検索エンジンの役割とGoogleの理念
インターネットを利用している人の大半は、Googleなどの検索エンジンで興味や関心のある事を調べます。一方で、検索エンジン側は検索結果やその先のWEBページに広告を掲載し、主に広告主からの収益により運営しています。
良質な検索結果でユーザーが満足したら、より多くの検索が行われることになり、結果的に広告主からの収益が増えます。しかし、検索結果の質が低ければユーザーは利用する検索エンジンを変更したり、検索以外の方法で情報を探したりする可能性があります。当然、広告主からの収益は下がります。
Googleは『ユーザーの意図を正しく判断し、ニーズに一致した回答を示すことが、良質な検索エンジンの役目である』という理念を掲げています。この大義名分と企業利益の追求を理解することで、検索エンジンの役割と本質が見えてきます。
検索エンジンによる順位決定までの仕組み
検索エンジンは具体的にどのような動きをしているのか、Googleを例にとり解説します。
クローラーがコンテンツを見つける
サイトやページを作成してWEB上に公開しても、その直後から検索結果として表示されることはほとんどありません。検索エンジン側に検索対象として扱われるためには、まずクローラーと呼ばれる検索エンジンのロボットに、作成したコンテンツを見つけてもらう必要があります。
クローラーはWEB上を常に巡回し、網目のように張り巡らされたリンクを辿りながらサイトやページを認識していきます。
データベースに情報をインデックス
クローラーに認識されたページは、Googleのデータベースに蓄積されていきます。ページがデータベースに登録されることをインデックスと呼びます。WEB上のコンテンツは全て、インデックスされることで検索対象とみなされます。
自分のページがインデックスされているか確認するには、検索窓に『site:ページのURL』と打ち込んでみましょう。インデックスされていれば検索結果にページが表示されます。
検索アルゴリズムが表示順位を決定
インデックスされたページは、それぞれ検索アルゴリズムと呼ばれる検索順位決定プログラムによって順位付けされ、検索結果に表示されます。アルゴリズムは検索エンジンの根幹部分であるため仕組みは具体的に公表されていませんが、検索順位の決定要素は200以上といわれています。
また、アルゴリズムは検索エンジンが良質な検索を実現し続けられるよう、頻繁にアップデートされる部分です。アルゴリズムの更新は、技術介入による意図的な検索順位の上昇を防ぐための施策ともいわれています。
適切なSEOで表示順位を上げる
Googleの検索エンジンにおける一連の動きの中で、適切にSEOを施す方法を確認しましょう。
クローリングを最適化する
クローリングの最適化とは、クローラーにできるだけ早くコンテンツを見つけてもらい、またクローラーを頻繁に巡回させることで、コンテンツの情報をより正確に理解してもらうことをいいます。
クローリングを最適化するために、まずはリンクの設定を重要視しましょう。自然な形の外部リンクが多いほど、クローラーはページを訪れやすくなります。また、サイト内の内部リンクを適度に増やすことで、クローラーによるサイト全体の巡回度が上がります。
GoogleにサイトのXMLサイトマップを送信するという方法もあります。XMLサイトマップとは、サイト内の各ページにおける様々な情報を記述したXML形式のファイルです。
XMLサイトマップによりクローラーが正確なサイト情報を収集しやすくなり、精度の高い検索結果の表示につながります。GoogleもXMLサイトマップの設置を公式に推奨しています。
インデックスを最適化する
インデックスされたページをより良い状態にすることで、検索結果を上げる効果が期待できます。インデックスの最適化に関してまず行うべきことは、各ページにおけるHTML記述の見直しです。余分なタグやスペースの削除などを行い正しい記述に整えることで、ページの質が上がりアルゴリズムに対する評価が高まります。
また、質の低いページをインデックスさせないこともインデックスを最適化する方法のひとつです。サイト内に存在する検索結果が低いページは、サイト全体の評価を下げてしまいます。ページ単位で検索結果を確認し、極端に評価の低いページをあえてインデックスさせないことで、結果的にサイト全体の評価を上げることにつながります。
良質なコンテンツを作成する
Googleとユーザーの双方から良い評価を受けるページとは、コンテンツが良質なページにほかなりません。いくら小手先のテクニックを駆使しようとも、コンテンツの内容がユーザーの評価を得られなければ、Googleとしてもインデックスするに値しないページとして扱われてしまうのです。
もちろん、コンテンツ評価の全てをGoogle側で正確に判断するのは難しいでしょう。しかし、ユーザーから高い評価を受けているページかどうかの判断は、検索エンジンがあらゆる角度から正確に行っていると考えるべきです。
検索順位はあくまでもロボットが機械的に行うものという認識をいったん外し、コンテンツ作成の際には、ユーザーへ有益な情報を提供することだけに集中しましょう。良質なコンテンツを作成することこそ、検索順位を上げる最も重要な方法といえます。
Yahooへの対策は必要か
Yahooは2011年以降、検索システムにGoogleの検索技術をそのまま採用しています。自社広告の表示などそれぞれの思惑により検索結果に若干の違いはありますが、基本的に検索順位の決定方法は同じです。そのため、Yahoo検索に特化した対策は、現状では必要ないといえるでしょう。
まとめ
検索エンジンのアルゴリズムが改善されるたびに、効果的とされるSEOの考え方に変化が見られます。
SEOが検索順位に与える影響は決して小さいものではありませんが、テクニック論だけで検索の上位表示が維持できるとも限りません。これはGoogleの持つ理念が強く反映されている結果だといえるでしょう。