの機能とは

受注管理ソフトには主に以下のような機能が備わっています。

受注伝票検索 注文を様々な条件で検索できる機能です。
受注分類タグ付 それぞれの注文に対し自由にタグ付けできる機能です。
受注ステータス自動進行 あらかじめ設定されたプロセスに沿って、受注ステータスが自動変更されます。
伝票編集機能 納品書・請求書・領収書などの帳票を作成・編集・出力・印刷できます。
操作履歴記録 それぞれの注文に対し操作内容や操作した人についてのログを残せます。

受注管理ソフトの選び方

事前にソフトの使い勝手を知ることで、ソフト導入後にスムーズに業務を進めていけるでしょう。ソフトの販売元がお試し利用などを実施している場合があるので、感触を確かめておくようにしましょう。

ソフトの機能についても事前調査は必須です。必要な機能ができるだけ網羅されているか、不要な機能がメインの仕様になっていないかなど、しっかりと確認しておきましょう。導入後に様々な融通がきくカスタマイズ性の良さも大事です。

また、サポートが充実しているかどうかも重要なポイントです。受注管理ソフトは一連の業務手続きに合わせた正確な導入が大事なので、導入時に適切なアドバイスを受けられるサポート体制が整っているかを確認しましょう。

まとめ

受注管理において受注残を意識することは、将来的に経営を安定させる上でとても重要です。また、受注管理ソフトを導入すれば受注残管理の見える化が実現され、同時に経営全体の効率化にもつながります。

受注残管理を含めた業務全体の機能改善のために、機能や特色をしっかりと確認した上で適切に受注管理ソフトを選択しましょう。

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