エンジニアになるには大学に通うべき?メリットと影響を紹介

エンジニアになる方法はいくつかありますが、『大学で学ぶ』というのも選択肢の一つです。エンジニアになるために大学に通った場合、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。エンジニアになる方法とあわせて確認してみましょう。

エンジニアになるルートは複数ある

IT業界は慢性的なエンジニア不足に直面しているため、未経験者でも能力さえあればエンジニアとして活躍することは可能です。

これからエンジニアを目指す場合、どのようなルートがあり得るのでしょうか。

企業の求人に応募する

まず一つ目は、企業のエンジニア募集に応募することです。エンジニアは専門性が高く「未経験者がいきなり応募しても、面接さえしてもらえないのでは?」と考える人も多いでしょう。

しかし実際のところ、IT業界の人手不足は深刻です。

2016年に経済産業省が発表した『IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果』によると、15年時点でIT技術者はおよそ17万人不足していることがわかりました。不足状況は今後さらに深刻になり、30年には人材不足規模がおよそ59万人にのぼると推計されています。

経済産業省『IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果』

こうした事情から、近年は『未経験者の応募可』としている会社は増えています。きちんと準備して面接に臨めば、経験がなくともエンジニアとして雇用される可能性は十分にあるでしょう。

フリーランスになる

次に、エンジニアとして独立し、フリーランスで働くという方法があります。フリーランスとは企業や団体に属さず、個人で仕事を請け負う働き方です。

ただし、未経験からいきなりフリーランスになっても、仕事を獲得するのは困難であることが多いです。というのも、エンジニアは学歴や資格よりも実績が重視されることが多いためです。

フリーランスとして安定して活動していくには、まず実績作りから始める必要があります。「どうやって案件を探したらいいかわからない」という人は、クラウドソーシングサイトをチェックしてみましょう。多くの案件が見つかります。

まずは、そこで数をこなしていくとよいでしょう。実績さえ積めば、エージェントサイトに登録したり、自身で営業をかけたりなどして、より高額・好条件な案件を手がけられるようになります。

エンジニアリングを学ぶ方法

未経験からスタートするからこそ、エンジニアの基礎的なスキルや知識はきちんと身につけておく必要があります。エンジニアとして働くのに十分なレベルになるには、どうすればよいのでしょうか。

独学で習得する

独学はすぐにでも始められるうえ、学校に通うよりも低コストですむというメリットがあります。しかし一方で、モチベーションが途切れやすく、途中で挫折する可能性も高い学習法です。

教本などを使った独学に向いているのは、ある程度の基礎知識がある人です。初心者が専門用語だらけの教本を読んでも苦痛に感じるだけなので、まずは、専門用語などの基礎知識を仕入れてから本と向き合うことをおすすめします。

近年は、エンジニアリング学習者向けの無料Webサイトや講座があるので、講義スタイルの学習も並行して行うとよいでしょう。

ただし、エンジニアとして働くからには、スキルや知識をプロレベルまで上げる必要があります。教えを乞う相手がいない独学では、一旦行き詰まると、先に進むのが困難になる場合が多いでしょう。

専門学校

効率よく専門知識を身につけるなら、専門学校が望ましいでしょう。実践的な知識が身につくうえ、学校によっては修了後に仕事の斡旋をしてくれるところもあります。同じような仲間と共に勉強していくため、モチベーションを保ちやすく挫折もしにくいでしょう。

ゼロからスタートするにはベターな選択ですが、学費が発生する分、独学よりもコストがかかります。決められた講義を受ける必要があるため、時間的な自由も少なくなるでしょう。

とはいえ、プロの講師の講義が受けられるのは未経験者には大きなメリットです。わからないことがあっても質問して解消できるため、真面目に通えば着実にスキルが身につきます。

理工系や情報処理系の学部のある大学

大学に入って学ぼうと考える人は、理工系や情報処理系の専門コースがある大学を選びましょう。出身学部や学科で就職が有利に働くとは限りませんが、エンジニアとして働くのに必要なスキルや知識が学べる学科が望ましいと言えます。

日本の給与体系では大卒が高く評価されることが多く、会社によっては同じ仕事でも、専門学校卒よりも大卒の方が高年収になるケースもあるのです。

大学でエンジニアリングを学ぶメリット

知識やスキルだけなら専門学校や独学でも十分ですが、あえて大学に行くメリットとは何なのでしょうか。大学でエンジニアリングを学ぶメリットを考察します。

人脈が広がる

まず大きなメリットの一つが、人脈を広げられることです。専門学校の場合は同じ志の仲間が集まるため、知り合いや友人はIT分野関係ばかりになるでしょう。

一方、多様な学部・学科を持つ大学には、さまざまな分野の人が集まります。ここで積極的に人脈をつくっておけば、将来のビジネスに有益なつながりができるでしょう。

開発以外の知識を身につけられる

専門学校では必要な専門知識に特化して学んでいきますが、大学は『一般教養』も学びます。

一般教養は社会人としてのベースになるものです。きちんと学んでおけば幅広い知識が身につきますし、社会人として働く際に役立つこともあるでしょう。

IT分野に偏らない知識を持つことで、社会人として信頼され、他者とのコミュニケーションが円滑になるのです。

実践的な勉強は難しいというデメリットも

大学ではIT理論や体系をメインに学ぶため、実践的なスキルは身につきにくいと言われます。

大学卒業後に即戦力として働きたい場合は、大学の勉強と並行して、独学で実践的なスキルを学んでおくのがベターでしょう。

大学選びはキャリアに影響する?

エンジニアとして働く場合、卒業した大学によって大きな違いはあるのでしょうか。学歴が就職に与える影響について考えてみましょう。

実力があれば学歴は重要ではない

エンジニアの世界は、基本的に『実力主義』です。学歴よりも実績が重視されるため、どんな大学を出ているかは重要ではありません。年功序列がないため、若くても高年収を得られる可能性はあります。

その反面、実力や実績不足のエンジニアは、何年勤めても給与が上がりません。エンジニアとして着実にクラスアップしていくには、スキルを磨いて実績を積み上げるしかないでしょう。

ただし例外もあり、誰もが知るような大手IT企業の中には、学歴を重視するところもあります。

就労ビザ取得に影響する場合がある

企業で働くと、海外への出向を命じられることもあるでしょう。この場合、大卒の資格がないと就労ビザを取得できないケースがあります。

例えば、近年エンジニアの多くが勤務しているのは、中国やアメリカです。この両国はいずれも、就労ビザの取得要件に『大卒』を上げています。このほか、香港、シンガポール、ベトナム、カナダなども大卒の資格が必要です。

将来、エンジニアとして海外勤務もしてみたいという人は、大学に進学する、あるいは大検をとっておいた方がベターでしょう。

まとめ

エンジニアは、学歴よりも実績やスキルが重視されます。なるべく短期間で効率よくスキルを身につけたい人は、大学よりも専門学校に通った方がよいと言えます。

ただし、将来は海外で勤務してみたい、海外を拠点に活動したいと考えている人は、『大卒』という資格が必要になります。

まずはエンジニアとしてのスキルアップに注力するのがベターです。どのような方向を目指すかを考え、必要な知識を学ぶ場所を決めましょう。

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