契約書に印紙は必ず必要?収入印紙の必要性や必要額のまとめ

契約書を作成する際には、収入印紙を貼付し割印するものですが、はたして収入印紙は必ず貼付しないといけないものなのでしょうか?収入印紙の基礎知識や使われる目的・印紙の種類・割印の方法などについて解説します。

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契約書の基礎知識

契約書には収入印紙が貼られるものですが、まずは契約書がどのような種類の書面であるのかを知っておきましょう。

合意と契約の違いや覚書と契約書との違い、契約書の意義についても説明します。

合意と契約

『合意』と『契約』には大きな違いがあります。どちらも当事者間で交わされた約束を指しますが、『契約には法的拘束力がある』のに対して『合意には法的拘束力がない』という点です。

合意は、当事者双方で交わされた約束が守られることを前提としています。実際には、この約束が破られることは往々にしてあるでしょう。しかし、その違約に対して『損害賠償請求』のように法的に罰せられることはありません。

合意が守られなかった場合、守らなかった側が何らかの制裁を受けるとしても、法的ではなく信用を失うといった『社会的制裁』に該当するでしょう。

一方の契約に関しても、遵守できず契約違反が発生することがあります。

契約の場合は法的拘束力があるため、守らなかった当事者に対して損害賠償請求のような法的制裁を与えることが決まりとして認められているのです。

覚書との違い

双方で交わした約束を書面にしたものに『契約書』や『覚書』があります。その違いはどのようなものでしょうか?

覚書は、契約書を作る前に作成するもので『当事者間の合意内容』を記述します。また、『すでに作成済みの契約書に修正や補足をおこなった文書』を指す場合もあるでしょう。

契約書では堅い印象になるので、あえてソフトなイメージにするために、覚書を作成することも多々あります。

覚書と契約書、二つの文書に共通するのは、どちらも『当事者双方の連署を必要とする』点です。そのため『基本合意契約書』と呼ばれることもあります。

契約書の意義

契約書とは法的拘束力がある約束、すなわち『契約を書面にしたもの』です。そして『法律文書』でもあります。契約書を作るうえで重要なことは、双方でおこなった約束が『成し遂げられるべき内容』になっていることです。

それに加えて、万一契約が守られない可能性も考慮に入れ、その際のリスクを避けるための対応策の記述も必要になります。

具体的には『交わされた約束や取引にどのようなリスクや問題が潜んでいるか』を十分に検討して洗い出し、指摘します。これには法的な問題も含まれるでしょう。

最終的に、そのリスクや問題への解決手段まで提示します。このようなリスクマネジメントを意識することは、紛争を未然に防ぐだけではなく取引や契約がスムーズに遂行されるうえでも大切です。

収入印紙の基礎知識

領収書や契約書の作成時に『収入印紙』を貼るのを見たことがあるという人も多いでしょう。しかし、どのような意味で収入印紙を貼る必要があるのか、その理由まで知っている人は少ないのではないでしょうか。

収入印紙が使用される目的、収入印紙を貼るべき書類・収入証紙との違いについて説明します。

収入印紙とは

収入印紙は国の行政機関である『財務省』が発行しており、収入印紙代は『印紙税』という税金として、国に納められます。

注意したいのは『どのタイミングで納税したことになるか』です。厳密には『収入印紙を購入した』または『収入印紙を書面に貼付した』段階では税金を納めたとは認められません。

『収入印紙を書面に貼り割印すること』で、初めて印紙税を納付したという意味になります。ただし、不動産の名義変更をおこなう場合などには例外もあります。

『印紙は消印しないこと』と申請書などに記載されているときは、消印(割印)は申請書の提出先である官公庁などの担当者が押します。自分で割印はしないようにしましょう。

ちなみに、収入印紙には31種類の額面があり、1番低いものは1円、1番高いものは10万円です。

収入証紙との違い

収入印紙とは別に『収入証紙』もありますが、収入証紙は国の機関である財務省ではなく、地方自治体が『条例』に基づき発行しています。税金も、自治体に納められる仕組みです。

東京都や大阪府・広島県など収入証紙が廃止されている自治体もあり、京都市や長野市といった市町村で廃止するところも増えてきています。

ほかにも福岡県では、収入証紙のかわりに『領収証紙』の取り扱っているのが特徴です。

領収書に主に使われる

どのような文書に収入印紙が必要で、いくらの印紙を貼るのかが記載された『印紙税額一覧表』は、『国税庁』のホームページで閲覧できます。

『領収書』は、その中の第17号文書『金銭又は有価証券の受取書』に該当し、領収書を作成した際には印紙を貼る必要があると明記されているのです。

『受取書』とは、受けとった事実を証明するものとして作成され、支払った側に対して交付する際の証しになる文書を指しています。領収書以外にも領収証・レシート・預り書・預り証・受取書・お買上票などがあげられるでしょう。

