【46歳からの起業】1年後の体験談

はじめまして、XR系のDXコンサルタントとして開発受託やWEBマーケティングなどの業務をメインに行っている、株式会社カトルセの橋本(@kentaro_catorce)と申します。

私は大手住宅設備メーカーの情報部門からキャリアをスタートし、その中で住宅業界向けのSaaS事業の立上げと運営を行い、その後46歳で会社を辞めて起業しました。

ちょうど2020年はコロナで経済状況も良くない事もあり、周りからはすごく心配されました。

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46歳で起業した理由

40歳の時に社内ベンチャーで立上げたSaaS事業にフルコミットすべく一度会社は退職し新規事業会社に転籍して、ゼロからサービスを立ち上げてきたので、サービスへの思入れも強かったですし大企業の母体にいるからこそ可能な大きな金額の投資や、大人数でのプロジェクトはやりがいがあったのですが。。。

とはいえ、いくつかのストレスは年々蓄積されていっていました。

小さなストレスとして

  • 限られた予算の中でやりくりする為、やり方を考える事よりも、むしろアイディアをいかに理由をつけてやらない結論にもっていくかに時間をかけるようになっている
  • 稟議や各種申請で文書作成や社内根回しにかなりの時間が必要になる。年々増加していく。

大きなストレスとして

  • 色んな人から様々な事業相談を受けるが、本業と違う領域だったり、カニバリが起きたりして相談に乗る事ができない
  • 60歳で一区切りつけるとして後14年で仕事で何を残せるか?
  • 今の本業の延長に自分の存在価値を見出せるのか?

という思いがありました。

そんな中、コロナが自分の生き方や存在意義を考え直すきっかけになり、もっと自由に、周りに気をつかわず、周りを気にせず、一緒に働いたら楽しそうな人と楽しみながら仕事をしたいし、沢山のプロジェクトに関われば、残りの社会人人生でより多くの物を残せるのではないか?

と考えていたら、居ても立っても居られないと想い自分の会社を作って、会社を辞める準備をしていました。

年齢は正直遅すぎるも、早いも関係ないと思っています。自分は新しい事やチャレンジする事が好きでそういう仕事を沢山したいと考えているので、そういう仕事をあと何年、どれくらいできるの?って考えたら答えは独立する事でした。

年齢は背中を押す為の一要素って位ですかね。

起業して1年を振り返る(立上げ初期)

会社を作る際に、個人事業主か合同会社か株式会社か、働く器をどう作るかって所に最初の意思決定が必要になります。一般的に年間売上1000万円を超えた位から株式会社化するのが税制面としてもいいとされています。

このサービスを作って世の中を変えたい!といった大きな夢があったわけでもなく、まずは小さく自分が自由さや楽しさを感じる働き方が出来ればいいという想いだけだったので、個人事業主でも良かった気がしますが、私は株式会社でスタートしました。

ですが、結果的にはこれで良かったなと思います。

はじめは一人社長で案件を具体化する所からでしたが、今まで相談を受けていたネットワークから仕事を何件かもらえるようになったのと、その中で大きな新規事業の開発受託案件も担当出来る事になりました。

起業は難しい?

フリーランスになりたい、起業したい

そう思っても、でも経営はわからないし、やることが難しそう。と思っている方は結構多いのではないでしょうか?

私も最初はそうでしたが、全く心配する事ないと思います。やりながら覚えます。なんなら理解できなくともなんとかなります。

税務関係は全部税理士にお任せしてますし、雇用関係は社労士にお任せしています。苦手な事はプロにお任せすれば、自分は得意な事・好きな事に集中できます。

とはいえ、大企業にいた時は考えもしなかった事を全部意思決定はしなくてはいけなくなるので多少ゼネラリスト寄りに自然になっていきます。

今まで周りにいてくれた人たちに改めて感謝すると共に、本来こういうプロフェッショナルな関係性で仕事は回していった方が効率的だし気持ちよく仕事できるなと思います。やっぱり大企業の変な社内政治だったり調整だったりというのは無駄だと思いますね。

数字面から1年を振り返る

明確なビジョンがあったわけでもなく、練りになった事業計画もなく勢いで起業したわけですが、自分の中では、ただ自由に楽しく仕事ができれば大成功だと思っていたので不安は特になかったです。

結果、理由もない自信の元、運もあり良い1年になったと思います。この1年を数字面から振り返ってみたいと思います

  • まず年収ですが、約2倍になりました。
  • 出社回数:1年で1回だけ。バーチャルオフィスなので基本は自宅勤務でした。
  • 勤務時間:正確に把握できていないですが1.5倍位は働いた気がします。
  • 休み:完全に不定期に。ただクライアントとの打ち合わせさえなければいつもで休めるようになったので、急なゴルフのお誘いを受けてゴルフ休暇も取れました。
  • 稟議:ゼロ。稟議書が不要ってこれはすごいストレスが無くなったと体感しました。
  • 契約:24社と契約しました。最初の3社とだけ紙の契約書でしたがその後の21社は全て電子契約でした。これもすごく効率的になったしストレスも減りました。

