フリーランスエンジニアの収入状況
業界全体でエンジニアが不足する中、フリーランスとして活躍するエンジニアも増えてきました。すでに独立して個人で活動しているエンジニアはもちろん、将来的にフリーランスとして活動することを見据えている人も多いのではないでしょうか?
まずは、フリーランスエンジニアの収入状況を確認しましょう。
平均月収はいくら?
フリーランスとして活動しているエンジニアの平均月収は、60万~80万円です。これはあくまでも全体の平均ですが、専門知識を活用して仕事をするエンジニアは、副業でできる他の仕事に比べて月収が高めの傾向があります。
会社員として働くエンジニアに比べて、フリーランスの方が稼げないということはありません。むしろ獲得できる案件の種類によっては、フリーランスの方が柔軟に働ける分だけ高収入になる場合もあります。
働き方や案件単価で収入は変わる
エンジニアに限らず、フリーランスとして活動している人は働き方や案件単価によって、収入が大きく変わります。経験豊富で実績の多いエンジニアの場合、会社員以上の収入を得ている人も少なくありません。
事実、年収1000万円を超えるエンジニアの多くが、フリーランスとして活動しています。しかし経験の浅いエンジニアだと高単価の案件がなかなか獲得できないため、収入が低めになる傾向です。
フリーランスとして安定した生活を送るためには、まず副業として案件をこなしながらスキルレベルを上げるのがおすすめです。高単価の案件を獲得できるようになってから、独立を考えるとよいでしょう。
フリーランスエンジニアの案件単価は?
案件の単価は使用するプログラミング言語や、エンジニア自身の実績、経験年数などによって異なります。自身のスキルや経験と照らし合わせて、どの程度の報酬が得られるのか考えてみましょう。
言語による単価の違い
エンジニアの収入はスキルレベルに大きく依存する上、使用する言語によっても違いが現れます。プログラミング言語による単価(月)の違いを見てみましょう。
- Python:約77万円
- Java:約70万円
- Ruby:約80万円
- Go言語:約82万円
- C言語:約68万円
- C#:約69万円
- PHP:約72万円
- JavaScript:約72万円
数ある言語の中でも、Googleが開発した Go言語・主にWebアプリケーションの開発に使われているRubyは単価の高さが際立ちます。AI(人工知能)の開発に使われるPythonをはじめ、汎用性の高い言語も高い報酬を得られることが分かるでしょう。
経験年数による単価の違い
エンジニア自身の経験年数によっても、月の単価は変わります。一例として、近年注目されているPythonを使って、フリーランスで活躍したい場合を見てみましょう。
- 経験年数1年未満:約25万~30万円
- 経験年数1年程度:約30万~40万円
- 経験年数2年程度:約40万~50万円
- 経験年数3年以上:約50万~60万円
- 経験年数5年以上:約60万~80万円
ただ、紹介した金額はあくまでも全体の平均であり、企業や具体的な業務内容によって金額が大きく変わる点には注意が必要です。週に何日働くかによっても、当然ながら月の報酬は変わります。
自身の経験年数と案件の詳細・働き方といった多角的な要素から、得られる報酬を考える必要があります。
案件の単価を上げる方法
安定した収入を得るために、エンジニアが案件の単価を上げる方法も知っておきましょう。基本的には経験年数とスキルレベルで単価が決まりますが、工夫次第で収入を伸ばすことも可能です。
担当できる領域を広げる
1人で担当できる業務領域を広げるのが、単価アップのポイントです。単独のプログラミング言語しか使用できないよりも、複数の言語を案件で使い分けられるエンジニアの方が収入は高くなります。
開発プロジェクトによっては複数の言語を使用しなければならないケースもあるため、さまざまな状況に対応できるエンジニアなら依頼される案件数も多くなるでしょう。
さらに、経験の豊富なエンジニアは開発の上流工程に関われる可能性が高くなるので、報酬も高額になります。
フリーランスエージェントを活用する
フリーランス向けのエージェントを使えば、自分の経験やスキルレベルに合った仕事を紹介してもらえます。自分で仕事を探すよりも広く案件を選べるので、より高い単価の案件を獲得できる可能性が高まります。
エージェントの利用には手数料がかかりますが、営業経験のないエンジニアの場合はエージェントに紹介してもらった方がスムーズに案件を獲得できるでしょう。
営業活動だけでなく契約に関する手続きも代行してもらえるので、手数料の分を考えても決して損にはなりません。
クライアントと単価の交渉をする
自ら営業活動ができるエンジニアなら、クライアントと単価の交渉をすることにより収入を上げられます。新たにスキルアップをした、単純に仕事の量が増えたという場合には、クライアントの担当者に単価の値上げを打診しましょう。
案件の継続を依頼された際も、単価交渉のチャンスです。うまく交渉できれば、それまでの業務内容を変えずに収入アップを実現できる可能性があります。
単価交渉をする際のポイント
やみくもに値上げしてほしい旨を伝えるだけでは、単価の交渉はうまく進みません。まずは、自分の仕事が単価のアップに見合うのか考えてみましょう。単価交渉を成功させるポイントとして、どのようなものがあるでしょうか?
