データアナリストの3つの副業パターン。データの重要性と分析の流れ

あらゆる事業をグロース・効率化するのにデータの有効活用は欠かせません。ただ、リソースが限られている企業では、専属のデータアナリストを雇用する余裕がない場合も。そこで今回は、DeNA、メルカリといった国内メガベンチャーでデータ分析を担当してきた野中翔さんに、データアナリストを副業で雇用するポイントなどについて解説していただきました。

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事業グロースのためにはデータの利活用が重要

初めまして、野中翔と申します。現在Offersでデータ分析関連のサポートを副業で行っております。

元々DeNAでデータアナリストとしてのキャリアをスタートし、これまで様々な事業でデータ分析チームの立ち上げ・運営を行ってきました。直近では、株式会社メルカリのUS Mercari事業でデータ分析チームの立ち上げ・マネジメントを行っていました。

この記事では、データ分析の事業における役割、立ち上げに必要な諸々、副業データアナリスト/データサイエンティストの仕事の仕方等々について、自分の経験を元に書いてみます。これからデータ分析チームを立ち上げようとしている方々の参考になれば幸いです。

▲データ分析についてのイベント登壇時

WEBサービスのユーザービリティを改善し、ユーザーに価値のある体験を得てもらう。これは事業を成功させるために最も重要な要素です。成功体験を得られなかったユーザーの継続率は劇的に低くなり、結果的にサービスの収益性の悪化につながるからです。

メルカリを例にとると、アプリをインストールしてから商品を初めて購入する(=最初の成功体験)までには様々なフェーズがあります。

一連の流れの中で離脱してしまうユーザーは想像以上に多く、ほとんどのWEBサービスがこういった機会損失を最小限にするために改善を行ってます。ただ、多くの場合、リソースが不足するので、限られた開発工数で最大の効果を得られることが求められます。

この時、改善の優先順位は企画者に委ねられますが、一人の仮説・経験だけで精度の高い意思決定を行うのは限界があるため、データ分析を行って事実に基づいて判断していきます。

プロダクトマーケットフィットを探っている段階から、サービスをより多くのユーザーに使ってもらうフェーズに至るまで、開発のほぼ全ての工程にデータ分析は有用です。

必要なデータは事業フェーズによって異なる

どういったデータ分析が必要かは、次の2点によって大きく変化します。

  • 1.ビジネスモデル
  • 2.事業フェーズ

「とりあえずデータを集めておけばあとで使えるだろう」ではなく、まず「データをどのように活用していくか」を定義することが重要です。

またサービスを日々運用していると、データ分析関連の実装はどうしても優先順位を下げられてしまいがちです。しかし、スキップすることで将来不可能になる分析があるという感覚を持つことは、開発全体のコントロールのためにも非常に重要になります。

例として何らかのサブスクリプションサービスを考えてみましょう。初期フェーズでは、課金開始率を最大化し、解約率を最小化することが求められます。

サービスの認知から実際に課金を開始するまでの長いスパンでのファネルの改善が分析テーマとなります。この場合、ファネルの中に存在するそれぞれのアクションのログを取得できるか、それらをユーザーレベル、必要であればセッションレベルでジョインできるデータ構造になっているか等が重要になってきます。

広告を運用しているのであれば、流入経路によってユーザーの属性が異なるため、広告のパフォーマンス評価とサービスの改善を連携する必要があります。

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データの収集と分析環境の選定・構築

事業の成長に必要なデータを定義できた後は、収集(ログ設計)と、分析環境の構築に移ります。

すでにあるデータを活用できることもあれば、新たに仕組みを実装する場合もあります。分析環境のケーパビリティによって、データ収集に関するスペックも変化するため、集めるデータだけでなく、どういったツールを使用するかもセットで議論します。

また、KPIを確認したい頻度であったり、社内のデータ分析人材をどう育てていくか、といった要望もこの段階である程度描けていると、より高い精度で意思決定が可能になります。

分析環境に関しては、Red Shift, Big Queryなどのデータを溜める仕組み、Redash,Looker, TableauなどのBIツールの二つを選ぶ必要があります。

これらはどういったデータ分析が事業に必要とされているかと密接な関わりがあるため、早い段階でそういった大きな絵を描きつつ、できるだけ少ない労力で可能な環境を提案できる人材が求められます。それぞれの技術/ツールは料金体系も異なるため、そちらも注意するとよいでしょう。

データアナリストを副業でアサインする3つのcase

よほど大規模なサービスでない限り、専属のデータアナリストを雇うことは稀で、企画者やエンジニアが空いた時間で対応することが多いように思います。

そうした状態から一歩進み、データ分析にきちんと取り組むフェーズになると、データアナリストやデータサイエンティストを業務委託で探すようになります。

とはいえ、エンジニア・デザイナーと比べると、まだまだ副業としての働き方のイメージは曖昧です。ここでは私の経験をもとに、副業人材に対してどのように依頼する仕事を定義するか、どのような契約形態がありえるか簡単に書いてみました。

case1. これからデータ分析を始めたいと考えている

事業モデルを理解し、事業・組織の成長に合わせて必要になるであろう分析を定義できる人材が求めらます。ディスカッションベースで意見を聞くことがメインになり、必要に応じてどういったログを取得していくべきかなどの仕様を詰めていきます。

期間を決めて定期的なMTGに参加し、必要であれば延長を依頼することが多いように思います。

case2. データを溜め始めたが、まだ活かせていないと感じている

事業に必要なデータ分析が定義できていない場合は、case1と同じように、どのようにして事業をより成長させられるかをディスカッションします。

とはいえ、ある程度は実際の分析もできるので、いわゆるコンサルティングだけでなく、具体的な成果物も条件に含めることを検討します。

case3. データは十分にあり、スポットで特定のテーマに対して分析を依頼したい

社内や事業部内にデータアナリスト/サイエンティストがおり、追加で稼働する人材がほしい場合には、スポットで依頼されるケースもあります。注意すべき点は、データは集めているけど誰も分析したことがない場合。求めるデータ分析を可能にするデータを収集できていない可能性があるからです。

データ分析ができる前提で工数を見積もって金額を決定してしまうと、実際にほしかった結果を得られずに高い金額を支払うことになってしまうリスクを含んでしまいます。

分析テーマに対する現状のデータ/分析環境のケーパビリティを評価するフェーズと、実際の分析を依頼するフェーズを分けることで、リスクは小さくできるでしょう。

終わりに

この記事ではデータ分析を用いて事業をより成長させていきたいと考えている方に、どういったことが必要になるか、副業データアナリスト/データサイエンティストをどのようにして活用できるかを書いてみました。参考になれば幸いです。

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