アイコンデザインの重要性
アイコンデザインはマーケティングや周知性において重要な役割を担っています。その理由についてまずは見ていきましょう。
アイコンとは
アイコンとは、個人や企業、サービス等を表すためにわかりやすくデザインされた『ピストグラム』のことです。
ピクトグラムは、その役割が持つコンセプトをわかりやすくビジュアル化したもので、代表的なものとして、非常口の駆け込みのマークや、トイレの男女別のマークなどがあります。
アイコンは企業イメージや、提供しているサービスを印象付ける役割を担っているため、他のアイコンとの差別化も重要になってきます。アイコンを見た時に、サービスや企業名をぱっと思い出すようなシグナルとしての役割を求められているのです。
Webサービスの様々な場所で利用される
アイコンはWeb上のさまざまな場所で利用されています。
顕著なのがSNSです。Twitterやインスタグラムなどでは、プロフィールにアイコンを設定する項目がありますし、タイムラインでの発言を追うのにもアイコンが用いられます。
また、アプリストアなどで様々なアプリをインストールすれば、起動するためのアイコンは必ず設定されているでしょう。別のサイトへのリンクを踏む場合にもアイコンが使われているケースもあります。
アイコンは、インターネットにおいて欠かせない要素の一つとも言えるでしょう。
スマホアプリでもアイコンは重要
スマホアプリをストアからダウンロードする際に、そのアプリのアイコンが表示されていますが、同様のアイコンがスマホのホーム上でも表示されることで、ダウンロードしたアプリと機能を結びつけるという役割を担っています。
ホーム画面を開いて最初に目に入るのはアイコンの羅列です。アイコンは、スマホのユーザビリティを確保するための大切な要素となっています。
良いアイコンデザインのポイント
企業やサービスの認知性を高めるためにも、アイコンは良いデザインであることが求められます。
良いアイコンデザインとは、どのようなポイントを押さえたものを言うのでしょうか?
画面内で視認性が高い
PCやスマホなどの端末では、アイコンをクリックすることでアプリを起動します。そのため、画面内のどこにあってもわかる、視認性の高さが求められます。
透過処理のほどこされた目立たないアイコンは、あまり良いデザインとは言えません。どんな壁紙の上に表示されていても、ある程度目立つような工夫も必要です。
そのためには、アイコンのフレームだけではなくカラーリングにもこだわっていきましょう。単色アイコンは背景色によっては同化してしまう点から、単色に見えて実はグラデーションをかけているといった工夫を施されたアイコンデザインはよく見かけます。
サービスへの親しみを強める
ユーザーに親しみを強めるのも、アイコンの役割の一つです。
Twitterのサービスであれば鳥のシンプルなマークや、音楽のサービスであれば音符のマークであったりなど、愛らしいものや日常的によく使われているものをコンセプトにしているアイコンが多いのも、ユーザーに親近感を抱いてもらうための工夫と言えます。
銀行のようなお堅い、格式張ったというイメージを持たれるような組織であっても、丸みを活かしたデザインのアイコンを活用することで、少しでも親しみを持ってもらおうとするコンセプトが見えます。
ユーザーとの距離を縮めるためにも、アイコンデザインにはこだわりを持って作成することが求められているのです。
アイコン作成のコツ
自社がSNSで使うアイコンや、配信するサービスのためにアイコンを作成する場合のポイントについて解説します。
シンプルにする
アイコンは、どのようなサイズの画面で表示されるかはユーザーの手に委ねられます。画面の大きさにかかわらず、どのアイコンか判別ができるシンプルさはとても重要です。作成する際には良く見えても、実際にスマホで表示した際に潰れて見えるなどという状態にならないよう注意しましょう。
また、色々な情報が詰め込まれたアイコンはゴチャゴチャしているという印象を与えてしまい、シンボルとしての役割を損なってしまいます。
特に、アイコン内に説明文を加えるのはおすすめしません。画像サイズによっては読みにくく、ユーザーのストレスの要因となってしまいます。
アイコンは可能な限りシンプルであることが望ましいでしょう。
ひと目で機能が分かる
アプリアイコンをひと目見て、どのような機能が付属しているのかがわかることが好ましいです。
撮影機能のマークはカメラのマークがアイコン化され、アイコンを見れば写真や動画を撮影するものだとすぐにわかります。LINEであれば、フレームの色とアイコンのコンセプトカラーが同一であり、さらに『LINE』の4文字が中央に配置されたわかりやすいコンセプトのデザインとなっています。
