ITエンジニアの仕事とは
ITエンジニアとは、IT業界で働く技術者のことを指します。IT業界では日々新たなサービスが産み出されています。多くのITエンジニアたちによって、システムやアプリケーションの開発が行われています。
IT業界といってもその幅は広く、WEBサービスや通信サービス、情報処理サービスやAI開発業界など多岐にわたります。いずれのカテゴリーでも、優秀なITエンジニアが常時必要とされているのです。
ITエンジニアの種類
ITエンジニアは、プログラマー、システムエンジニア(SE)、サーバーエンジニア、ネットワークエンジニアなど細かく分類されていて、仕事の内容がそれぞれ異なります。ITエンジニアとして、システム開発に関する技術的な知識は必要ですが、それだけでは足りず、それぞれの仕事の特性に応じて、求められるスキルも多様です。
それらのITエンジニアたちが、個々の領域をカバーしながら仕事を進めることで便利なサービスが誕生し、世の中に提供されています。
未経験からITエンジニアになれる?
慢性的な人材不足が続くITエンジニア業界では、未経験からITエンジニアになった事例がたくさんあります。もちろんITエンジニアとして活躍するためには一定の専門知識やスキルを身につける必要があります。
スクールや学習サイトなど、スキルを学べる環境が整っているので、努力次第で未経験者でもITエンジニアになれる可能性は十分あるのです。
ITエンジニアの将来性は?
現在はITエンジニアの人手が不足していると言われていますが、人材が足りない状況が一過性のものなのか、それとも将来も続いていくものなのか、きちんと見極める必要があります。
さらに、たとえIT市場は成長しているとしても、ITエンジニアの労働環境が良くなければ将来性は見込めません。ここではITエンジニアの将来性を細かな観点から具体的に説明していきます。
売り手市場が続いている
日本国内の労働市場は現在『売り手市場』つまり人手不足と言われています。IT業界におけるエンジニアについても、人手不足は続くと言われています。
2016年の時点でのITエンジニアの人口は約90万人ですが、2020年には約37万人のエンジニアが不足することが予想されているのです。
出典:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果|経済産業省
今後は人口減少が進み、労働人口も減少する一方で、IT需要は拡大すると予想されています。そのため、ますますITエンジニアの人材不足は深刻化するとされているのです。
IT市場は拡大中。今後もニーズは高い
IT技術は日進月歩で、市場は拡大を続けています。具体的なIT技術としてAI(人工知能)技術、仮想通貨におけるブロックチェーン技術や、ゲームに使われているVR(仮想現実)やAR(拡張現実)の技術などがあります。
このようにIT市場では多くの技術開発が進んでいて、ITエンジニアのニーズも高いのです。
労働時間が長いなど課題も
売り手市場が続くITエンジニアですが、過重労働や長時間労働などの厳しい労働環境が問題になっています。人材が不足している企業では必然的に負担が増え、労働時間が長くなりやすいのです。
さらに現場をうまくマネジメントする人材も不足しています。多くの仕事を抱えているにもかかわらず、うまく管理できず、結果としてエンジニアの労働時間が長くなっている現状もあるようです。
ITエンジニアに必要なスキルは?
