UXデザイナーに近い統計区分の年収は539.6万円
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」から年収を換算すると、UXデザイナーに最も近い区分「デザイナー」の年収は539.6万円で、平均年齢は39.1歳です。企業規模1,000人以上では730.8万円、10〜99人では472.3万円と、勤め先の規模で大きく変わります。
年収は、きまって支給する現金給与額の12か月分に年間賞与その他特別給与額を足した編集部の換算で、男女計・産業計の値です。
企業規模 | デザイナーの年収換算 |
|---|
企業規模計(10人以上) | 539.6万円 |
1,000人以上 | 730.8万円 |
100〜999人 | 552.0万円 |
10〜99人 | 472.3万円 |
出所:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 職種第1表」(2026年3月公表・男女計)を Offers Magazine 編集部が年収換算。
統計の「デザイナー」区分はUXデザイナーより範囲が広い
賃金構造基本統計調査にUXデザイナー単独の区分は無く、最も近いのは「デザイナー」の区分です。厚生労働省の職種一覧と解説では、含まれる職種の例にウェブデザイナーやCG(コンピューターグラフィックス)アーティストと並んで、工業デザイナー、服飾デザイナー、インテリアコーディネーター(販売を行わないもの)、自動車デザイナーが挙がっています。
仕事の概要は、製品や物品・装飾の用途・形状・色彩・配置などについて意匠を考案し、図上に設計・表現する専門的な仕事です。デジタルのプロダクトでユーザーの体験を設計する仕事に限った値ではないので、539.6万円はUXデザイナーの相場の下敷きとして読み、求人の年収帯と並べて確かめるのが確実です(編集部の見立て)。
実装まで担うUXエンジニアに近い人は、同じ統計の「ソフトウェア作成者」(年収換算578.5万円)も比べる対象になります。UXエンジニアの年収とスキルの詳しい解説は「UI/UXデザイナー・UXエンジニアの年収と求人のスキル」です。
企業規模の差は年収換算で258.5万円
令和7年賃金構造基本統計調査の第1表で、デザイナーの年収換算は企業規模1,000人以上の730.8万円と10〜99人の472.3万円で258.5万円の差があります。100〜999人は552.0万円で、企業規模計に近い水準です。
規模の差は、毎月の給与と賞与の両方に表れます。デザイナーのきまって支給する現金給与額は1,000人以上で47.3万円、10〜99人で34.2万円、年間賞与その他特別給与額は163.2万円と61.8万円でした。求人を比べるときは、月給だけでなく賞与を含めた年収の総額で並べてください。
年齢階級別に見るデザイナーの年収換算
デザイナーの年収換算は、25〜29歳の414.5万円から30〜34歳の534.6万円へ上がり、55〜59歳の646.9万円が表の中で最も高い階級です。30代から50代にかけての伸びは緩やかで、40〜44歳の617.9万円と55〜59歳の646.9万円の差は30万円に届きません。
年齢 | デザイナーの年収換算 |
|---|
25〜29歳 | 414.5万円 |
30〜34歳 | 534.6万円 |
35〜39歳 | 564.8万円 |
40〜44歳 | 617.9万円 |
45〜49歳 | 602.2万円 |
50〜54歳 | 630.7万円 |
55〜59歳 | 646.9万円 |
出所:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 職種第5表」(2026年3月公表・企業規模計・男女計)を Offers Magazine 編集部が年収換算。
年齢を重ねるだけで年収が大きく上がる職種ではない、と読めます。年収を上げる手がかりは、年齢よりも担う仕事の範囲と勤め先の選び方にあります(編集部の見立て)。
UI/UX求人の提示年収は上限の中央値800万円
Offers の UI/UX・プロダクトデザイナー職の正社員求人では、提示年収の下限の中央値が500万円、上限の中央値が800万円です。94件のうち54件は上限が800万円以上で、26件は上限が1,000万円以上でした(Offers(株式会社overflow)調べ・年収の下限と上限を記載した正社員求人 n=94・2022年11月〜2026年9月公開)。
