アイコンとは
そもそもアイコンとはなんなのでしょうか。漠然としたイメージはあっても上手く説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。ここではアイコンとはなにかを学びましょう。
小さなイラストや図
アイコンとは、小さなイラストや図のことを指します。主にWebサイトや動画制作、SNSなどで用いられ、文字だけでは伝わりにくい情報を視覚的に伝えることができます。
これによってユーザーが直感的に操作しやすくなり、結果的にユーザビリティの向上にも繋がります。アイコンに関しては難しく考えず、『情報をユーザーにわかりやすく伝えるための手段』と捉えれば良いでしょう。
フリーで提供されているアイコンもある
アイコンには、無料で使用できるフリーアイコンが配布されていることがあります。再配布や改変さえしなければ自由に使えるものから、『SNS用のアイコン』など用途が限定されているものなど様々です。
しかし、無料で使えるからといって自由に使っていいわけではありません。利用規約などをしっかり読み込み、ルールに沿って使用することが大切です。
フリーアイコンを利用する際の注意点
フリーアイコンは無料で利用できるので気軽に使うことができますが、いくつか注意点があります。これらを守らないと規約違反となり、最悪の場合は訴えられても文句が言えなくなってしまいます。ここでは事前に知っておきたい注意点をいくつかご紹介します。
利用規約を確認し正しく利用する
フリーアイコンを配布しているサイトには、必ずといっていいほど利用規約が掲載されています。つい面倒臭がって読まない人もいますが、重要なことが書かれているのできちんと読みましょう。
フリーアイコンのフリーとは、『著作権フリー』のことを指します。また、著作権フリーという言葉にも「著作者が著作権を放棄した」「著作権は保有し続けるが、自由な利用を許可する」「著作権の保護期間が終了している」など様々な意味があります。
規約がない、不明な場合は利用を避ける
フリーアイコンを配布しているサイトに明確な規約がなかったり、不明であったりする場合は利用を避けた方が良いでしょう。
もしそのサイトが著作権を侵害していた場合、著作権保有者から責められるのは利用者です。明確な利用規約があるかどうかは、そのサイトが信頼に足るサイトかどうかを判断する材料にもなるのです。
勝手に改変しない
フリーアイコンは自由な利用を許可していますが、改変までは許可していないことも多々あります。また、『文字を入れる程度ならOKだが、拡大や縮小はNG』のように限られた範囲で改変が許されている場合もあります。
この点に関しても、利用契約を隅々までチェックして改変が許可されているかどうかを確認しましょう。改変が許可されていたとしても、どこまでの改変が許可されているのかも確認し、勝手に規約範囲外の改変はしないようにしましょう。
利用前に知っておきたいアイコンの著作権
ネットで配布されているアイコンは他人が製作したものなので、著作権は製作者本人にあります。たとえそれがフリーアイコンであっても同じことです。ここではフリーアイコンを利用する前に知っておくべき著作権について詳しく解説します。
著作権とは?
著作権は著作物を想像した人に発生する権利で、著作権と同時に著作人格権も与えられます。
著作権の定義は、著作権法において『思想又は感情を創作的に表現したものであって、文学、学術、美術又は音楽の範囲に属する』と、著作物に発生する知的財産権と著作権について明確に定められています。
簡潔にいうと、『オリジナルの創作物を創造した人に与えられる権利』ということになります。
著作権フリーは著作権放棄ではない
著作権フリーと聞くと、著作権が放棄されたものであると勘違いしている人も多いかと思います。そのため、著作権フリーならどのように使用しても大丈夫だと認識している人も多いはずです。
実際はそうではなく、著作権フリーの記述があるアイコンも著作権は著作者にあります。もし著作者の意向を無視するような使い方をすれば、最悪の場合コンテンツ自体が削除されることもあります。
このことを理解していないと、著作権フリーのアイコンを利用しているのになぜ削除されたのか、と困惑することでしょう。著作権フリーのアイコンを探している時点で法律を守ろうとしている姿勢があるはずですが、知識不足がゆえに意図せずルール違反を起こしてしまうのは悲しいことです。きちんと使用前に提供者のルールを確認しておきましょう。
出典:「フリー素材(著作権フリーの著作物)」利用上の注意点は? | ビジネス著作権検定の取得なら「みんなの著検」
私用か商用かも重要なポイント
著作権フリーアイコンを使用した際に問題となる事例は多岐に渡りますが、よくあるのが『商用不可のアイコンを商用で使ってしまった』という事例です。商用不可とは営利目的での使用はできないということなので、私的利用の範囲に制限されます。