需要が高く将来性もあるITエンジニアの仕事ですが、活躍するために必要なスキルはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、以下3つに分けて、ITエンジニアに必要なスキルを解説します。
- プログラミングスキル
- ドキュメント作成スキル
- コミュニケーション能力
1つずつ詳しく解説しますね。
プログラミングスキル
新しいWEBアプリケーションなどを開発する際、ITエンジニアはプログラムを組みます。プログラミングスキルは重要なので、できる限り多くのコードを実際に書き、プログラミングに関する能力を伸ばすことが重要です。
プログラミング作業に携わる際には論理的な思考力が求められます。日頃から何事も論理的に考える習慣をつけて、プログラミングの際に活かしてみるなどの努力も必要でしょう。
ドキュメント作成スキル
ITエンジニアの仕事にはコードを書くことだけでなく、ドキュメントを作成することも含まれます。ドキュメントとは要件定義書や設計書、システムの開発スケジュールなどを書いた工程表、クライアントに対する提案書などがあります。
ドキュメントの作成が苦手なITエンジニアが多いようですが、多くの人が関わる開発作業を円滑に進めるために、分かりやすいドキュメントの存在が欠かせません。
ドキュメント作成は、優秀なITエンジニアとして身につけるべき重要なスキルの一つと言えるでしょう。
コミュニケーション能力
ITエンジニアはパソコンに向かって1人で作業をする時間が多い仕事ですが、コミュニケーション能力も必要です。
具体的なコミュニケーション能力として、分からない箇所をきちんと質問できる能力や、同じプロジェクトを進めている仲間に相談する能力、自分の考えを正確に伝える伝達力などがあります。
円滑に仕事を進めるために、同じプロジェクトに取り組む仲間の意思疎通は欠かせません。タスクの進捗状況を報告し、疑問点があればその都度質問するなど、ITエンジニアは他の仕事と同じように一定のコミュニケーション能力が必要とされるのです。
スキルアップの方法
日々発展するITの現場においてITエンジニアは、新たな技術について常に把握している必要があります。そのためには常に学び続けることが大切です。しかし、独学で学びを深めることには限界があります。
最新の技術を効率的に学び、スキルアップするためには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、スキルアップの手段についていくつか紹介します。
トレンドを把握し情報収集する
IT業界では新しい技術やサービスが日々生み出されていますが、同時に古い技術などはすぐに廃れて使えなくなります。めまぐるしい速度でトレンドが変わるので、常に情報収集をする必要があります。
インターネットや書籍、人脈などを利用してサービスやプログラミングのトレンドを把握し続けることが、スキルアップにつながるのです。
勉強会に参加する
社内の部署や会社外でのサークル、コミュニティーなどで頻繁に勉強会が開催されています。勉強会の中には無料で参加できるものもあるので、気になるテーマを取り扱った勉強会があれば積極的に参加するようにしましょう。
新しい情報やサービスに触れることでスキルアップにつながり、良質な仲間を得るための良い機会にもなり得ます。
英語力を高める
最新の情報は、海外から発信されることが多い傾向にあります。日本と比較して市場規模が大きい海外では、有益な情報がたくさん存在しているのです。
英語を理解できれば、それらの良質な情報をキャッチして知識を深めることが可能です。ITエンジニアとしてのスキルを磨くために、英語力を高めることをおすすめします。
年収相場と報酬アップの方法
ITエンジニアになりたいと考えている人にとって、平均年収は気になるところです。平均年収はその働き方によっても異なります。ここではITエンジニアの年収の相場や、収入アップにつながる方法について、確認しましょう。
年収相場
年齢層にもよりますが、ITエンジニアの年収の相場は約500万円です。所属する会社や業種によって給与は大きく異なり、フリーランスとして起業している人の中には年収1000万円以上の人もいるので一概には言えません。
しかし給与所得者の平均年収が432万円であることと比較すると、ITエンジニアの年収は、一般的な相場よりも高いことが分かります。
転職で年収アップを狙う
ITエンジニアは多くの企業で求められています。他の職種と比較すると、転職してより年収の高い会社へ入りやすいと言えます。会社によっては中途社員の給与の上昇事例を具体的に開示している場合もあるので、それらを参考にするとよいでしょう。
また、転職市場においては年明けの1月から探し始めるエンジニアが多く、1年のうち12月は求人への応募が比較的少ないことから企業の目に留まりやすい時期だと言えます。少しでも条件の良い会社に就職して年収アップを狙うために、他の人の動きが少ない12月から転職活動を始めるのも一つの手です。
フリーランスになる
会社員として働くのではなく、フリーランスとして活動して年収を上げる方法もあります。高いスキルを持っていれば評価されやすく、高い報酬を得る可能性が広がります。
フリーランスは毎月給料が振り込まれるわけではないので、収入が安定しないというデメリットはあります。逆に言うと、フリーランスの収入には上限が存在しないので、大幅な年収アップを狙うのであれば、フリーランスになることを選択肢に加えてもよいでしょう。
まとめ
テクノロジーの発達により、さまざまな業界がITエンジニアの人材不足に陥ることが懸念されています。高いスキルを身につけたエンジニアであれば、良い条件で仕事を見つけることが可能ですが、常に能力を磨く必要があるでしょう。
時代の流れについていけないエンジニアは、希望の仕事に就くことができず、仕事を失う可能性も否定できません。ITエンジニアとして活躍し続けるためには、常にスキルアップを心がけ、謙虚に学び続けることが大切です。
トレンドやテクノロジーの変化をきちんと認識し、今何が必要とされているのかを分析して行動に移せるITエンジニアが、今後は生き残っていくことでしょう。