これらの文書の作成意図が『金銭又は有価証券の受け取り事実を証明するもの』であるなら、金銭又は有価証券の受取書としての扱いが必要です。

印紙税|国税庁

収入印紙と契約書

収入印紙は、契約書を作成する際にも必要です。どのような理由で必要なのか、また収入印紙代を払うのは誰になるかについて解説します。

収入印紙の必要性

契約書に、国の税金として徴収される『収入印紙』を貼るには確固としたメリットがあります。

平成17年3月に、当時の首相である小泉純一郎氏は、印紙税について以下のような答弁をおこないました。

経済取引に伴い作成される文書の背後には経済的利益があると推定されること及び文書を作成することによって取引事実が明確化し法律関係が安定化することに着目して広範な文書に軽度の負担を求める

出典:印紙税に関する質問に対する答弁書:答弁本文:参議院

主な内容としては、

  • 契約書は経済取引によって作成される文書であるため経済的利益が見込まれる
  • 文書にして明確化することで、仮に紛争が起きた場合でも国が責任をもって対応する

これらが『法的に守られること』を意味しています。

印紙代の負担者

契約書作成時に貼る収入印紙代を『誰が負担するのか』に関しては、特にルールはなく、当事者間で決めてよいことになっています。

1対1で契約書をつくった場合は、契約書は2通になり、当事者双方が1通ずつ保管するのが一般的です。

その際は、2通の契約書それぞれに収入印紙を貼る必要があるので『自分が保管する1通分の収入印紙代』をそれぞれ負担する場合が多いでしょう。

収入印紙代が少額の場合は『金銭をもらう側』が、サービスとして負担する場合もあります。

契約書に関連する印紙税額

収入印紙は、契約書や書類の内容によって印紙税の金額が異なります。いくらの収入印紙を貼るべきかは、国が定めているのです。

詳細は、国税庁より発行されている『印紙税額の一覧表』に掲載されています。その中の契約書に関するものについて、くわしく見てみましょう。

4種類が該当する1号文書

1号文書に該当する書類は4種類あります。主な文書とあわせて以下を参考にしましょう。

1号文書に該当する書類 主な文書
1 不動産・鉱業権・無体財産権・船舶若しくは航空機又は営業の譲渡に関する契約書 『不動産産売買契約書』『不動産売渡証書』
2 地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書 『土地賃貸借契約書』
3 消費貸借に関する契約書 『金銭借用証書』
4 運送に関する契約書(用船契約書を含む。) 『運送契約書』『貨物運送引受書』

収入印紙の金額は『契約金額』によって異なります。

例えば、文書1通または1冊につき、契約金額が1万円未満の場合は非課税、10万円以下なら200円、10万円を超え50万円以下の場合は400円などです。

収入印紙を貼る最高額は60万円で、その場合の契約金額は50億円を超えるものになります。

No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁

請負に関連する2号文書

2号文書として定められているのは『請負』に関する契約書です。該当する契約書は『仮工事請負契約書』『広告契約書』『映画俳優専属契約書等』などがあげられます。

2号文書も契約金額によって貼る収入印紙の金額が違います。2号文書の場合は、100万円以下なら200円、100万円を超え200万円以下の場合は400円です。

収入印紙を貼る最高額は1号文書と同じで60万円、その場合の契約金額も50億円を越えるものです。

一律4万円の5号文書

5号文書は『合併契約書又は吸収分割契約書若しくは新設分割計画書』です。

会社法又は保険業法に規定する合併について、また会社法に規定する吸収分割契約又は新設分割計画について書かれた契約書のみと限定されています。

1号・2号文書とは違い、契約金額にかかわらず印紙税額は一律で4万円です。

No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで | 印紙税その他国税 | 国税庁

一律4000円の7号文書

7号文書は『継続的取引の基本となる契約書』です。

具体的には『売買取引基本契約書』『代理店契約書』『銀行取引約定書』『業務委託基本契約書』などがあたります。ただし、契約期間が3カ月以内、なおかつ更新の定めのないものは除外対象です。

7号文書も5号文書と同じく、印紙税額は一律で4万円請求されます。

収入印紙が不要のケース

収入印紙が不要になる場合もあります。どのような時に不要になるのか見てみましょう。

印紙が不要な金額

この記事の前半部分『契約書に関連する印紙税額』のところでも触れたように、いくらの収入印紙を貼る必要があるのかは国税庁より発行されている『印紙税額の一覧表』に記載されています。

不動産売買契約書や土地賃貸借契約書・金銭借用証書・運送契約書といった『1号文書』の場合『契約金額が1万円』未満なら非課税となり、収入印紙を貼付する必要はありません。

