プロダクトデザインの仕事とは。仕事内容や働き方、スキルについて

デザイナンにもさまざまな仕事がありますが、その中でもプロダクトデザインに焦点を当てて見ていきましょう。仕事の内容や作業工程をはじめ、プロダクトデザインにあたってどのようなスキルが必要になってくるのかをあわせて解説します。

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プロダクトデザインとは

グラフィックデザインやファッションデザインなど、一口にデザインと言っても仕事の内容はかなり違います。

その中の一つであるプロダクトデザインの仕事について、まずはどんな仕事内容なのかを確認していきましょう。

機械から文具までの生産品をデザイン

プロダクトデザインはプロダクト(生産品)をデザインする仕事です。その仕事はかなり広範囲に及びます。家電製品や業務用製品の機械部品、雑貨や生活用品など多種多様です。

他のデザインについても、プロダクトデザインの中に包括されてしまうことが多くあります。

美術的なセンスやスキルだけではなく、その生産品が持つ特色や機能について、十分な理解をしていなければなりません。そのため、豊富な知識を求められる職業でもあります。

立体的なデザインをする

プロダクトデザインの仕事は、CGやWebデザイン等の2Dではなく、3Dを基調とした奥行きや高さのあるデザインを設計しなければなりません。

そのため、3D設計のできるソフトや、本人にも立体的なデザインスキルが求められます。

インダストリアルデザインとの違い

インダストリアルデザインは、よくプロダクトデザインとの仕事の違いについて指摘されることがあります。

インダストリアルは『工業的』という意味で、インダストリアルデザインの仕事は工業部品や機械部品、医療機器などです。この辺りはプロダクトデザインと共通ですが、生活用品や雑貨などアナログな生産品のデザインが含まれていないという点が明確に違います。

インダストリアルデザインは、プロダクトデザインの中に含まれるデザインの一つです。

出典:プロダクトデザイナーとインダストリアルデザイナーの違いって何?

プロダクトデザインの流れ

プロダクトデザインを作成するための、仕事の流れについて解説します。デザインの対象によって多少は異なりますが、大きな流れとして覚えておいてください。

コンセプトの決定とアイデアスケッチ

プロダクトデザイナーは単純な製品のデザインだけではなく、クライアントと共に製品コンセプトを考えます。デザインにはコンセプトを盛り込まなければならないからです。

盛り込みたい機能や、年齢や性別などのユーザー属性を考慮し、それにマッチングするデザインにする必要があるため、コンセプトの段階からアイディアを求められることがあります。

コンセプトが決定したら、それを元にアイディアスケッチを起こします。商品設計がほぼ決定するため、時間をかけることが多い工程です。

レンダリング、模型の制作

ラフスケッチが決定したら、それを元にレンダリングの作業に移行します。レンダリングは、3Dソフトを使って画像に起こす作業です。必要なら模型の作製も行います。ラフスケッチの2Dを、3Dに起こす作業で、デザイナーとしての立体的スキルやセンスが問われる部分でもあります。

模型とレンダリングによって実物の商品のイメージをより鮮明化し、細かい部分やの決定や質感、素材等についても精査します。

修正を繰り返し、デザインを確定

そして最後にデザインを確定させます。仕様上に問題はないか、機能を実現できるかなど、あらゆる角度から検証して質の高いものへと仕上げていきます。特に工業部品に関しては少しの設計ミスも許されないため、何度も修正を重ねていくことになるでしょう。

そして、デザインが確定したら、設計担当者にデザインを渡してデザイナーの仕事は完了です。

プロダクトデザイナーのキャリアプラン

プロダクトデザイナーになるのはどのように勉強し、そして将来デザイナーとして働く為にどのようにキャリアを積んでいくのが良いか、おおよその流れを解説します。

大学や専門学校で学ぶ

大学や専門学校でデザインを学ぶ場合は、学美術大学や工科大学に学科があるので、まずはそちらを目指す形になります。

プロダクトデザインは手がける幅が多く、また近年のデザイナーはデザインの知識だけでなく、3Dツールの使い方やマーケティングについても学ばなければなりません。

この知識量やデザインの技術は独学で学ぶことは難しいため、学校で学ぶのが最も効率良くスキルを習得できる方法でしょう。

就職後、実務で経験を積む

就職後はデザイン会社やデザイナーの事務所で仕事をするのが、デザイナーとしての最初のキャリアになる人がほとんどではないでしょうか。

仕事として携わることで、全体の流れや実戦的なスキル、ノウハウを手にしていきます。技術者や販売担当者との提携や、流通や生産とも関わっていくことで、デザインだけではなく商品が売れるまでの工程について、深く学ぶことになるでしょう。