求人の年収は「下限〜上限」の幅で書かれます。上限の高さだけで比べず、必須スキル/経験と歓迎スキル/経験の書き方から、自分の経験で幅の下限側と上限側のどちらに近い評価を受けそうかを読むのが実用的です(編集部の見立て)。
UI/UXデザイナーの正社員求人は、Offers Jobs の UI/UXデザイナーの求人一覧で会員登録なしで検索でき、一覧のカードに年収・雇用形態・勤務地が出ます。求人詳細の業務内容・必須スキル/経験・歓迎スキル/経験・選考フローも登録なしで読めて、給与・報酬や出社頻度をまとめた概要表と、休日・休暇・社内制度は会員登録をすると読めます。
題名に「UX」だけを掲げる求人は上限の中央値900万円
同じ94件を求人の題名の語で分けると、「UXデザイナー」「シニアUXデザイナー」のように題名にUXがありUIが無い求人は、下限の中央値500万円・上限の中央値900万円です。「UI/UXデザイナー」のようにUIとUXを併記する求人は500万円・750万円、「UIデザイナー」のようにUIだけの求人は475万円・725万円でした。
求人の題名にある語 | 求人数 | 下限の中央値 | 上限の中央値 |
|---|
UI/UX・プロダクトデザイナー職(全体) | 94件 | 500万円 | 800万円 |
UX があり UI が無い | 13件 | 500万円 | 900万円 |
UI と UX を併記 | 41件 | 500万円 | 750万円 |
UI があり UX が無い | 22件 | 475万円 | 725万円 |
プロダクトデザイナー | 23件 | 600万円 | 850万円 |
「プロダクトデザイナー(UI/UX)」のように1件の求人が2つの行に当たることがあるため、行の件数を足しても全体の件数にはなりません。
下限の中央値にも475万円から600万円まで差があり、上限の中央値は725万円から900万円とさらに広く開きます。UXを題名に掲げる求人とプロダクトデザイナーの求人は、画面の制作より体験の設計や事業の成果まで任せる前提で、上限を高く置いていると考えられます(編集部の見立て)。
リサーチや定量分析の経験を求める求人は年収帯が高い
UI/UX・プロダクトデザイナー職の求人で、必須条件か歓迎条件にユーザーリサーチの経験を挙げる求人は、下限の中央値600万円・上限の中央値900万円です。挙げない求人の500万円・750万円より、下限で100万円、上限で150万円高い位置にあります。
定量・データ分析の経験(KPI・A/Bテスト・データ分析・SQL など)を挙げる求人は、下限の中央値570万円・上限の中央値1,000万円で、挙げない求人の500万円・800万円を下限・上限とも上回りました。
必須条件・歓迎条件の欄に挙げる経験 | 求人数 | 下限の中央値 | 上限の中央値 |
|---|
ユーザーリサーチの経験を挙げる | 31件 | 600万円 | 900万円 |
ユーザーリサーチの経験を挙げない | 63件 | 500万円 | 750万円 |
定量・データ分析の経験を挙げる | 15件 | 570万円 | 1,000万円 |
定量・データ分析の経験を挙げない | 79件 | 500万円 | 800万円 |
どちらも挙げない | 56件 | 500万円 | 750万円 |
出所:Offers(株式会社overflow)調べ・年収の下限と上限を記載した正社員求人 n=94・2022年11月〜2026年9月公開。
条件の欄には「ユーザビリティテストの設計、実施経験」「ユーザーリサーチの実務経験」のように、調査を自分で設計して実施した経験を求める書き方が並びます。
定量・データ分析の欄には「GA等のデータ分析ツールを用いた効果測定・改善提案の実績」(GA は Google Analytics の略)「KPIなど事業指標を用いた施策改善経験」のような記述が並び、問われているのはデザインの良し悪しを数字で説明できる力です。調査で課題を決め、数字で結果を確かめるところまで担える人に、求人は高い上限を置いていると読めます(編集部の見立て)。
求人の条件の欄に挙がる語はFigmaとリサーチが上位
UI/UX・プロダクトデザイナー職の94件で、必須条件か歓迎条件の欄に挙がる語を数えると、Figmaが53件、ユーザーリサーチが31件、プロトタイプが30件、情報設計(情報アーキテクチャ・画面遷移・ワイヤーフレーム)が19件、定量・データ分析が15件でした。
