SEが独立してフリーランスになると
会社で多くのプロジェクトをこなして自分のスキルが上がってくると、独立を考える人も少なくないでしょう。しかし、独立となると収入面が心配です。独立することで得られるメリットはどんなことがあるのでしょうか。
フリーランスSEの年収
フリーランスとして働くSEの月収は約50~90万円といわれています。単純に年収にすると600~1080万円です。一般的な30代の平均給与は35万円前後とされていて、ボーナスが80万円×2回だとすると年収は580万円程度と考えられます。
スキルや仕事量によって上下しますが、会社員として働くSEよりもフリーランスのSEの方が高収入を得られると考えてよいでしょう。
メリットとデメリット
独立の最大のメリットは『自由』が得られることでしょう。SEが独立する場合、クライアントのオフィスで働く常駐SE以外は、ほとんどが在宅で仕事をすることになります。
そのため、起きる時間も休憩時間も自分のペースで決められるのです。通勤に時間を取られることもありません。子育てと両立することも可能でしょう。また、自分の関わる案件を選べるというメリットも考えられます。
ただし、会社では働く時間が決まっているため無理にでも作業しなければいけませんが、在宅SEであれば自己管理が重要になってきます。また、SE業務以外のことも全て自分でこなす必要があるでしょう。
独立に必要なスキル
独立するには、SEとしてのスキルだけではなく幅広いスキルが必要とされます。これは、SEであるなしに関わらず、独立開業するすべての人に当てはまるでしょう。
コミュニケーション能力
会社員として働いているならば、プロジェクトへの興味の有無はあっても、やるべきことはSEとしての仕事がほとんどでしょう。しかし、独立していればクアイアントとの交渉や打ち合わせも自分1人で行う必要があります。
また、トラブルが発生したときには迅速に報告・連絡・相談を行い、平常時にも定期的に進捗状況を報告するなど、クライアントと話す機会はたくさんあるはずです。
こうした点から見ると「コミュニケーションが苦手だから独立する」という理由では、独立に向かないといえます。苦手ならば、より積極的に他人とコミュニケーションを取る練習をしましょう。円滑な人間関係こそが継続して仕事を得る秘訣です。
納期を守る自己管理能力
在宅で仕事をするとなると、プライベートと仕事を分けることが難しくなります。家にいれば、仕事以外にもやる事・やりたい事がいろいろ目に入ってしまうものです。
「いまいちモチベーションが上がらないから気分転換する」といった時間の使い方ができるのがフリーランスSEとして働く魅力の一つではありますが、ときには自分で自分のやる気を上げる必要があります。
納期に間に合わせることのできないSEに、2度目のチャンスが巡ってくることはほぼないでしょう。会社とは違いガントチャートも進捗会議もありません。自分で細かくスケジュール管理する能力は欠かせないでしょう。
必要な資料を作成するスキル
独立するとなれば、SEとしての実務以外の作業もこなさなければいけません。たとえば見積書や調査報告などでWord・Excel・PowerPointといったオフィス系のソフトでの資料作成が必要になるでしょう。または、フォーマットは用意されているものの、一部変更しなければならない場面に遭遇することもあります。もし、資料作成スキルが乏しいと感じているならば、独立前に身に付ける必要があるでしょう。
独立で失敗しないためには
独立した人のなかには成功者もいれば失敗した人もいます。想定していた収入を得られずに失敗する原因は、独立前にどれだけ自己分析ができているかどうかにかかっているでしょう。
向上心を持ち続ける
IT業界の進化は日進月歩です。現在は最新といわれている情報があっという間に古い情報になってしまうため、日々の情報収集と新しいスキルを身に付ける向上心が欠かせません。
会社にいれば新しい情報が入り次第、研修が組まれることもあるでしょう。しかし、独立するのであれば、自分で動かなければ知識が増えることはないのです。
フリーランスSE向けに開催されるセミナーや懇親会を利用し、常に最新の情報を得られるようにしておきましょう。
自分だけの売りを明確にする
SEとしてのスキルは幅広くありますが、人にはそれぞれ『得意分野』があるはずです。もしなければ得意分野を作りましょう。この自分だけの得意分野、『パーソナルスキル』を売りにするのです。
会社の名前がなくても「この人に任せたい」と思わせる魅力があれば、仕事が途切れることはないでしょう。自分ではよく分からなければ、キャリアコンサルタントに相談してみるのもよい方法です。
技術以外の知識も身につける
SEとしての経験を多く積み、得意とする分野もしっかりアピールできたとしても、「技術以外はさっぱりだ」では上手くいかないでしょう。
先述したコミュニケーションスキルや自己管理スキルに加え、『営業力』や『交渉力』が必要です。技術の他にも集客や自己アピールができるようになれば、顧客もどんどん増えていくでしょう。
まとめ
SEとして独立すると、自由というメリットが手に入る反面、すべての業務を自分で行わなければなりません。そのためには、SEとしてのスキル以外にも数々のスキルが必要となるでしょう。
向上心を持ち、常に勉強する姿勢を忘れなければ、仕事も増えて高収入を得られます。まずは独立前に自分に足りないところがないかチェックしてみるとよいでしょう。