システム監査技術者の年収
IT技術の進歩や発展とともに、情報処理システムの存在は会社経営にとって重要な位置を占めるようになりました。
情報処理システムが会社経営基盤の中できちんと役割を果たしているのか、客観的な視点で調査し判断するのが『システム監査技術者』の仕事です。したがってその責務は重く、社会的に注目が集まっている職業といえるでしょう。
ここでは、システム監査技術者の年収について具体的に考察します。
IT系資格の中では2番目
システム監査技術者試験は、経済産業省が認定する国家資格である情報処理技術者試験の中の『高度技術者試験』に位置付けられる難関試験です。
平均年収は、IT系の資格が必要な職業ではITストラテジストが一番高く、約670万円です。2番目に高いのがシステム監査技術者で約640万円といわれています。会社員の平均年収が約520万円なので、比較的年収の高い職業であることが分かります。
出典:国家資格の平均年収を難易度別・種類別でランキングにしました|平均年収.JP
資格だけでは決まらない
システム監査技術者は、資格を有するだけでは年収が高くなるとは限りません。企業は実務経験や人間性など他の要素も求めることが多く、資格だけでは年収は高くならないのです。
一方で、豊富な経験に裏打ちされた能力を有しているシステム監査技術者は高く評価され、1000万円以上の高待遇で迎え入れる企業もあります。
求人数の多さ
情報漏洩問題やシステムの不具合などが起これば、企業経営に大きなダメージを与えます。それだけシステムの整備は会社全体の中でも重要度が高く、システム監査やリスク監査の需要も高まっています。
ここでは会社のシステム全体の監査を担う、システム監査技術者の求人について解説します。
現在は少なめ
システム監査技術者の求人は、市場全体からみると少なめです。システム監査技術者の求人は監査法人のIT監査部が出す場合が多いのですが、そもそも監査法人自体の求人数が少なくなっているのです。
都市部であれば経営コンサルティング業界からの求人もありますので、こまめに求人をチェックしてみるとよいでしょう。
将来的なニーズは高い
金融業界を始めとした様々な業界では、システムに関する内部監査に力を入れている大手企業が増えてきています。しかし、大手企業ほどシステム監査に関する人材が不足している状況があります。
システムの脆弱性や不具合が引き金となり、大きな損害へつながるケースもあることから、改めてシステム監査のスキルを持つ人材に注目が集まっているのです。
したがって将来的に見ればシステム監査技術者のニーズは高く、いずれ求人数は上昇することが予想されます。
システム監査技術者へのなり方
高度IT人材として人気の高いシステム監査技術者ですが、どのようにすればこの職業につけるのでしょうか。システム監査技術者自体の数がさほど多くないことから、その実態を把握するのは容易ではありません。
ここではシステム監査技術者のなり方や、システム監査技術者に求められるスキルについて具体的に解説します。
知識、経験を積むこと
システム監査技術者に求められるものは、システム関連の確かな知識や、現場で培った豊かな経験です。情報システムを整備し会社のコンプライアンスに関わる重責を担うので、システム監査技術者には高い見識と信頼性が求められるのです。
これからシステム監査技術者を目指すのであれば、まずはITの現場で着実にキャリアを重ね、必要とされる知識や技術の習得につとめることが大切になります。
資格取得に努める
システム監査技術者の資格を取得することも重要です。難易度の高い国家資格であることから資格保持者の社会的な評価は高く、会社によっては受験を推奨するところもあるのです。
試験範囲は広く、基本的な知識だけでなく論文問題も出題されます。合格するためには過去問や参考書に取り組むなど、しっかりとした長期的な試験対策が必要になります。
転職情報をチェック
システム監査技術者は人材自体が少ないことから、必要としている会社であれば好条件で求人を出しているケースがあります。
条件の良い求人は人気が高く、早めに募集が終了してしまいます。情報を逃さないように、求人サイトや転職サイトをこまめにチェックするようにしましょう。
まとめ
システム監査技術者は、リスク監査やシステム監査の観点から非常に重要な人材として求められる職業です。技術的な知識だけでなく経営的な視点で仕事に取り組む必要があり、高い知識や経験が求められます。
システム監査技術者になれば現職でもキャリアアップが望めますし、転職してキャリアアップを目指すことも可能です。人材が少ないので大切にされ、年収も上がる可能性が高いでしょう。
難関な国家資格なので簡単には取得できませんが、努力するだけの価値のある魅力的な職業だといえるでしょう。