クライアントの信頼を高める
大前提として、値上げ交渉に応じてもらうには、クライアントとの間に信頼関係がなければいけません。信頼を得るために、まずは仕事を通じて十分な価値をクライアントに提供しておくことが重要です。
クライアントから指示された仕事が十分にできていない段階では、当然ながら単価アップの交渉は難しいでしょう。納期遅れやミスなく仕事を終えられるようになって初めて、交渉の余地が生まれます。
契約の更新や期間を延長しての再契約・スキルアップのタイミングで交渉ができるよう、常に目の前の業務を問題なく完遂させることが大事です。
単価以上の成果を上げておく
単価交渉の成功率を上げるには、それまでの単価以上の成果を上げておく必要もあります。クライアントに単価よりも高い価値を感じてもらえなければ、そのままの報酬で問題ないと思われてしまうでしょう。
クライアントの期待値を超える成果を生み出していれば、単価アップの交渉がしやすくなります。
仕事でより高い価値を生み出すには、新たな技術を学ぶといったスキルアップがおすすめです。対応できる作業が増えれば、クライアントも報酬アップを考えやすくなります。
業務効率の向上が期待できるスキルや、新しい技術を学んだタイミングで交渉を試みるのも効果的でしょう。エンジニアとしての強みを伸ばすことで、単価交渉だけでなく、より報酬の高い仕事が見つかる可能性が高まります。
交渉の材料をそろえておく
単価アップの交渉をする上では、交渉の材料をしっかりそろえておくことも重要です。なぜ報酬を上げてほしいのか、クライアントが納得できる理由を説明できなければいけません。
仕事を依頼する側の立場で考えれば、安く質の高い仕事をしてもらえる方が助かります。しかし、普通の人よりもスピーディーに多くの仕事をこなしてくれる人から単価アップの交渉を持ちかけられれば、応じるケースが大半でしょう。
問題なくこなせる仕事量が多く、クライアントへの貢献度が高い点や、作業時間に対して報酬が安い点、そのままでは仕事の継続が難しいといった根拠を具体的に伝えてみましょう。
また、締め切りまでの納期が短い場合に特急料金を請求するのは、明確な根拠がある要求です。何を理由とするにしても、相手に根拠が伝わるように話すのがポイントです。
大きな案件が完了した後をはじめ、クライアントが成果に満足しているであろうタイミングで交渉を持ちかけると、要求に応じてもらいやすくなります。
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まとめ
フリーランスエンジニアの平均月収は、約60万~80万円と高めです。ただし、十分な経験やスキルがなければ、高単価の案件を請けることはできません。
単価を上げるためには、上流工程を担当できるようにしたり、単価交渉をしたりする方法が有効です。単価交渉をする際には、目の前の案件で着実に結果を出してクライアントの信頼を高め、交渉の材料を用意しておくと効果が高まります。
交渉のタイミングを見極めることも大事です。自身の価値を最大限に高め、納得のできる単価で仕事を請けましょう。