非課税工事請負契約書や物品加工注文請書などの『2号文書』の場合も同様です。

『課税対象外文書』にも、収入印紙は不要です。課税対象外文書には『委任契約書』のほか『パートや労働派遣法契約書』『秘密保持契約書』などがあります。

電子書面

近年は、電子書面にて契約を履行することも増えてきました。この『電子書面の契約』には、収入印紙が必要ありません。法律では『紙に記載された書面文書のみ課税される』と解釈されているため、電子書面は非課税になるからです。

印紙税の負担を軽くするため、特に『約束手形』などに関して、手形の発行から『電子債権』に切り替えている企業も増加しており、同様の傾向が契約書の場合にも見られます。

電子書面にて契約書を作成する際は、課税対象とならない電子書面での契約書の作り方を前もって税務署などに確かめておくと、より確実で安心でしょう。

収入印紙の割印について

収入印紙を貼った時に行う『割印』は、どのような目的でされるものでしょうか?また、割印には正しい押し方や、押印する位置が決まっているのでしょうか?くわしく見てみましょう。

割印や消印の目的

契約書など印紙税の課税対象となる文書に収入印紙を貼った際には、割印をすることが、法律で定められています。(印紙税法第8条2項)

割印の目的は『収入印紙が再使用されることを防ぐため』です。

割印は、契約書などの紙と収入印紙とを『またがるように』押します。そうすることで収入印紙の一部分が消えるため、再利用できなくなるのです。

割印の方法や位置

印紙税法第8条2項によると、割印は『課税文書と印紙の彩紋とにかけて判明に印紙を消さなければならない』と記されています。

このように、正しい割印の方法は『課税文書と印紙の両方にかぶっていること』が必要です。割印の位置に関しては、特に決まりはありません。

この際、使用できる割印は、実印や銀行印など『地方の自治体・金融機関にて登録済みの特定の印鑑』のみです。さらに、割印は印鑑だけではなく『署名』ですることも可能です。氏名のほか、通称や会社名で署名しても認められます。

署名は当事者本人が押さなければならないという決まりもなく、代理人や従業員・使用人でも構いません。

判明に印紙を消すことがポイント

収入印紙に割印をする上で重要なポイントは『印紙税法』にも記載されているように、『判明に印紙を消すこと』です。判明に印紙が消されていなければ再利用される可能性もあるため、割印本来の意味がなくなってしまいます。

また、同じ理由で『鉛筆やインクの消えるボールペン』などで署名することも、割印したとは認められません。収入印紙の割印は、印鑑でも署名でもよいので、一目ではっきりと分かるようにおこないましょう。

知っておきたいポイント

最後に、収入印紙を扱う上で知っておきたいポイントについて見ていきましょう。

印紙が貼られていない契約書の有効性

契約書には、収入印紙を貼ることが印紙税法により定められていますが、もし『貼られていない契約書』がある場合、その有効性はどうなるのでしょうか?

契約書に収入印紙が貼られていなくても、その内容には問題なく『契約自体は有効』です。しかし、法律的には支払うべき税金を納めていないため『違法』となり、もし発覚した場合には『罰則』が生じます。

また、契約書に収入印紙は貼付しているものの割印を忘れている場合は『税務調査で指摘を受ける対象』となるので注意しましょう。

貼り間違いや貼り忘れ

収入印紙を意図的に貼っていない、もしくは貼り忘れた場合、税務調査などで発覚すると、罰則として『過怠税』を請求されます。

過怠税は『本来の印紙税額の3倍』にあたる額です。もし、みずから気づいて申し出た場合でも『1.1倍』の追加徴税となり、余分なコストや手間になります。

社会的にも信用を失うことになりかねないため、収入印紙の貼り忘れには十分注意しましょう。一方で、印紙を貼る必要がない文書に貼ってしまった・元々の税額より高い印紙を貼ってしまった場合は、余分に支払った税金を取り戻す方法があります。

『印紙税過誤納確認申請書』を『税金を納める地域の税務署長あて』に提出しましょう。そうすることで還付を受けることが可能です。申請の際には『間違って印紙を貼った文書と印鑑』も必要です。法人の場合は、代表者印も用意していきましょう。

[手続名]印紙税過誤納[確認申請・充当請求]手続|国税庁

収入印紙を購入できる場所

収入印紙が販売されているのは、登記所などの『法務局』や『郵便局』です。そのほか『収入印紙売りさばき所』の指定を受けた店舗でも取り扱っています。

コンビニでも購入できるところがありますが、販売しているのは、おもに額面200円の印紙で、金額の高い印紙は取り扱っていない場合が多いでしょう。

まとめ

手数料や租税を国が徴収する目的で用いられている収入印紙は、貼付すべき文書や印紙税額について国によって制定されており、契約書はその中の一つです。

経済的な利益が発生する見込みのある契約書に国の税金である収入印紙を貼付することは、もし何かトラブルがあった場合、国によって守られるというメリットがあります。

収入印紙を貼った際には割印が必要です。割印をする目的は、収入印紙の再利用を防ぐことにあるので、はっきりと印紙を消すように割印しましょう。

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