住宅・不動産業界向けSaaSプロダクトをローンチ
▲リブ・コンサルティング CTO 飯田氏
- そもそも、経営コンサルティング会社として定評のあるリブ・コンサルティングがSaaSプロダクトの開発に乗り出した経緯をお教えください。
経営コンサルティングを営んできた当社は、より多くのクライアントさまにコンサルティングノウハウを提供したいと考え、当社独自のノウハウを型化し、SaaSプロダクトの立ち上げを検討することになりました。
そのプロダクト第1段が、住宅の企画・建築を手掛けるハウスメーカーやホームビルダー向けのCRMプラットフォーム『Ambassador Cloud』です。住宅購入者との契約時や物件の引き渡し時に行うアンケート調査をデジタル化し、その内容を可視化。データを分析して、ロイヤルカスタマーの醸成を行うシステムです。
クライアントさまに眠る顧客資産を有効活用し、紹介型営業をスピーディーに確立するためのプロダクトとなっています。2020年1月に社内ベンチャーという位置づけで、テックコンサルティンググループが立ち上がり、このプロダクトの開発が始まりました。
- 飯田さんがリブ・コンサルティングに参画した理由は?
SIerに入社後、主にインフラ領域に強みを持つエンジニアとして要件定義や開発を行ってきました。その中で、運用チームや、Webマーケティングプロダクトなどの新規立ち上げに多く携わってきたんです。
その経験を生かし、コンサルティングファームとしてレベルの高い知見をプロダクトにしようとしているリブ・コンサルティングに貢献したいと考えました。
相互選択の複業人材採用から広がる可能性
- これまで社内にエンジニアはいなかったと思います。どのようにエンジニア採用を進めてきましたか?
仰る通り、私が入社した2019年12月当時、社員エンジニアは一人もいませんでした。その後、人事チームを中心に採用を進め、2020年9月に正社員で若手エンジニアを1人採用。そのときはエージェントを中心に、正社員採用を進めてきました。
- その中で、複業人材にどのような可能性を感じていましたか。
複業のメリットはミスマッチなく採用できるところです。採用する側も、される側も完璧な人間などありえません。入社前に同じ案件に取り組み、仕事ぶりを見た上で入社の判断ができる点は大きな魅力です。信用経済化しているエンジニア採用市場において、複業人材は業界内の様々なプロジェクトに関わっているため、実績も確認しやすいですよね。
正社員として採用する前に、個々のエンジニアの特徴や強み、弱みを知った上で共に業務に取り組めることは、プロパー人材に大きなコストをかけづらいプロダクト立ち上げ期の当社にとって多くのメリットがありました。
- 『Offers』を導入したきっかけについてお教えください。
もともと『Offers』を立ち上げたoverflowのCEO鈴木(裕斗)さんと共通の知人がいて、『Offers』の理念やソリューションとしてのあり方に強く共感していたんです。
ハイスキルな複業人材に必要な業務のみ任せることで採用課題を解決する『Offers』の手法は、企業のクリティカルなエンジニアリング課題を解決すると感じていました。
また、EMやVPoE、CTOなどミドルレベル以上のハイレイヤー層が多数登録しているところも魅力の一つでした。そもそも会社の枠を出て複業できる時点で、レベルの高いエンジニアですし、『Offers』内のレジュメが見やすく、これまでの実績をひと目で確認できるところも使いやすそうだと感じました。
TwitterやGithub、Qiitaといったソーシャルメディアと連携し、各エンジニアのスキルや実績をスコアリングしているところも、効率的なフィルタリングのために有効です。ハイレイヤーなエンジニアとのコミュニケーション媒体として、『Offers』は最適だと感じました。
▲様々なキャリアのメンバーが集う和やかな雰囲気
エンジニアリングチームだけで採用活動が完結
- 今回は、『Offersコンシェルジュ』というプランをご利用いただきましたが、どのような点に利便性を感じましたか。
コンシェルジュが当社にフィットするエンジニアをフィルタリングしてくれる点や、1 to 1のオファーメッセージを書いてくださる点です。コンシェルジュの方々は、数々のエンジニア採用案件に向き合ってきた知見をもとに、エンジニアに響くメッセージを書いてくださいます。
また、採用活動の途中で人材要件を大きく変更した際も、担当コンシェルジュの方が臨機応変に対応してくれたおかげで、ハイスキルな複業人材のすばやい採用につなげることができました。
何より、全社的な採用業務を担っている人事チームの手を煩わせることなく、CTOの私1人で採用業務を完結でき、生産性を向上できたことが一番利用して良かったと感じたところでした。
それに、自分たちが一緒に働く人材ですから、本来はエンジニアリングチーム主体で採用を行うべきだと思っています。人事・採用チームはもちろん必要ですが、ジョブ型雇用が進むこれからの時代、事業部採用が主流になっていくはずです。その時、事業部側も、どのようなメンバーと一緒に働きたいのか明確化する必要があると思います。
エンジニア採用のプロであるコンシェルジュが様々なアドバイスをしながら伴走してくれるこの『Offersコンシェルジュ』は、求める人材像の解像度を高め、事業部採用を実現してくれる大きな力になってくれると確信しました。
『Offers』導入1カ月で経験豊富な複業エンジニアを2名採用
- 『Offersコンシェルジュ』の導入後1カ月で複業エンジニアを2名採用したと聞いています。どのようなスキルを持つエンジニアだったのですか。
一人はややバックエンドよりのフルスタックエンジニアです。他のエンジニアがフロントエンドに強いため、バランスよく採用したいと考え、バックエンド側の方の採用に至りました。さっそく「入社しませんか」とお声掛けしているくらいすばらしい人材です。
そしてもう一人は、10年以上経験のあるフロントエンドエンジニア。Vue.jsやReactに強く、開発初期におけるプロダクトの垂直立ち上げや、中長期的なプロダクト設計、コードレビュー、リファクタリングなどを幅広く手掛け、専門的な経験が豊富です。
プロダクト立ち上げ期ですので、フルスタックであることを重視しつつ、フロントエンドとバックエンドの両方をカバレッジできるよう、バランスよく採用を行いました。
- すでにこのお二方の稼働が始まっていると思いますが、どのような業務をお任せしていますか。
適材適所でプロダクト開発を行うため、開発の優先順位やメンバーの得意領域に合わせて業務をお任せしています。バックエンドよりのエンジニアには、開発環境構築など重要性の高い業務をお任せしています。
一方、フロントエンドエンジニアには、正社員若手エンジニアのコードレビューやペアプログラミングをお願いし、社員育成をお任せしています。それ以外にも要件定義や画面設計など、抽象度が高くプロダクトの根幹に関わる業務をお願いしています。
- プロダクトの核となるエンジニアを、今回は複業で採用されました。このご経験を通じて、複業採用のメリットについてどのように考えましたか。
現状、複業人材の活用はエンジニア領域が中心です。しかしこれからジョブ型採用を導入する企業が増えることを考えると、複業採用は人事、広報、営業などその他の職域にも広げられる大きな可能性があると思います。今後より一層、複業人材を活用する企業が増えると良いと思います。
インタビュー・執筆・編集:石川香苗子