Figmaで画面を作る経験は多くの求人が条件に書く土台です。前の節で年収帯が高かったのは、その先のリサーチや定量の経験を条件に挙げる求人でした。職務経歴書やポートフォリオでは、ツールの名前を並べるより、調査の設計・実施と、改善の結果を示す数字を書くほうが、条件の欄の書き方に沿った材料になります(編集部の見立て)。
UXデザイナーの仕事内容とUIデザイナーとの違い
UXデザイナーは、プロダクトを使う人の体験全体を設計する職種です。ユーザーリサーチで課題を見つけ、情報設計とプロトタイプで解き方を形にし、ユーザビリティテストや利用データで結果を確かめて改善する、という流れを担います。
UIデザイナーが画面の見た目や操作の部品の設計を中心に担うのに対し、UXデザイナーは画面に入る前の「誰の、どんな課題を解くか」の決定から関わります。Offers の UI/UX・プロダクトデザイナー職の求人では、題名にUIとUXを併記する求人(41件)が、UXだけ(13件)やUIだけ(22件)の求人より多く、1人で両方の範囲を任せる求人が中心です。
工程 | 主な仕事 | 求人の条件に出る経験の例 |
|---|
調べる | ユーザーインタビュー・行動観察・アンケート | ユーザーリサーチの実務経験 |
決める | 課題の定義・要件定義・情報設計 | 要件定義・情報設計の経験 |
形にする | ワイヤーフレーム・プロトタイプ・UI | Figma を用いたデザイン経験 |
確かめる | ユーザビリティテスト・A/Bテスト・数値の分析 | 定量データの分析経験 |
求人の業務内容を読むときは、4つの工程のうちどこまでを任せる求人かを確かめるのが、提示年収の幅の理由を読み取る近道です。将来性と需要の見通しは「UI/UXデザイナーの将来性と需要、求人が求めるスキル」にまとめています。
UXデザイナーのキャリアパスは3方向に分かれる
UXデザイナーのキャリアパスは、リサーチと定量の専門性を深める道、プロダクトデザイナーとして事業の成果まで担う道、リードとしてデザインチームを率いる道の3つに分かれます。どの道も、担う工程を画面の制作から上流と検証へ広げる点は共通です。
- リサーチと定量の専門性を深める: 条件にユーザーリサーチの経験を挙げる求人は下限の中央値600万円です。調査の設計から分析、改善の提案までを1人で回せる経験が、年収帯の高い求人への応募での根拠になります
- プロダクトデザイナーとして事業の成果まで担う: 題名にプロダクトデザイナーの語がある求人は下限の中央値600万円・上限の中央値850万円です。PdM やエンジニアと仕様を決め、リリース後の指標まで追う役割で、事業の数字に責任を持った経験が次の応募での根拠になります
- リードとしてデザインチームを率いる: デザインシステムの整備、デザインレビュー、メンバーの育成を引き受け、組織としてのデザインの質に責任を持つ道です。今の職場でレビューや育成を引き受けた経験を、担った人数や期間とあわせて経歴に残しておくと、リード職への応募で示せます(編集部の見立て)
実装に寄せてUXエンジニアへ進む道は「UXエンジニアの転職事情と求人の探し方・必要なスキル」、デザイナー全体の年収の相場は「デザイナーの年収相場とUX・プロダクト職の年収帯」で扱いました。
求人の年収帯と比べて希望年収を決める
転職で年収を上げるときは、統計の水準と、応募先に近い求人の年収帯を並べてから希望額を決めます。UXデザイナーの経験は、作った画面の数より、調べて決めて確かめた結果を数字で示すほうが評価の材料になります(編集部の見立て)。
進め方は次の4つです。
- 統計の表で、自分の年齢階級と勤め先の企業規模の水準を確かめる
- 応募先に近い求人(UI/UX・UX・プロダクトデザイナー)の年収の幅を並べ、必須条件と歓迎条件にリサーチや定量の経験が書かれているかを見る
- 職務経歴書とポートフォリオに、調査の設計と実施、改善の前後の数字(完了率・問い合わせ件数・継続率など)を書く
- 必須スキル/経験と自分の経験を突き合わせ、幅の下限側と上限側のどちらに近い評価を受けそうかを見て希望額を決める
選考書類の書き方は「デザイナー転職の志望動機の書き方と例文」、提示額の交渉は「スタートアップの年収交渉|ストックオプションと等級」にまとめました。
UI/UXデザイナーの求人の年収の幅を並べて比べるときは、Offers Jobs の UI/UXデザイナーの求人一覧が使えます。一覧のカードで年収の幅を見比べ、気になる求人は詳細の必須スキル/経験と歓迎スキル/経験を読んで、リサーチや定量の経験がどう書かれているかを確かめてください。