最初はヘルプから始まり、やがて自分1人で案件を任されたり、クライアントに製品企画を持ち込めるレベルになれば一人前のデザイナーと言えるでしょう。

実績を積んだ後に独立する人もいる

そのまま企業や事務所の専属デザイナーとして仕事をしていく人もいれば、独立して事務所を構える人もいます。

独立した後は報酬面や仕事の条件で縛られることはありませんが、営業や経理まで自分でやらなければなりません。元在籍していた会社から外注として仕事を受ける例もありますので、独立を計画するのであれば、独立前からある程度のコネクション作成を意識して活動する必要もあります。

独立した直後から、仕事を貰える体制を築いておくことが重要です。

プロダクトデザイナーの働き方

プロのデザイナーとしての働き方は主に『企業で働く』『デザイン事務所で働く』『フリーランスとして働く』の3種類があります。それぞれの特徴やメリットについて見ていきましょう。

メーカーのデザイン部門で働く

メーカーの下で働く『インハウスデザイナー』と呼ばれる働き方です。メーカーで開発する商品のデザインを担当することになります。

メーカーが担当している分野での新規開発になるため、分野が偏りやすいことが多いでしょう。また、メーカーの規模によっても働き方は変わってきます。大手メーカーであれば大人数で作業するため、デザイン仕事の一部しか担当しないこともあります。

中小企業であれば人数が少なくなり、幅広い仕事にチャレンジできるかも知れません。福利厚生についてもきちんと整っているところが多く、生活は安定します。

デザインの仕事だけでなく、営業や設計、生産とも深く関わることがあり、プロダクトデザインに対してより一層深い理解を得て、キャリアアップすることが可能です。

デザイン事務所で働く

デザイン事務所で働く場合、さまざままクライアントから仕事を受けることになるので、幅広い分野の仕事ができることが特徴です。出版社や大手メーカーから仕事が来る機会があります。

デザイナー同士の横の繋がりやクライアントと直接顔を合わせる機会があることなどから、独立した後の人脈を自然に築けるのがメリットと言えるでしょう。メーカーと違ってフレックス制の事務所も多く、比較的自分の時間が作りやすいです。

一方、デメリットとして挙げられるのが、デザインの方法は事務所のチーフや所長のテイスト通りに仕上げる必要があるので、特定のテイストに固まってしまうことがあります。そのため、複数の事務所を渡り歩いて勉強する人も。

また、締め切り前は不規則な生活になりやすく、福利厚生が整っていない事務所も多いので、生活が不安定になりやすいというリスクもあります。

フリーランス

フリーランスとして働く人も大勢います。事務所やメーカーのテイストを気にせず、自分の持ち味を存分に発揮できるのが魅力でしょう。自分で仕事も選べますし、仕事の報酬はすべて自分のものとなります。年商億単位のお金を稼ぐデザイナーもいます。

ただし先述したように、営業や経理の仕事もやらねばならず、純粋にデザインの作業だけに時間を取ることはできません。場合によってはまったく仕事がこないこともあります。

成功した時のメリットは大きいですがその分リスクも大きいので、しっかりと独立してやっていけるのかを考えなければなりません。中には副業としてデザイナーをやる人もいます。

出典:工業デザイナーになるには?プロダクトデザイナーの仕事内容&年収

フリーランスで活躍する方法

フリーランスの世界を見ていると、自分の事務所ビルを構えるような人もいれば、アルバイトをしながら活動している人もいます。仕事を継続的にもらうことがフリーランスにとって重要です。

フリーランスでデザイナーとして仕事をしていくためにはどんなことが大切か、ポイントを解説します。

いきなり独立する人は少ない

いきなりフリーランスとして活動する人は、ほとんどいません。率直に言えば、食べていけないからです。

仕事として食べていくには、デザイン1件ごとに数万円、あるいは数十万円の報酬を受け取れなければ赤字です。しかしクライアントの立場で、実務経験のないデザーナーに数万円、数十万円の案件をいきなり任せるでしょうか?

ノンキャリアで仕事をする場合、報酬の安い仕事しか回ってこないことも多く、加えて実戦的なノウハウがないためにどう進めても良いかわからずに挫折してしまう人も少なくありません。

実力、実績で評価される

フリーランスが評価される方法は、実績と実力しかありません。大手メーカーであればメーカー同士の付き合いもありますし、新人であれば技術が足りなくても、他のチームスタッフがカバーしてくれるでしょう。しかし、フリーランスは個人の実力がそのまま仕事に直結します。

そして、実力評価の指標として実績も重要です。過去にどんな仕事をしてきたのかはデザイナーを選ぶ上での判断材料になります。デザイナーとして役立つ資格などを取得するのも良いでしょう。

人脈も必要

フリーランスとして仕事をこなすには2種類の人脈が必要です。

まず、クライアントとの人脈です。大口のクライアントが定期的に仕事を発注してくれるようなら、それだけで収入はかなり安定します。新しい事業に手を出すときにも、優先的に声をかけてくれることもあります。