そのほかにも『成人向けコンテンツへの利用禁止』や『特定の個人、団体への誹謗中傷目的への使用禁止』などのルールがあります。前者は暴力的・性的な内容を含んだコンテンツ内で利用することを禁止しており、後者は政党や芸能人などの個人や団体を誹謗中傷するために作られたコンテンツ内で使用することを禁止しています。
素材提供者によってルールは異なるので、どのようなルールを設定しているのか、そしてそれはどういう意味なのかを理解した上でルールの範囲内での使用を徹底しましょう。
ビジネスでフリーアイコンを利用したい
ビジネスで著作権フリーアイコンを利用したいときに押さえておきたいポイントを解説します。著作権や利用条件の範囲外でアイコンを利用してしまうと、事業の信頼低下にも繋がります。
個人での使用の際も気をつけるべきですが、ビジネス目的の場合はより一層シビアに規約などを確認しておきましょう。
商用利用が可能かを確認
ビジネスの場合はお金が絡んでくるので、商用利用が可能かどうかは真っ先に確認しましょう。
そもそも商用利用とは『利益を得る目的で利用すること』を指しますが、どこまでを商用利用とみなすかは素材提供者によって異なります。例えば『アフィリエイトリンクを掲載しているサイトに使った時点でNG』という場合もあれば、『アイコンを有料で販売しなければOK』といった緩い場合もあります。
そのため、一概に商用利用不可だからビジネス関連で一切使用できないと結論づけることはできません。もちろん商用利用が可能のアイコンを選ぶのが安全ですが、どうしても利用したいアイコンが商用利用不可の場合は利用条件をチェックし、利用が制限されている範囲を確かめておきましょう。
利用条件をチェック
商用利用可能や加工OKと表記されている場合でも、細かいルールは利用条件に記載されているので利用前にくまなくチェックしておきましょう。
また、アイコンを利用する際のジャンルについても制限がある場合があります。成人向けコンテンツや宗教などのコンテンツに制限がかかるのは想像しやすいかと思いますが、探偵や婚活関連のコンテンツも制限されていることがあり、見逃さないように注意しましょう。
著作権フリーのアイコンを利用する際に発生する問題は基本的にすべて自己責任なので、面倒臭がらずに読んでおきましょう。
クレジットの掲出や登録などが必要なことも
商用利用や加工OKと記載されていても、クレジット表記やバックリンクの設置が必要な場合があります。こちらに関しても利用規約に書いてあるはずなのでチェックしてみましょう。
クレジット表記が必要なアイコンを利用するとコンテンツ内に内容とは無関係な文字が並ぶことになるので、ごちゃごちゃした印象になってしまうことがあります。それを避けたい場合は、クレジット表記が不要なアイコンもたくさんあるので、そちらを利用するようにしましょう。
利用規約にクレジット表記や登録について明確に記載されていない場合、『記載されていないならクレジット表記なしで大丈夫だろう』と判断するか『クレジット表記不要と記載されていないなら利用しないでおこう』と考えるかは利用者の判断に委ねられます。
しっかりと利用規約を読み込んだ上で、自己責任で利用するようにしましょう。
フリーアイコンの利用方法
アイコンをダウロードするときに、画像のフォーマットを気にしている人は少ないのではないでしょうか。ここを疎かにするとアイコンの文字が読みにくくなったり、わかりにくくなったりします。そういった注意点も踏まえて、フリーアイコンを実際に利用する際の流れをご紹介します。
アイコンを提供しているサイトの説明を確認
基本的なダウンロードの流れとしては、以下のようになります。
- 利用したいアイコン素材を探す
- 利用条件などを確認の上、ダウンロードするかどうかを決める
- 素材の形式(JPGやPNGなど)を指定する
- サイトのルールに従ってダウンロードする
アイコンを提供しているサイトには、素材の使用方法や種類、ダウンロード度の仕方まで詳しく説明していることがあります。これらを一通り確認すればダウンロードの手順は把握できるでしょう。
サイトによってダウンロードの方法に多少の違いがあるので、初めて利用するサイトの場合はしっかりと説明を読んでおきましょう。
利用するアイコンをダウンロード
アイコン素材をダウンロードする方法は、サイトにもよりますが複数あります。例えば1つの素材の形式を指定してダウンロードしたり、素材を一括でダウンロードしたりできます。もしくは素材をいくつか組み合わせて、WEB用の1枚の画像としてダウンロードすることができる場合もあります。
サイトによっては見本となるCSSやHTMLを表示してくれる場合もあるので、必要に応じてチェックしてみましょう。
画像のフォーマットに注意
アイコン素材をダウンロードするときに気をつけたいのが、画像のフォーマットです。フォーマットとは形式のことで、代表的なものにはJPG・PNG・GIFなどがあります。これらの形式にはそれぞれ異なった特徴があるので、目的や用途によって使い分けることが大切です。
