フロントエンジニアについて知ろう
フロントエンドエンジニアとは一体どういう職種なのでしょうか? Webコンテンツ製作のキーマンになる人材について理解を深めてみましょう。
フロントエンジニアの基本情報
『フロントエンドエンジニア』はコンテンツのフロントエンド側の設計・構築・カスタマイズを行う職種です。英語で書くとフロントエンドはFront-endで「前工程」という意味です。これに対しバックエンドはBack-endと書き「後工程」という意味になります。
ソフトウェア設計においては、「ユーザーから見た前工程」にあたる入力に関わるソフトウェアシステムの部分をフロントエンド、フロントエンドへの出力を生成する部分をバックエンドと呼びます。
ここでのUIとは、例えば、カーソルを動かす際に使用するコンピュータマウスといった、人間と機械がやり取りをする多くのもの指すものです。
Webコンテンツにおけるフロントエンド・バックエンドは、ユーザーから見える部分(表側)・見えない部分(裏側)で区別すると考えると良いでしょう。
フロントエンドとは
Webコンテンツにおける「フロントエンド」はUIを含めたWebコンテンツの見た目と挙動に関する部分を指します。
フロントエンドエンジニアの使用言語はHTML ・CSS・JavaSctiptなどで、ウェブサイトの見やすさ・ユーザビリティ・保守性に優れた設計・構築・カスタマイズを行うことが仕事です。
また『マークアップ(装飾)エンジニア』という表現で特にUIに関わるエンジニアを指す場合もあります。
バックエンドとは
Webコンテンツにおけるバックエンドはサーバーやデータベースでのデータ保存・処理を指します。
『バックエンドエンジニア』という語は主にWebコンテンツの製作・運用に携わるバックエンド側のエンジニアの意味です。この場合、環境によって使用言語はさまざまで、フロントエンドの仕事も兼任する場合もあります。
また類似語に『サーバーサイドエンジニア』があります。サーバーの運用・保守に関わる点では同じですが、こちらはWebコンテンツ以外のサーバーに関わるエンジニアを指すという便宜上の区別があるのです。
フロントエンジニアの仕事内容を理解しよう
ここまではフロントエンド・バックエンドの違いを簡単に見てきました。次にフロントエンドエンジニアの仕事内容を詳細に見ていきましょう。
システム構築
フロントエンドエンジニアの主な仕事はまずJavaScriptやPHPを用いた動的Webコンテンツの『システム構築』です。Webコンテンツの骨格になる設計・構築・コーディングを行うため非常に重要なプロセスです。
コンテンツが実際に運用される際にはアクセス遅延などで顧客を逃す場合もありますので、サーバーサイドとの連携を前提として、バックエンドの知識も備えておくと良いでしょう。
またWordPressなどの『CMS(コンテンツマネジメントシステム)』を用いてチームでWebコンテンツの製作を進める基盤作りとその運用も担当するケースがあります。
HTML、CSSのコーディング
HTMLやCSSを用いてWebコンテンツのデザイン定義やUI装飾を行うこともフロントエンドエンジニアが担う領域です。
実際の仕事現場ではWebデザイナーと連携しながら、ページデザインやカスケード構造の体裁を調整していくこともあると考えておくと良いでしょう。
Webデザイナーとのデータのやり取りで画像ファイルを扱い、軽微な修正ならエンジニアに任せられるというケースも想定されますので、PhotoshopやIllustratorなどのデザインツールのスキルもあると安心です。
またこの装飾に特化したエンジニアを「マークアップエンジニア」と呼ぶことがあり、職場によってはフロントエンドエンジニアと仕事の範囲が区分されているケースもあります。
今後需要が増す職種
スマートフォン利用が主流になっていることもあり、Webアクセスに関する利用統計を見ても、モバイル端末からのアクセスは増加傾向にあります。
このため、Webコンテンツ製作の現場では、モバイル端末でも見やすい動的コンテンツを製作するJavaScriptのスキルを持ったフロントエンドエンジニアが求められているのです。
さらに言えば携わるWebコンテンツがPCサイトを持っているがモバイルサイトを持っていない、というケースもあります。
この場合モバイル端末でPCサイトにアクセスすると非常に見辛く顧客を逃すため、モバイルサイトの立ち上げをゼロから担う場合もあるようです。モバイルサイトに強いフロントエンドエンジニアは需要が高いと言えるでしょう。
フロントエンジニアに必要な知識とスキル
フロントエンドエンジニアの仕事内容を見てきましたが、では次に仕事上求められるスキルを確認しておきましょう。
HTML、CSS、JavaScriptの知識
