フリーランスも健康診断を受けよう
自分ではわからない体の変化を、客観的に知ることができるのが健康診断です。しかし、定期的に会社の費用負担で健康診断を受けられる会社員と違い、フリーランスは自分で予約し費用負担して受けなければいけません。
そのため、金額面での負担が大きく感じますが、長く働き続けることを考えるなら定期的に受けることをおすすめします。
健康診断の必要性
フリーランスには有給休暇がなく、傷病手当もありません。病気になって通院が必要になると、仕事をする時間が減ってしまいます。ときには仕事が受けられなくなることもあるでしょう。
仕事にあてられる時間が減ると、収入が激減したり、なくなったりしてしまいます。病気やケガをしてしまうことが収入の減少に直接つながっているのです。そのため、フリーランスこそ定期的な健康診断を受けましょう。
早めに異常に気付くことができれば、生活習慣を見直すことで大きな病気を予防できます。また、定期的な健康診断があることで、健康を意識することにつながるのです。
予約や検査の流れ
健康診断は頻繁に受けるわけではないため、予約や検査の流れがよくわからないという人もいるでしょう。
健康診断はどのような流れで実施されるのでしょうか?予約の方法から検査結果が届くまでの流れを解説します。
予約と資料受け取り
まず行うべきは「予約」です。病院が指定する期日までに予約をしましょう。そこで、自分が受けたい検査と予約日を確定します。
予約の電話では、健診のコース・希望日・名前・住所・生年月日などの確認があるので、きちんと答えられるように準備しておくとスムーズです。
無事予約が完了すると、必要資料が送られてきます。問診票・採尿スピッツ・検便容器などが入っています。必要に応じ資料へ記入し、採尿などを終えた上で健診当日に持参しましょう。
健診当日
健診当日は、予約時間に合うように受付を済ませましょう。そこで、持参した問診票や採尿スピッツなどを提出します。
次に着替えです。検査着やガウンに着替え、検査がしやすいよう準備を整えましょう。
準備が済んだら、順番に健診を受けます。複数の検査エリアがあるので、スタッフの案内に従って進み、それぞれの検査を受けましょう。
全ての健診が済んだら終了です。着替えて支払いをします。
健診結果の受け取りと説明
健康診断の結果は、健診からおよそ3週間後に送付されます。特に問題がなければ、病院へ行って説明を受けることはありません。
健診結果について医師に聞きたいことがある場合や、正常値の範囲外だったので二次検査を受けたいという場合には、問い合わせをしましょう。
予約の方法
全体の大まかな流れを確認しましたが、改めて予約について詳しく見ていきます。スムーズな予約のために必要な事項について解説します。
電話やネットで予約
予約は電話やインターネットで行います。病院や健診センターなど医療機関の定める方法で連絡しましょう。
このとき、手元に保険証を用意しておくのがおすすめです。
医療機関によって予約の期日が違うため、チェックしておきましょう。2日前でも予約可能なところもあれば、3週間前に予約が必要なところもあります。
病院や日程を決めておこう
病院を決定するときには、まず提携医療機関の有無を調べましょう。加入している健康保険組合によって、提携先は異なります。提携先がない場合には、自分で医療機関を探すことになります。
希望の日程もあらかじめ決めておくのがおすすめです。希望日時をすぐに伝えられると、スムーズに予約ができます。
1年前から予約可能な医療機関もあるため、予定がわかり次第早めに連絡すると確実です。
また、予約の期日が決まっている医療機関もあります。検査内容によっても期日が異なる可能性があるので注意しましょう。
予約なしで受けることは可能?
