コロナ前後での自社プロダクトの変化
- コロナ前後で自社プロダクトのユーザー様からの反応の変化を教えてください。
堀氏:私たちの人事評価のサービスはコロナ前と後ではお問い合わせ数が倍増しています。コロナを経て、人事評価は、より結果を重視するようになっています。
結果主義の評価はそもそも目標設定がしっかりとされてなければいけません。それを対面でやるのは物理的に難しいので、企業はクラウドのツールを探しているという状況です。
何をどれくらいやったらどれくらい評価されるかという、メンバーと経営との約束事がしっかりとなされるようになってきたな、という実感があります。
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鈴木氏:我々は採用サービスを運営していますので、採用企業と候補者との2パターンに分かれています。
まず企業側は、コロナの影響がポジティブなのかネガティブなのか、大きく2つに分かれると思っています。
ポジティブな場合、とにかくリソースが足りない状況です。例えばECや巣ごもり系のコンテンツを提供している企業は、新しい機能を入れていかなければいく必要があります。そういうところで従来よりも圧倒的に採用のスピードが上がっているという変化があります。
逆にネガティブな場合だと、まだまだ顕在化はしていないのですが、正社員を固定費でキープするのが正直重いと相談いただいています。経営者の中で、固定費を業務委託で変動費化していくことは判断軸として生まれてきています。
かたや候補者サイドで言うと、我々のOffersに登録しているエンジニアも、2月までと3月以降の対比で言うと、新規ユーザー数が2倍ぐらいの伸び方になっています。角度がきゅっと上がっているんです。
リモート勤務になり、例えば、通勤時間が往復2時間無くなったとします。月間に直すと60時間。60時間って実はちょうど副業をするのに良い時間だったりするんですね。
効率的な方だと2社くらいできちゃいますし、通常の方でも1社ぐらいは副業にちょうどいいスポットの時間が出来ていますので、そういった中で副業を検討されている方が非常に増えています。
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野澤氏:我々のサービスはWebの面接です。3月から新卒が動き始めていよいよ採用が始まるタイミングでコロナになったので、前月の6倍くらい問い合わせが来ました。
6月で新卒採用は落ち着きましたが、今年の新卒40万人の8割にあたる、32万人の学生がWeb面接をしたということが、4月15日のデータで出ていました。
我々のサービスにおいてもコロナ渦において約30万回ほど面接が行われました。コロナ前は我々も想定していなかったのですが、一気にWeb面接という形式が広がったという変化を感じています。
おそらく来年からは、一次面接などの面接初期はオンラインを利用し、三次・四次面接や最終面接で対面というように、ほとんどがWeb面接と対面面接の組み合わせになってくるのではと考えています。
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組織運営、採用におけるDX化
- 組織運営、採用におけるDX化について教えてください。
野澤氏:採用に関してのDXは今後伸びる余地が多分にあると思います。これに対しては事業を通じて貢献をしていきたいと考えておりますが、一部ご説明させていただければと思います。
現在のプロダクトは、面接の効率の改善を目的としていますが、続いては面接の質の向上をやっていこうと。
面接官は『会社の顔』にも関わらず、このような事態が起きているという事がデータとしても出ています。候補者満足度の高い企業では、既に取り組んでいらっしゃいます。ですが、なかなか他の企業では出来ていないことも多いように思います。
加えて、面接というのは完全にブラックボックスで、面接室に入ってしまうと、その先は他人からは何も見えないというのが今までの世界だったと思います。
しかし、面接をWebでやると、面接自体を録画できます。欧米を中心として、H R領域におけるAI活用は「効率化」の実現の方向性です。当社は、面接官にフィードバックすることでAIが人を判断する世界ではなく、誰もが最高の候補者体験を提供できるようにサポートする、という世界観を持っています。
「どうやって候補者体験を良くするのか」「そもそも候補者体験とはなにか」というのは徹底的に議論しました。
本音が聞けて言えること、30分~1時間の面接の中で信頼関係を築くこと、面接官に自己開示していいんだと信頼を得ること、採用企業に敬意を持つことが良い面接の条件だろうと考えています。それが候補者体験の最良化につながると。
面接のアイスブレイクからヒアリング、アトラクトまで、どのように候補者の感情が推移していったか、面接官本人にフィードバックを与えることで、面接官の成長、ひいては採用力の強化に貢献していきます。
ビジネスはなんでもPDCAが回ると思うのですが、面接においてはCが無かったので全くPDCAが回っていませんでした。面接の改善サイクルでCheckを可能にし、かつDoにあたる面接もオンライン化することで採用のDXを果たしていくという事が初めて言えるようになったのかなと。
堀氏:弊社で取り組んで良かったことをお伝えします。
今、エンジニアはフルリモートで勤務し、セールスも月間数百ある商談をほぼオンラインでやっています。これによって可能になったのが、全国採用。
これまでは地方にいるから採用のターゲットにはならなかった方に関しても、全国から優秀な人を採用することができています。リモートワークの延長線上で、オンボーディングにもかなり力を入れているので、優秀な方であればすぐに戦力化できます。リモートワークを行う事によってより優秀な人を採用することが出来ることは、私たち自身も非常に大きな気づきでした。
鈴木氏:DXは、あらゆる情報をデジタルなデータとして集めることが第一のスタートですかね。今は、それを実現するために、データを抽出しやすいシステムの導入方法や、データの収集フローの設計の必要があると思っています。
次は個人のデータリテラシーを上げる必要があります。SQLやPythonを扱えるとか、個々人のレベルでデータを扱うリテラシーを上げなきゃいけない。でないと、せっかくのデータが何も価値を生み出さない状態になってしまいます。
あとは、権限移譲も重要だと思っています。大きい組織にありがちだと思うのですが、マネージャーとメンバーでアクセス権限を分けたりして情報でゲートを作ると、永遠に意思決定に到達できません。
意思決定の質というのは情報量に比例するので、全員が情報を共有できる仕組みが整っている場合は、権限をちゃんと与えてあげることですかね。
同じ情報を得ることで意思決定のレベルを上げ自律駆動型の組織にしていく、というのが、組織運営におけるDXの目指すべきゴールの1つになると考えています。
<後篇(今後の採用や質疑応答について)に続く>
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