例えば、Twitterのプロフィールのアイコン画像として利用したい場合は、アイコン素材をPNG形式でダウンロードするのが良いでしょう。Twitterではアイコンが表示されるサイズが大きかったり小さかったりするので、画質の劣化が少ないPNGが適しているのです。
このように、利用する目的や用途によって画像のフォーマットを変えることで、アイコン素材を最適な形で活かすことができるのです。
オススメのフリーアイコンサイト
フリーアイコンを提供しているサイトは非常に多いので、どれが良いか迷ってしまいますよね。いくつかオススメのサイトを紹介しますので、気になったサイトがあればアイコンをダウンロードしてみてください。
男の子や女の子など人のアイコン
『ICON HOIHOI』は、商用利用可能なアイコン・イラスト素材をたくさん提供しているサイトです。男の子や女の子など人のアイコンが豊富でデザインもシンプルなので、あらゆるコンテンツのジャンルに使えます。
サイトも見やすくシンプルで、サイドバーにあるカテゴリ一覧からアイコンの色合いや種類(人物、スポーツなど)を指定することで、簡単に目的のアイコンにたどり着くことができます。
そのまま利用することはもちろん、加工もOKなのが嬉しいポイントです。また、バックリンクも不要でアイコンを使用するコンテンツのジャンルも不問なので、非常に自由度が高いです。二次配布も許可されています。
- ICON HOIHOI
- 公式HP
かわいい、おしゃれなアイコン
『FLAT ICON DESIGN-フラットアイコンデザイン-』は、カラフルでポップなアイコンが多数あります。どのデザインも非常にかわいらしくおしゃれなので、そういった系統のコンテンツであれば非常に合うでしょう。
ここで紹介されているアイコンは、クレジットの表記や報告なしに利用することができます。しかし、アイコンの再配布や販売するなどの行為は禁止されているので注意しましょう。
チラシやWEBデザイン、アプリなどに利用して、コンテンツの良さを引き出しましょう。
- FLAT ICON DESIGN-フラットアイコンデザイン-
- 公式HP
シンプルなアイコン
『ICOOON MONO』で提供されているアイコンはすべて白黒で、非常にシンプルなデザインなので使い勝手が良いです。
禁止事項を遵守すれば加工もOKで、クレジット表記も不要です。数が多いので、あらゆるサイトのジャンルに合ったアイコンを見つけることができるでしょう。
カテゴリ一覧からジャンルを指定することができるので、目的のアイコンを速やかに探すことができます。
- ICOOON MONO
- 公式HP
自分でアイコンを作る方法
ここまで著作権フリーのアイコンについて解説してきましたが、著作権に対して煩わしさを感じる人や、好みのアイコンが見つけられない場合は自分でアイコンを作るという手もあります。
アイコン作成ソフトを活用
ネット上には無料で使えるアイコン作成ソフトがあります。これを利用すれば、難しい専門知識などがなくてもアイコン作成が可能です。
当然ですが、このソフトで作成したアイコンの著作権は作成者であるあなたにあります。そのため著作権違反の心配をせずに自由にアイコンを使うことができます。
無料とはいえ、自由度が高く理想的なアイコンが作りやすいものが多いので、ぜひ活用してみてください。
手持ちの画像を加工する
手持ちの画像の中に著作権を侵害しないものがあれば、それを素材として加工したものをアイコンとしても良いでしょう。
そこに人の顔やアニメキャラクターなど、著作権もしくは肖像権を侵害する要素がないかどうかは入念に確認しておきましょう。
スマートフォンには画像をおしゃれに加工できる便利なアプリがたくさんあるので、そちらを使用しても良いでしょう。専門知識のない素人でも、プロのような素敵なアイコンを作ることができる場合もあります。
人の絵や写真の利用はNG
アイコンを作成する上での禁止事項がいくつかあります。
まず、芸能人の写真を使用すると著作権や肖像権の侵害になる場合があるので気をつけましょう。また、アニメキャラクターをそのまま使ったり、少し加工した使ったりすることも著作権の侵害になります。ただし、アニメのキャラクターを使って二次創作物を作った場合は、二次著作物となります。この場合もし著作者の許可があれば、二次創作者にも著作権が与えられます。
アイコンを作成するときは、誰の真似でもない完全なオリジナルであることが理想です。そうでないと著作権に引っかかる可能性がでてきてしまうからです。著作権は著作者の訴えがないと罪にならないのでバレなければいいと考える人もいますが、非常にリスクの大きい行為です。著作権法に触れないように最新の注意を払った上で合うコンを作成しましょう。
まとめ
著作権フリーのアイコンは『どのように使っても自由』というイメージがありますが、実はいろいろなルールが存在しています。著作権フリーではないアイコンよりは遥かに自由度が高いので、便利なことに変わりはありません。
最低限のルールを守った上で、安全にアイコン素材を活用しましょう。もしルールを守ることに煩わしさを感じるのであれば、自分でアイコンを作ってしまいましょう。