起業のメリット

ちなみに、請求書も全て電子対応のみで実施したので、紙をほぼ使わないで1年運営できました。紙が無くなると本当に事務作業が効率的になるし、1人でも全然回せます。

こういった事務処理を効率化・迅速化するサービスや事業者はまだまだこれから伸びていくと実感するほど、やっぱりまだまだ日本の大多数の企業はアナログの処理や手続きをしています。フリーランスや起業しちゃえばそこから脱却できます。

最後に、会社の利益としても年収の数倍残せました。カードで納税したので、ポイントがものすごい事になりました。

サラリーマン時代から比べる使える経費枠も大幅に増えましたし、結果納税額も増えたし仕事の成果が自分にも世の中にも以前より貢献できていると実感できました。

無駄を徹底的に省いた1年の振り返り

数字で振り返りながら、改めて自分は大企業や大きな組織にいた時の手続きの複雑さ、社内調整・段取り・資料作りといった事に時間をかけるのが嫌だったんだなと実感しました。

ここで効率的になった事と実現したサービスを紹介しておきます

  • 電話秘書
    • これは絶対おすすめです。電話取らなくていいです。
    • 相手と要件を聞いてくれて折り返しができるので営業電話完全シャットアウトです!

  • 電子契約
    • メインではクラウドサインを使ってます。
    • 手続きが本当に楽になりました。
    • ただ、一番契約で楽になったのは法務部門への確認が無くなって自己責任でのチェックになった事ですね。
    • 以前の所属会社だと1年以上チェックに時間がかかった事もありました。特に海外企業との取引の際は長期化しがち。1年で4社の海外企業と契約しましたが今後も増えると思います。その都度法務確認していたと思うとぞっとします。
  • チャット/メール
    • 体感ですがチャット比率が95%は超えたと思います。
    • はじめましての数回だけメールで後はお客様とのチャットでやり取りするのが普通になりました。
    • ただ、ツールはお客様に合わせる事が多い為、結局世の中にあるチャットツール全部使うって事になります。
  • 法人カード
    • サラリーマン時代は持たせてもらえなかったので、これは便利です。
    •  殆どの経費はカード払いしています。
    • 納税もカードでしたのでポイントがものすごく貯まってます。
  • 会計/人事システム
    • freeeを使っていますが、見積書・請求書の発行も簡単にできますし税務知識なくても簡単に運用できて、やりながら理解できるようになっていきます。

    • これで本当に紙を全く発行せずに運用できたと思っています。
  • 法人口座(銀行)
    • 楽天銀行が最強です。

    • 特に海外送金がネットで即日送金出来ちゃいます。
    • メガバンクだと窓口じゃないと処理できないとかあります。
    • 海外送金以外でも1年間で一回も銀行に行かなかったです!

自分が好きなサッカー選手クライフの言葉で「ボールを走らせろ。ボールは疲れない」という言葉がありますが、すでにシステム化できる事・出来ている事を活用して、人が動かなくていいようにしたいと思います。

自分が作るシステムは、無駄な事を極力減らせる仕組みにしたいなと思っています。

事業ポートフォリオとパラレルキャリア

ここまで比較的いい事ばっかり書いてきたんですが、実際は良い事ばかりではなかったです。

事業ポートフォリオの見直し

一番ダメージが大きかったのはちょうど1年経った頃に、一番大きい案件が終了してしまった事と、そのあとに大型の開発案件のコンペに負けた事がタイミング的に重なり、一気に売上が大幅に下がる事がありました。

ここで改めて事業のポートフォリオを考え直さないといけないなと思いました。

次の案件を見つける・営業するという所にリソースはあえて投入せず開発受託に依存しないバランスを取れるようにと、新規のEC事業をはじめる準備を開始したのと、再販が可能にできるパッケージ・SaaSの開発を開始しました。

閑散期を楽しみながら案件獲得

それと忙しくて出来ていなかった写真撮影の方も週に1回は終日撮影出張に出かけて素材集めをしはじめました。この辺が起業して目標数字に縛られない自由に意思決定できる良さなのかなとも思います。

次の事業の柱を育てつつも、あえて忙しくない時期を楽しみたいなと思っていました。

そうしていると、やっぱり運は巡ってくると思いますが、新たな相談が数件連続で発生して開発受託の方もまた案件が増えてきました。さらに相談の延長で、サプリメントのD2Cの立上げをファウンダー兼代表として協力してほしいという話も出て会社設立の準備も進めています。

会社に所属している時は、会社が敷いたレールの上をそのレールの幅の中だけで動いているイメージだと思いますが、独立するとそのレールが一気に分岐してそのどれか1つだけを選ぶのではなく、すべての道に同時に走れる状態になるのが独立・起業・副業人生かなと思います。

自分から明確に変わろうとしなくても、環境が、周りの状況がおのずとそういうパラレルキャリアの道へ誘導してくれる気がします。

最後に

新たな出会いが新たな事業キャリアのスタートになりそうな事が本当に多いです。他人の夢に間近で関われたり、自分自身も今まで考えていなかった新たな夢を持てるきっかけにもなります。

これは若いうちに体験した方がいいのか?

年齢は関係ないのではないですかね?むしろ時間は有限なので残り時間がわずかと考えれる年齢が高い人たちの方が、今までの変化を貴重だと体感できるので、むしろ幸福度は高いのではないでしょうか?

なので、40歳過ぎてからの起業を強くお勧めしますし、応援したいと思っています!


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