エンジニアがなぜ副業で起業したのか、半年でわかったメリットと課題

はじめまして、荒瀬 (@KosukeArase) と申します。

株式会社メルカリにて US 版プロダクトの検索チームと機械学習チームでエンジニアをしつつ、知人と起業したWeCAP株式会社 (とりあえず作ったホームページなのでお恥ずかしいですが) という会社で代表取締役を務めております。

特に、エンジニアに関しては副業に関する知見は多くあれど、副業で起業するケースは稀かと思います。

起業していると言っても絶賛開発中というフェーズであるため、サービスのグロースやベンチャー企業の運営に関する知見を書くことはできないのですが、副業で起業することには大きなメリットがあると感じているため、それらについてお伝えできればと考えております。

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・過酷なエンジニア採用競争の中で勝ち抜くためのヒントを得たい方
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・企業ブランディングの弱さで、優秀な人材が引き寄せられていないと感じている方

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副業で起業した理由

本業であるメルカリは社員の副業を推奨しており、私も友人の会社で1年ほど副業や社外取締役として働いておりました。

いずれは自分で事業を始めてみたいという思いは以前から持っていましたが、会社員という安定を手放して起業する勇気が出ず、「いいアイディアがないから」「今は大きな会社でキャリアを積む時期だから」などと理由をつけて日々を過ごしておりました。

きっかけ

そのような状況の中、今年の3月ごろに、「知人と一緒に副業として起業しようとしているが、共同創業者として参加しないか」という話を受けました。構想していたプロダクトに強く共感したことと、それぞれ私とは異なる専門性を有しており、相互に補完しあえるというチームとしての相性の良さもあり、共同創業することを決意しました。

それから半年ほどはプロダクトの詳細を詰めつつ、並行して登記、融資、企業名と企業ロゴの商標登録、デザインと開発の外注先の選定などを進めておりました。

8月末にはプロダクト案も fix し、9月からは私は開発、ビジネス側の2名はマーケティングおよび営業戦略の深堀りという分担で進めており、来年2月のサービスリリースを目指しています。

副業で起業するメリットは金銭的、精神的な余裕

副業で起業する大きなメリットとして、3点挙げられます。

金銭面での不安が小さい

創業直後の多くの会社は、エンジェル投資もしくは銀行からの融資によって初期の設備投資や運転資金をまかないますが、その金額は数百万円〜数千万円が一般的です。ありがたいことに、私たちも日本政策金融公庫様から新創業融資制度で1,000万円の融資を受けることができましたが、もし給料や地代家賃などの運転資金をそこから捻出した場合1年も経たないうちに資金難に陥ってしまいます。

IT系の会社の場合、受託開発などで運転資金を稼ぎつつ自社サービスの開発を進めることでこの時期を乗り切ることが多いですが、自社サービスの開発が遅れる上に常に資金のことを気にし続ける必要があり、精神的にもなかなか厳しいものがあります。

一方で、副業として起業している場合には、本業での収入があるため自社からは報酬を受け取る必要はありません。そのため、資金はすべて外注やマーケティングなどプロダクトに関連することに投下することが可能で、金銭的、精神的余裕を持って事業を進めることができています。

プロダクトに妥協がない

これは1点目の金銭面での余裕と通ずる点もありますが、フルコミットする場合と異なり、サービスのローンチを無理に急ぐ必要がないため、納得がいくまでプロダクトを詰めることができます。結果として、十分な準備をして融資の審査に望むことができ、審査に通る確率をあげることができたと思っています。

余談ですが、全員副業であることとバーチャルオフィスで登記していることが融資の審査に不利に働くのではないかと危惧しておりましたが、それはあまり関係ないようで無事満額の融資をいただくことができました(法人口座の開設は落ちまくりました)。

PMF (Product-market Fit) を確認してからアクセルを踏み込むことができる

新規サービスの立ち上げでは PMF の確認は第一ですが、場合によってはピボットし新たなサービスを作り直すということも生じます。

このような場合でも、副業でサービス開発をしている場合には余裕を持って次のサービスの構想を練ることができ、サービスの立ち上がりを待ってからフルタイムに切り替えるといったことも可能です。

最後に副産物的メリットとして、本業が一層捗るという点もあります。副業をすることで仕事の絶対量自体は当然増えるので、本業を効率よく進めようという気持ちになるのと、副業で得た知見が本業の方にも活きる場合があります。

副業で起業するデメリットは時間的な制約とモチベーション

一方で、大きなデメリットとしては2点挙げられます。

サービスのローンチまでにどうしても時間がかかってしまう

当然ですが、フルコミットする場合に比べ、稼働できる時間は短くなってしまいます。実際、私たちの場合も当初は週末などに週に数回集まって作業をするといった形で進めていましたが、スピード感に欠けてしまうという課題意識がありました。

そこで、毎日欠かさず作業時間を確保するために、平日は毎朝6時から3時間ビデオ通話で繋ぎながら作業をし、週末もどちらか1日は集まって、丸一日作業をするようにしました。実際には週あたりの作業時間は倍程度にしかなっていないのですが、毎日取り組むことでリズムが生まれたのか、体感では生産性が5倍くらいになったように思います。

私は元々夜型だったためすぐに挫折するだろうと思っていましたが、意外と慣れればキツくないばかりか、生活リズムが整い本業の生産性も向上したように感じます。起業するかはともかく早起きは超おすすめです!!!

とはいえ、日中に副業の予定を入れにくいという点もあります。この点に関しては、メルカリがCOVID-19の感染拡大を受けフルフレックス制度を試験的に導入していることと、オンライン化が進んでいることに大きく救われていると感じます。

強い意志を持つ必要がある

メリットのところで、副業で起業することで金銭的にも精神的にも余裕が持てる、と書きましたが、これは言い換えれば「起業をやめても金銭的にも精神的にも困らない」ということです。そのような状況下でプロダクトを詰めるだけでなく、目先はお金にならない煩雑な事務手続きなどもする必要があります。生活がかかっていれば誰でも本気になりますが、そうでない状況で事業を進めていくには、相当の思い入れがないと難しいと感じています。

私たちの場合、3人とも自分たちの事業に強い確信度と思い入れを持っており、新しい価値を世の中に創出するという強い使命感を持ちながら進めているため、幸いモチベーションの維持に苦労していませんが、一般的にはこのデメリットが一番の障壁となるかもしれません。

副業で起業するという選択肢もあり!

以上、副業で起業することのメリットとデメリットについてご説明してきました。もちろん必然的に労働時間は長くなるため大変ですが、それでも副業で起業するメリットは大きく、このやり方がマッチする人も少なくないのではと思います。

多くの方がフルタイムで事業に取り組んでいる中、副業で取り組んですぐにうまく行くような簡単な世界ではないと重々承知しつつも、私たちにとってはこのやり方が最適だと信じ進んでいます。

未だサービスもリリースしておらずどう転ぶか分からない中でこのやり方を強く人に勧めることはできませんが、副業を検討している方、もしくは起業を検討している方にとって、副業で起業するという選択肢もあるということをお伝えできていれば幸いです。

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