健康診断の予約は、必ずしも必要というわけではありません。中には予約なしで当日中に受けられる医療機関もあります。
予約なしで健康診断が可能な場合、どのような流れで受診できるのか解説します。
予約不要の場合も多い
医療機関によっては、診察時間内の来院でいつでも健康診断が受けられる場合があります。時間に余裕ができたときに健診が受けられるので便利です。
先の予定が立てられない場合には、予約不要の病院を選びましょう。予約が不要の場合でも、事前に電話をいれておくとスムーズです。
ただし、予約なしで受けられる健診は曜日や時間、健診内容が限定されていることもあります。希望する検査が基本的な健診内容に含まれない場合には、予約が必要な病院もあわせて検討し、再度問い合わせる必要があります。
ただし長時間待つ可能性がある
予約なしで健康診断を受ける場合、待ち時間が長くかかることがあります。医療機関の混雑状況や、健診希望者の状況により違いますが、混み合っていると、長時間待たなければいけなくなります。
また、あまりにも混み合っている場合には、予約なしの健康診断を受けられないこともあります。せっかく来院しても、後日改めて行かなければいけないこともあるのです。
自由なタイミングで受診できる方法ではありますが、病院の混雑状況によって待ち時間が大きく変わることがあるので、注意しておきましょう。
オプション検査は予約が必要
また、オプション検査を希望している場合には予約が必要です。健康診断は、検査にオプションを追加することで自分に合った内容にカスタマイズができます。
当日に追加できるものは限られていますので、オプションを希望する場合には、予約をして検査を受けましょう。
たとえば、腫瘍マーカーや大腸検査・骨粗しょう症検査・がんリスク検査などを希望している場合です。これらはオプションなので、検査を受けるには予約しなければいけません。
健診前日の注意事項
普段通りの生活習慣では、健康診断がスムーズに実施できないことがあります。スムーズな健診を行うために、前日の食事や水分補給の注意点を守りましょう。よくある注意点を紹介します。
食事や水分摂取の時間について
胃や血糖値の検査をする場合、前日の食事をすべて消化していることが大切です。
そのため、午前中の健康診断を受ける場合、前日の夕食は21時までに食べ終わりましょう。午後から健康診断の場合には、予約時間の10時間前からは何も食べずに過ごします。
夕食は暴飲暴食せず、ラーメンやピザなど脂質や糖質の多いものは避け、ヘルシーなメニューを適量食べるよう心がけましょう。
水分摂取は水かお茶を飲みましょう。お茶でも、砂糖やミルクが入っているものは食事と同じ扱いなので、無糖のものにします。当日は2時間前まで水分摂取できますが、飲めるのは少量の水のみです。
また、前日の飲酒は禁止です。毎日晩酌をしている人は、習慣的につい飲んでしまった、ということのないよう気をつけましょう。
薬の服用について
薬を服用している場合には、問診票に記入するとともに、健診時の問診でも必ず服用していることを伝えましょう。薬が検査結果に影響を与える可能性があります。
また、薬は服用できる時間帯が決められています。前日の服用は21時以降も可能ですが、当日起きてから健診が終わるまでの間は、心臓病と高血圧症の薬しか服用できません。
自分の飲んでいる薬が、健康診断に影響を及ぼすものなのかどうか心配な場合には、主治医に相談しましょう。
また、サプリメントなど健康のために自主的に飲んでいるものについては、健康診断前日から当日までは飲まないようにします。
健診当日の注意事項
健康診断当日にもポイントがあります。注意事項を守り、健診をスムーズにすすめていきましょう。
スムーズな検査のために
当日は健診を受けやすい状態を整えます。まずは検査着に着替え、腕時計や金属のついたアクセサリーなどをはずしましょう。靴下も脱いでおきます。
女性はヘアスタイルにも注意が必要です。身長をはかるときや横になるときに邪魔になるような髪型はやめ、軽く束ねておく程度にしましょう。
健診当日に尿検査を実施する場合には、健診前のトイレは控えましょう。採尿するときに出ない、という事態を防ぐことができます。
また、各検査をするにあたり担当の看護師やスタッフからの説明もあります。説明をよく聞いて、その都度指示に従いましょう。
申し出が必要なケース
当日に体調不良になってしまった場合には、必ず問診の際に申し出ましょう。また、健診途中に体調不良になった場合も、必ず申し出るようにします。
アレルギーがある場合も同様です。採血で消毒に使うアルコールや、胃の検査で飲むバリウムにアレルギーがある人は、必ず医師に伝えましょう。
女性の場合には、妊娠やその可能性と月経についても忘れず申し出ます。現在の体の状況によって受けられる検査に違いがあるからです。
たとえば、月経中は子宮細胞診や潜血検査ができず、妊娠中は子宮がん検査・マンモグラフィ・胃部X線・胸部X線が受けられません。
申し出が必要なケースについては必ず医師や担当の看護師に伝え、検査に不備のないようにしましょう。
まとめ
予約をして健康診断へ行くと、スムーズに検査を受けられます。医療機関によって、予約できる期日が違うので、スケジュールが決まったら早めの連絡がおすすめです。
先のスケジュールがわからない場合、予約なしで健診できる医療機関を選ぶのもよいでしょう。当日の混雑状況によって待ち時間が長いこともありますが、空き時間に健診ができるのは便利です。
健康を維持し、安定して長く仕事を続けられるようにするためにも、定期的に健康診断を受けましょう。