CDデザインの範囲
CDを手に取ってみれば、歌詞カードやCD本体まで、絵や文字などさまざまな装飾が施されています。これはすべてCDデザインの仕事です。
CDデザインの仕事にはどんなものがあるのか、その範囲について解説します。
ジャケット、インレイカード
CDで最初に目に付く部分であるジャケットのデザインは、売上にも関わってくる大きな仕事と言えるでしょう。ジャケットも表側・帯・裏側と、さらには中閉じ冊子などをデザインするのもCDデザインの仕事です。
さらにはインレイカードやフライヤーのデザイン、歌詞カードを取っても文字のフォントやバックグラウンドのデザインもCDデザインの仕事の範疇と言えるでしょう。
CDデザインとは、歌手や曲のイメージにあわせて行わなければならない繊細な仕事が求められます。
盤面
盤面のデザインもCDデザインの仕事です。タイトルの大きさや配置、フォント、収録曲など、CDの大きさのうちにすべての情報を、CDの円盤に収めなければいけません。
また盤面だけではなく、バックインレイやポスターなどCDの発売に関わる広告のデザインすべてが、CDデザインの仕事と言えるでしょう。
CDデザインの相場
CDデザインを実際に仕事にする場合、どの程度の収入が得られるのかが気になるところでしょう。CDデザインの報酬の相場について解説します。
1件あたり数万円
CDデザインの相場は案件によってかなり増減します。一口にCDデザインの仕事といっても、ジャケットのデザインだけの場合もありますし、素材がすでにあるケースや、音楽会社と打ち合わせから行う場合もあり、どの程度の作業量になるかが案件によって異なるからです。
クライアントの提示額や、デザイナー自身が設定している設定額にも差があり、一概に正確な金額を出すことはできません。
ただ、CDジャケットや盤面など、CD1枚を販売する上で関わるオールマイティな発注を引き受けるのであれば、数万円の報酬がないと採算が取れなくなりますので、1件あたり数万円は相場と言えるでしょう。
デザイン数により価格は変動する
実際に報酬を計算するのであれば、デザイン数が大きな目安となるでしょう。
シングルジャケットの場合の2~4P程度のものや、アルバム用の10Pを越えるものまで、CDジャケットのデザインでもページ数が違います。それに加えて帯やレーベル、ポスターまで入って来ると、さらにデザイン数は増えてきます。
CDデザイナーが仕事を受注する際には、デザインの点数も価格を決める要因の1つです。
CDデザイナーの将来性は?
CDデザインの需要から、今後の将来性を予想していきましょう。
デザイナーとして職業に就くために何をすれば良いのかもあわせて解説します。
音楽CDの需要は低下
CDデザインの需要は、そのままオーディオレコードの新譜数と比例すると言っても良いでしょう。『日本レコード協会』が発表しているレコード新譜の推移で見れば、ピークは1990年あたりで、その後は減少傾向にあります。2018年時点で全盛期の半分にも満たない新譜数です。
さらにインターネットの普及により、音楽市場はダウンロード型に移行していることもあって、CD自体の需要が減少しています。今後もこの傾向のまま、音楽CDの需要は低下していき、相場も徐々に下がっていくとみられます。
グラフィックデザインの需要も縮小気味
CDだけではなく、DVDや商品パッケージ、広告やポスターといったグラフィックデザイン全体の需要が縮小気味にあることがうかがえます。その理由はやはり、紙媒体の減少です。
現在は電子媒体の需要が増えてきていることもあって、従来の紙面媒体を中心とした需要は減少してきています。
また、素人でも簡単にホームページがデザインできるようなグラフィックツールが増えてきたのも、デザイナーの仕事の減少に拍車を掛けていると言えるでしょう。
今後はさらに市場が厳しくなっていくことが想定されます。
スキルを増やすことが必要
今後、グラフィックデザイナーとして食べていくためには、デザイン技術はもちろんですがスキルを増やすことも重要です。
電子媒体が今後増えていくことを加味するなら『PCでデザインしたものをWeb媒体で公開する』というのが必須です。PCでデザインする技術、さらにPCの画面からスマホの小さな画面まで表示させるための技能は必要スキルと言えるでしょう。
さらに、1つのプロジェクトに対してのディレクションスキルや、クライアントに対し新たなデザインの見せ方を提示できるようなWebスキルも必要になってきます。
企業からの信頼を勝ち取り、リピート率を増やせるような自身に対する付加価値をつけられるかが重要です。
まとめ
CDデザインの需要は、音楽の発表の場が電子媒体に移行しつつあることで徐々に減少しています。初心者でも扱えるデザインソフトの普及に伴い、グラフィック業界全体での需要は縮小傾向にあると言って良いでしょう。
その中で、デザイナーとして食べていくためには、PCを中心としたWebスキルを身につけ、デザイン以外の付加価値を持てるかどうかが重要になりそうです。