まず重要なのは言語とコーディングに関する知識・スキルです。
それぞれの言語で実現可能・不可能なこと、得意・不得意なことがあります。それぞれの言語の特性を理解して、適切な設計と実装計画を立てられるようになりましょう。また実務経験がなくても実際にコーディングの練習をしておくことも重要です。
WEBでザイン
またWebデザインに関する知識も重要です。
新規コンテンツではフロントエンドエンジニアがデザインも含めてプロトタイプを製作するケースが考えられます。
また既存コンテンツのブラッシュアップにはWebデザイナーと連携することが一般的で、職場によってはエンジニアがデザイナーを兼任することもあります。UIに関わる以上はデザインの知識も必要という意識を持っておきましょう。
コミュニケーションスキル
フロントエンドエンジニアはバックエンドエンジニア・ディレクター・Webデザイナーなどとやり取りを行いながらコンテンツ製作に従事することになります。
チームワークを行う上ではコミュニケーションスキルが重要になりますので、要求の理解や問題提起や提案を苦にせず連携していきましょう。
フロントエンジニアの年収
ではフロントエンドエンジニアは実際どれくらい稼げる職種なのでしょうか。
企業で勤めると平均は450万円
Web求人の報酬提示の幅でいうと400〜600万円ほどが相場と言えそうです。
未経験可の仕事ではこれを下回る金額の場合もありますが、企業によっては経験により1000万円を超える報酬を提示しているケースもあります。
若手でも大手企業では高収入が狙える職種と言えるのではないでしょうか。
フリーランスとして働く場合
フリーランスとして働く場合は週3・4日勤務で月30〜50万という働き方や、1件あたり20〜30万円という案件もあります。案件によっては1件100万円を超えることもありますので、スキルに自信があれば挑戦してみるのも良いのではないでしょうか。
またリモートワーク可の仕事もあり、自由時間を増やしつつ収入も十分にあるという働き方を選択することもできます。ただこの場合はメールやチャットでやり取りしていくコミュニケーションスキルが必要ですので注意しましょう。
キャリアアップのためにすることとは?
スキルを磨けばかなりの高収入が狙えるフロントエンドエンジニアですが、具体的に何を意識すれば良いのでしょうか。
キャリアアップのためにやっておきたいことを見ていきましょう。
UI/UXを考慮したページデザイン
見た目のUIに加えて、ユーザー体験を向上させる『UX(User Experience)』を考慮したページデザインを意識しましょう。
ここでのUXとは、ユーザーが製品やサービスを通じて得られる体験のことを意味しています。例えば、ホームページ上でユーザーが体験する、「デザインがきれい」「問い合わせページが分かりやすい」というような点もUXと言えるでしょう。
1枚のページで完結するものではないWebコンテンツでは、来訪者がコンテンツ内をどのように移動してどんな体験をするかというカスケード構造とページ遷移を考えていくことが重要です。
求める情報やサービスに迷わず行き着けるボタン配置や、デザイン上の見やすさなどを意識し、利用者の視点で有意義なコンテンツを作製しましょう。
CMSの知識とスキル
Webコンテンツは公開されてから実際に運用される中で更新や情報追加が行われます。ここで管理作業を効率的に行うWordPressなどの『CMS』と呼ばれるツールを用いる例が増えています。
CMSを構築すれば、画像や文章の差し替えや追加がエンジニアの介入なしに行えるためチームワークを行う上で非常に有用です。
CMSを運用する企業が一般的になりつつありますので、これに関する知識とより便利な運用方法を実現できるスキルを磨いていきましょう。
SEOマークアップ
また『SEO(検索エンジン最適化)』を意識したコンテンツ製作ができることも重要です。
Web利用者はGoogleなどの検索エンジンでワード検索して上位に表示されたサイトに行き着くという流れがあります。
Googleに対するSEOマークアップができているかどうかでコンテンツの市場価値が大きく変わってくるのです。
Googleは「コンテンツの価値」を基準に検索の上位に表示するエンジンですので、何がGoogleにとって価値あるものかを知り、これに対応していけるエンジニアリングスキルは報酬に直結すると考えておくと良いでしょう。
まとめ
スマートフォンを使い情報検索する時代ですので、企業にとってはSEOやUI/UXを意識した価値あるコンテンツを構築できるフロントエンドエンジニアは非常に価値があると言えるでしょう。
まだまだ売り手市場ですので、フロントエンドエンジニアとしてキャリアアップして、より高待遇な仕事を得ていくことを考えてみてはいかがでしょうか。