機能的なシンボルやイメージカラーを考慮した上で、一目見てどんなサービスかが判明するようなデザインを心がけましょう。
他のサービスと差別化する
デザインされたアイコンは、同じ業種であるサービスのアイコンと比較されることになります。多くのアイコンの中に埋もれてしまわないよう、差別化を図ることが不可欠です。
そのために求められるのは、ユニーク性とオリジナリティです。現状、市場にどのようなアイコンが並んでいるか調査し、違う方向性のデザインに仕立てていきましょう。
また、単色デザインや中央に1文字などのシンプルすぎるアイコンは、なるべく避けた方が無難です。差別化のためには常にリサーチをして、トレンドを把握することも大切になります。
アイコンの作り方
ここからは、実際にアイコンを作成するプロセスについて解説します。Photoshopなどの画像作成ソフトや技術がなくてもシンプルに利用できる方法を見ていきましょう。
アイコン作成アプリを利用
インターネットで公開されているアプリの中には、アイコンを作ることに特化した機能を持つアプリがありますので、積極的に利用してきましょう。
画像の取り込みや文字の配置、デコレーションやカラーリングといった作業が、初心者でも簡単に行えます。頻繁に利用される記号やテンプレートなども用意されているので、それほど時間をかけずに作ることが可能です。
フリーソフトを利用
アイコンを作成するのに、フリーソフトを利用するという方法もあります。画像の取り込みや配置など、機能面も充実しているソフトが多くあります。
また、アイコンは使い方によっては『.ico』という拡張子にしなければならないことがあります。この点から、単純な画像加工ソフトだけでは作成ができないこともあるのです。そのため『.ico』の拡張子に対応しているフリーソフトを使うのが有効な手段と言えます。
『アイコン ウィザード』などがフリーソフトとしては有名です。利用を検討しましょう。
有償版のお試しで作成できるソフトなどもありますが、画像の抽出には有償版にしなければならなかったり、機能制限をかけられていたりすることもありますので、あらかじめ確認することも大切です。
良いデザインを参考にしよう
インターネットで巡回・リサーチなどを行って良いと思えるアイコンを参考にするのも良策です。そのまま利用すれば盗作として問題になりますが、コンセプトを参考にする程度であれば問題にはなりません。
日用品などをシンプルに図案化してデザインに落とし込むのは、技術を要求されます。しかし、フリー素材のサイトでは、画像の商業利用や加工が許可されているものもありますので、そうした素材を組み合わせてアイコンを作るというのもおすすめです。
クラウドソーシングで外注も可能
作成する技術や時間がない場合、アイコンをデザイナーに外注してしまうという方法もあります。
クラウドソージングを使って外注することも視野に入れていきましょう。
1000円程度から依頼できる
クラウドソージングでは、アイコン作成技術を持ったデザイナーが仕事を募集しています。デザイナーに直接アイコン制作を依頼するというのも一つの手です。
1000円程度から依頼を受け付けているデザイナーも多いのですが、注意点として商業利用することや、版権に関する取り決めをしっかり行っておきましょう。
また、クラウドソージングではSNSなどで利用するアイコンデザインの募集が多いため、Webサービスのアプリアイコンとは方向性が異なるデザイナーも少なくありません。
自分たちのコンセプトデザインに応えられるデザイナーであるか、しっかりと見極めて依頼をする必要があります。
コンペ形式のメリット
クラウドソージングを利用して、コンペ形式で発注するという方法もあります。
コンペ形式は、企画や募集要項を公開して、デザインナーが提案という形で成果物の提出を行う方式です。
これに対しプロジェクト形式はデザイナーを雇用し、契約を結んだ上で、打ち合わせしてようやくデザインの作成に取りかかるという手順を踏みます。比較すると、コンペ形式の方が作業タスクが少なくてすむ、成果物が集まってくるまで時間がかからないことがメリットです。
またデザイン会社に発注するわけではないので、コストも比較的安く済ませられることがメリットと言えるでしょう。しかしながら価格設定をきちんとしないと、成果物自体が集まらない可能性もあるので、価格については十分な考慮が必要です。
まとめ
インターネットを使ったサービスやアプリを提供する際に、アプリアイコンの作成は必須です。アプリアイコンは、アイコン作成ソフトを使えば、絵心やプログラミング技術がない人でも作成することができます。
アイコンのデザインは、他と差別化しシンプルで見やすく図案化するといったポイントを抑えなければなりません。難しければデザイナーに外注するという方法もありますので、利用を検討していきましょう。