そして、同じデザイナー同士の人脈です。デザイナー同士で情報交換をしたり、時には共同で大きなプロジェクトをしないかと誘われることもあります。自分の手が回らない案件が来た時に、お互いに紹介することもできるでしょう。

フリーランスは、事務所やメーカーで働く以上に横の繋がりが大切になってきます。

デザインスキル以外に求められる要素

プロダクトデザイナーとして成功するためにはデザインスキルだけではなく、他にも持っていなければならないスキルがあります。どんなスキルが必要かを具体的に見ていきましょう。

ユーザビリティを考える力があるか

特にプロダクトデザイナーに求められるスキルは、ユーザーにとって使いやすいデザインを考えられるかという点が大切です。

プロダクトデザイナーが作るものは、日用品をはじめとして実際に人が手に取って使うものも多く、そのためどんなにカッコイイデザインやかわいらしいデザインを作成できたとしても、目的に使いにくいと判断されれば没になってしまう可能性があります。

ユーザビリティを考慮した製品を提案できる力も、大切な要素です。

機能性とデザインを両立させられるか

例えば水筒をデザインする時に、子供向けのおしゃれな水筒にしようとキャラクターの顔やパーツを所々に組み込んだとします。しかしそのパーツが、水筒に本来欲しい機能である『保温性』や『持ちやすさ』といった機能を阻害してしまうことがあるでしょう。

逆に、持ちやすさと保温性を最大限に重視した結果、デザイン的にはいまいち映えないものになってしまうということもあります。この機能とデザインの両立が、プロダクトデザインの1番の難所でもあるのです。

どんな機能を優先し、それに合わせてどうデザインしていくかは、デザイナーの重要なスキルと言えるでしょう。

コミュニケーション力があるか

デザイナーとしてやっていくには周囲とのコミュニケーション能力は不可欠です。デザインを作っていく工程の中で、多くの人と関わりを持つことになります。

クライアントがどんなものを求めているのかを聞き出し、大きな修正が来ないように連絡を取り合うのもデザイナーには必要です。人脈生成や仕事獲得のために相手に好印象を与えるのも、やはりコミュニケーション能力に寄るところが大きいでしょう。

実務能力と同じくらい仕事をしていく上で重要なスキルです。

プレゼン能力も重要

デザイナーとしてはプレゼン能力も大切です。自分のデザインがどのような意図を持って作られたものなのかを、的確にクライアントや上司に説明する必要があります。

また、自分でデザインや仕事を立案して他社に影響をかける場合も、プレゼン能力は非常に重要です。そしてそのためにPowerPointや統計データといった、ITツールを使いこなすことも必要になってくるでしょう。

スキルアップの方法

独立して仕事をもらえるようになったとしても、安心はできません。新しいデザイナーはどんどん業界に入ってきますし、技術もどんどん進歩しています。

仕事の幅を増やしてキャリアアップにつなげていくために、スキルアップについて考えていきましょう。

新しい技術を学ぶ

新しい技術を学べば、それだけ仕事の幅が増えていくことになります。自分がデザインできる分野を増やすことも重要ですし、資格の取得を目指してみても良いでしょう。プロダクトデザイン検定や色彩士検定をはじめ、デザインに関わるスキルはさまざまです。

また、新しいデザインツールがどんどん発表されていますので、より便利なツールを見つけて使いこなせるようになれば、仕事の効率もアップします。

デザイン以外の専門性を高める

生産品に関わるデザイン以外の仕事を引き受けるデザイナーも増えています。例えば、市場でどんな製品が売れているのかを分析して、企業にアドバイスをするコンサルタント的な仕事を引き受けるデザイナーも少なくはありません。

マーケティングについて、専門的な知識を得てデザイン以外の専門性を高めることで、仕事の幅が増えるだけでなく、結果的に本業のデザインについても、市場の動きやトレンドを理解した上で提案ができるようになり、プレゼン能力もあがります。

経験を積む

デザイナーとして色々な案件に関わって経験を積むことが、1番のスキルアップです。一つの会社でキャリアアップして上を目指す人もいれば、複数の職場を通して異なったタイプの案件や仕事をこなして、独立のための人脈作りや異なったノウハウを学ぶ人もいます。

コミュニケーション能力やプレゼン能力を含めた総合的な能力が培われていくため、特にデザイナーになったばかりの頃は、色々な案件に携わることが大切です。

まとめ

プロダクトデザイナーは、自動車から家電、文具や日用品ととても幅広いジャンルのデザインに関わる仕事で、デザイナーとしてやっていくためには各分野に関する豊富な知識が必要になります。

デザイナーとしての技術以外にも、新しいITツールを使いこなすスキルや、設計士や技術者、クライアントの円滑なコミュニケーションを取るための能力も必要です。

多くの仕事をこなして実績を積み、フリーランスとして独立する人も多くいます。そのためにも現状に満足せずに、常に新しいスキルや仕事の方法を模索することが大切です。

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