CDデザインとは
デザイン関係の仕事を目指す人の中には、「好きなアーティストのCDデザインを手がけてみたい」と思う人もいるのではないでしょうか。
CDデザインの詳細について考察します。
CDジャケットや盤面のデザイン制作
CDデザインのメインとなるのが、ジャケットや盤面などといったCDそのもののデザインです。
わずか12cmほどのフレームにデザインやタイトル、アーティスト名などを載せる必要があるため、高度なデザインスキルやセンスが要求されます。
また、盤面についてのデザインも任されるため、ジャケットとテイストを揃えて考えねばなりません。
インレイカードやフライヤーも
CDデザインとは、ジャケットはもちろんCDケースの内側、外側まですべてにおける装飾を指します。そのため、インレイカードやフライヤーのデザインもCDデザインの範疇です。
さらに、場合によってはポスター、ステッカー、POPなどのデザインを求められるケースもあります。一口にCDデザインといっても、その範囲はクライアントの意向によって大幅に変わると覚えておきましょう。
グラフィックデザインに分類される
CDジャケットやポスターといった平面一般のデザインは、『グラフィックデザイン』に分類されます。そのため、CDジャケットのデザインを手がけたい人は、グラフィックデザイナーを目指さねばなりません。
グラフィックデザイナーに必要なのは、まず写真やフォント、配色といった基礎的なデザイン知識です。加えて、CDジャケットのような小さなデザインでは、多くの情報を正確かつ印象的に伝える『レイアウトスキル』が特に重要なものとなるでしょう。
CDデザイナーになるには
CDデザインに携わるには、デザイン事務所の求人に応募してデザイナーになったり、クラウドソーシングを活用したりなどの方法があります。
それぞれのケースについて、詳しく見てみましょう。
デザイン事務所の求人に応募
CDデザインを手がけるデザイナーの多くは、デザイン事務所などの広告制作会社や広告代理店で活躍しています。そのため、まずはデザイン事務所の求人に応募するのがベターでしょう。
CDデザインにかかわるグラフィックデザイナーは、比較的多くの求人があります。特に中小企業は業績に左右されるため、離職率が高めです。デザイナーの入れ替わりが激しく、未経験者でもデザイナーとして採用される可能性はあるでしょう。
ただし、離職率が高いということは、自身もいつ辞めざるを得ない状況になるか分からないということです。在職中に就職後のキャリアや将来についてのビジョンを明確にし、必要なスキルを積み上げていきましょう。
副業としておこなう
本業がすでにある場合、副業としてCDデザインに携わることも可能です。ただしCDデザインに限定すると仕事を得るのが難しいため、グラフィックデザイナーとして、商品パッケージや広告デザインまで幅広く手がける必要があります。
また、デザイナーとしての実務経験や実績が無い場合は、顧客獲得が困難です。こんな時は、広告ツールとしてインターネットを活用しましょう。具体的には、自身のHPを作成し、そこでデザイナーとしてのセンスやスキルをアピールするのです。
ただし、HPからいきなり仕事を得られると期待してはいけません。まずは定期的に更新し、訪問者を増やすことから始めましょう。
クラウドソーシングも活用可能
クラウドソーシングとは、ネット上に公開されている募集案件に自ら応募し、クライアントと契約するという新しい仕事の形態です。
こうしたサイトに登録すればCDデザイナーとしてかかわりたい仕事が見つかる可能性があります。
ただし、高単価案件や条件の良い案件は応募人数も多く、未経験者やスキルが無い人の受注は困難です。まずは低単価でも案件の数をこなすことからはじめ、実績作りに注力することをおすすめします。
CDデザインの相場は?
CDのデザインに携わった場合、請け負った案件の条件により料金は異なります。CDデザインの相場はどのくらいなのでしょうか。
価格には幅がある
一口にCDデザインといっても、デザイナーとして求められる範囲は異なります。ジャケットや盤面だけでよいという場合もあれば、ポスターやブックレットまでを依頼される場合もあるでしょう。デザインの範囲が違えば、当然のことながら料金差は生じます。
また、CDのコンセプトが定まっていない場合は、デザイン前にクライアントと打ち合わせをする必要があります。この場合はコンサルティング料も含むため、デザイン料金はさらに高額です。
CDデザイナーとしてどこまで携わるかで、料金は安くも高くもなるでしょう。
1件2〜4万円程度が平均
CDデザイン料金に幅はあるものの、あえて相場を述べるなら1件あたり2~4万円程度が平均でしょう。
ただし、加工に手間がかかったり、写真無しでイラスト作成からデザインを始めるなどした場合は、もう少し料金が上がります。
サイズ、点数により変動
CDデザインの料金は、対象となるCDジャケットのサイズやアイテム数により変わります。
例えば、特別仕様のCDで通常よりもサイズが大きい場合、デザイン料は高額になるでしょう。また、デザイン点数が増えれば、当然その分の費用が発生します。
仕事の始め方
CDデザイナーとして仕事を始めるには、すぐに仕事ができるように環境を整えておくことが重要です。
CDデザイナーとして働く前に必要な準備や仕事の探し方を紹介します。
必要なソフトや機器を用意
正確性の高いレイアウトやデザインを行うなら、Adobe社の『Illustrator』『Photoshop』『InDesign』といったアプリケーションが必要です。これらをスムーズに扱えるような基礎知識・基礎スキルは、最低限持っておいた方がよいでしょう。
また、負担なくこれらのソフトを使いこなすには、それなりのスペックのPCも必要です。CDデザインだけではなく他のデザインにも対応できるよう、画像処理能力に長けたモデルを選ぶことをおすすめします。
前述したAdobe社のPhotoshopやIllustratorが最初に発売されたのは、WindowsではなくMacからでした。画像処理能力に関してはMacの方がよいとされており、デザイナーの多くはWindowsよりもMacを愛用しています。
「PCはデザイン専用で使う」「コストは気にしない」という人なら、Macを購入した方が使いやすいでしょう。
仕事の探し方
CDデザイナーとしての仕事を得るには、前述のクラウドソーシングサイトを利用する、人材エージェントに登録する、SNSやHPで営業するといった方法があります。
人材エージェントとは
登録するとエージェントが登録者の条件に合う案件を提案してくれる、企業とデザイナーを繋ぐマッチングサイト・サービスです。提案される案件には高単価・好条件のものが多く、希望のCDデザイン案件も見つけやすいです。ただし、ある程度のスキルや実績が無ければ、条件の良い案件は提示されにくいため、未経験者はクラウドソーシングサイトから始めた方がよいでしょう。
また、自分で営業する場合はSNSやHPなどを活用し、積極的にアピールしていくことが重要です。SNSで同じデザイナーコミュニティと繋がるなどすれば、仲間から仕事が回ってくる可能性もあります。
まとめ
CDデザインはグラフィックデザイナーの仕事の一つです。魅力的なジャケットなら、いわゆる『ジャケ買い』も期待でき、アーティストの売上にも大きくかかわってくるでしょう。
ただし、CDデザインを手がけるには、デザイン系会社のグラフィックデザイナーになったり、自分で営業して仕事を得たりしなければなりません。希望の仕事を受注するには、低単価な案件でも積極的に受注して実績を作り、クライアントからの信頼を得やすくしておくことが重要です。