POPデザインの業務内容
POPは『POP広告』『ピーオーピー広告』と呼ばれる販売促進ツールの一つです。価格を分かりやすく顧客に提示できるほか、商品を目立たせたり商品情報を伝えたりと、様々な効果があります。
『物言わぬセールスマン』とも呼ばれるPOPのデザインは、どのように行われるのでしょうか。
販促に関わる紙ツール全般の制作
POPデザインでは、店頭や店内に設置される『紙媒体の販促ツール』の作成が求められます。
POPとは『Point of Purchase Advertising』の頭文字を取ったものですが、これを訳すと『購入時点の広告』という意味になります。
つまりPOPは、折り込みチラシや配布チラシとは異なり、『顧客が品物を購入する時や場所』にアピールし、直接購買意欲をあおるのが目的です。
そのため、POPデザインは『パッと目につきやすい』『顧客が求める情報をきちんと盛り込む』などを踏まえて制作されねばなりません。
ソフト利用、手書きなど制作方法は様々
POPに定められた様式はなく、デザイナーの裁量で制作方法は選べます。ソフトを使うか手書きにするかについては、宣伝対象となる商品ごとに使い分けるとよいでしょう。
例えば、ソフトを使ったPOPは、価格変動が頻繁だったり、画像や写真を加えたりする商品には最適です。ソフトを使えば文字や色の変更が容易なうえ、写真の取り込みなども可能です。同じクオリティのPOPを大量かつ短時間で作れるというメリットがあります。
一方、手書きPOPは、特に力を入れて売りたい商品に向いています。「手書きの方があたたかみがある」「思いが伝わる」と感じる顧客は多く、POPに注目を集めやすいでしょう。
報酬相場はどのくらい?
POPデザインを手がける場合、どのくらいの報酬を得られるのでしょうか。POPデザインの報酬相場について考察します。
点数やサイズにより価格は異なる
POPデザインの報酬は、手がけたPOPの点数やサイズによって様々です。
例えばポスターの場合、B1(728×1030)サイズは、A2(420×594)サイズのほぼ2倍の報酬が見込めます。
POPの点数・サイズは報酬に大きくかかわる部分のため、受注の際は特に注意して確認しましょう。
1点数千円〜数万円
かかる手間によってPOPデザインの相場は変わるため、すべてのデザインに通じる相場を示すのは困難です。しかし、あえて言うならPOPデザインの相場は『1点数千円〜数万円』と言えるでしょう。
例えば、誰でも登録できるフリーマーケットサイトやクラウドソーシングサイトなどで案件を探した場合、POPデザインは一点数千円~というものがほとんどです。
一方、自身がデザイン事務所に属し『グラフィックデザイナー』などの肩書きを持っている場合は、POPデザインも一点数万円~になるケースがあります。
POPデザインの経験が浅い人は、まず実績を積むことが重要です。安い案件でも数をこなして実績を作れば、やがてより単価の高い案件にもチャレンジ出来るようになるでしょう。
参考:
まとまった数を受注できると効率的
POPデザインで多くの報酬を得るには、店舗単位でPOPを請け負うなどすると効率的です。
POPデザイン一点の単価は低くとも、数十、数百になればそれなりの報酬額になります。店舗単位で仕事を請負えれば、安定した収入源となるでしょう。
POPデザイナーとして稼ぐコツ
POPデザイナーとして安定した収入を得るには、スキル以外の能力もブラッシュアップしていかねばなりません。デザイナーとして成功するには、どのようなことを心がければよいのでしょうか。
マネジメント力を高める
仕事を請ける上で重要なのが、マネジメント能力です。マネジメント能力とは、スケジュールを適切に把握したり課題の進め方、方法を適切に考えたりする能力です。
POPデザインを請ければ、納期は必ずあります。間に合わせるためには毎日どのくらいのペースで取り組めばよいか、どうすれば効率よく作業を進められるかを考えることは必要です。
これがうまく出来ない人は、納期を破ったり著しくクオリティの低いデザインを納品したりなどして、クライアントの信頼を損なう可能性があります。
仕事上の契約では、信頼関係は最も重要なポイントの一つです。マネジメント能力が高いとクライアントから評価されれば、仕事も順調に増えていくでしょう。
コミュニケーションを大切にする
デザイナーにとって重要なのが『聞く力』『話す力』を合わせたコミュニケーション能力です。
デザイナーの仕事では、クライアントから多くの要望が出されるケースもあります。この時、適当に聞き流していてはクライアントの要望通りの仕事はできません。クライアントの言葉を聞き、ポイントをくみ取る力が必要です。
また、プレゼンテーションの必要がある場合は、話す力も重要です。クライアントに作品の意図やコンセプトを正しく理解してもらえるよう、わかりやすくて説得力のある言葉を使わねばなりません。
デザイナーとしてスキルや知識があっても、他者とのコミュニケーションが取れなければ仕事をうまく回すのは困難です。
日常会話の中から聞く話す能力を高める方法を意識的に学んだり、新聞や雑誌などでわかりやすい日本語の表現に触れたりすることでコミュニケーション能力が鍛えられていくでしょう。
向上心を持つ
デザインの仕事では、新しい技術や表現方法を積極的に取り入れようという『向上心』が必要です。
「どうすればより顧客を惹きつけられるか」など考えながら試行錯誤することで、POPデザインのクオリティは高まり、クライアントを満足させることに繋がります。
まとめ
POP広告は店舗の売り上げを左右すると言われるほど重要な販促ツールの一つです。魅力的なPOPを作成できるデザイナーは重宝されるため、まとまった収入を得ることも不可能ではありません。
POPデザイン一点の報酬は数千円からですが、受注数を増やせばまとまった収入になります。店舗から信頼を得られれば長期の案件となるケースもあり、POPデザインで安定して稼ぐことも可能です。
ただし、デザイナーには、デザインスキルだけではなく対人スキルも必要です。クライアントとコミュニケーションを適切に取り、常に自己研鑽を忘れないようにしましょう。