システムアーキテクトとは
システムアーキテクトとは、システム開発の上流行程において開発に必要な要件定義を行い、要件を実現するためのシステム設計を行う上級IT技術者に必要な資格です。具体的な資格の内容と、試験の概要について解説します。
上級エンジニアを目指す際に最適な資格
システムアーキテクトは経済産業省が認定する国家資格『情報処理技術者試験』の1つです。試験ではシステム開発における要件定義や外部設計など、上流工程に必要な知識が問われます。
また、実務ではITコンサルタントが策定した戦略を情報システムに落とし込むための設計やシステム全体の構成の把握、工程の概算見積もり、リスクに対する技術の検討、システム全体を俯瞰した技術的指導や調整などを行います。
以上のことから、システムエンジニアが上級エンジニアを目指す際に必要な資格だといえます。
試験概要
システムアーキテクト試験は午前I・午前II・午後I・午後IIの4つの試験で成り立っています。試験時間や出題形式は以下のとおりです。
- 午前I(50分):四肢択一(30問)
- 午前II(40分):四肢択一(25問)
- 午後I(90分):記述式(4問中2問解答)
- 午後II(120分):論述式(3問中1問解答)
また、上級エンジニア向けの試験ということもあり、出題範囲はテクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系と幅広い分野から出題されます。
システムアーキテクト試験の難易度は高く、情報処理技術者試験の中でも最高位のレベル4に設定されています。合格するためには効果的な学習計画が必要です。なお、平成30年の合格率は12.6%でした。
おすすめの参考書
難易度の高いシステムアーキテクト試験に合格するためには、効率よく学習を進める必要があります。学習の基礎となる参考書の中から、おすすめのものを紹介します。
システムアーキテクト合格教本
システムアーキテクト試験は、午後IIの論述試験で質の高い論文を書くことができるかどうかが合格の鍵です。『システムアーキテクト合格教本』は主に論文対策にスポットを当て、論文攻略のために必要なポイントやテクニックを数多く紹介しています。
また、付属のCD-ROMには5年分の過去問題と解答・解説のほか、解答用紙も収録されています。うまく活用すれば本番に近い状況で試験勉強ができる本です。
- 商品名:平成30-01年度 システムアーキテクト合格教本
- 価格:3564円(税込)
- Amazon:商品ページ
2018 システムアーキテクト「専門知識+午後問題」の重点対策
『2018 専門知識 午後問題の重点対策』も午後問題にスポットを当てた参考書です。午後問題に必要な専門知識を絞り込んで丁寧に解説しているほか、間違いやすい事例を紹介し、テクニックや学習方法など役立つ情報が多数紹介されています。
また、間違えやすい事例やコメント、添削済み論文、合格者の声なども掲載されています。受験者にとって心強い参考書になるでしょう。
- 商品名:2018 システムアーキテクト「専門知識+午後問題」の重点対策
- 価格:3996円(税込)
- Amazon:商品ページ
情報処理教科書 高度試験午前I・II
全高度試験の午前試験対策としておすすめなのが『情報処理教科書 高度試験午前I・II』です。午前試験の過去問題を分析し、よく出る問題や再出題される可能性の高い問題が選定されています。
問題演習中心の教科書なので効率よく学習を進めることができ、問題に関連する知識の解説も充実しているので、類似の問題が出題されても対応しやすくなるでしょう。
- 商品名:情報処理教科書 高度試験午前I・II 2019年版
- 価格:3110円(税込)
- Amazon:商品ページ
過去問をWEBで探す
システムアーキテクト試験に合格するためには、過去問を数多く解いて出題パターンを理解することが求められます。過去問は紙の参考書だけでなく、WEB上でも解くことができるので利用しましょう。システムアーキテクト試験対策に有効な過去問サイトを紹介します。
IPAの公式サイト
情報処理技術者試験を行っているIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)のサイトでは、過去に行われた試験の問題と解答、午後試験に関しては採点講評をPDFファイルで公開しています。
公開されているのは問題と解答だけで、解説がついていない点に注意してください。間違えた箇所は参考書で調べ、徹底的に理解を深めましょう。
おすすめの過去問サイト
Web上で午前問題を解くことができる過去問サイトもあります。サイトにアクセスすると四択問題が表示され、正解を選ぶ形式なので気軽にチャレンジできるのが特徴です。
スマートフォンからアクセスすれば移動中などのスキマ時間に問題を解くことができます。このようなスキマ時間学習の積み重ねが試験合格への近道です。
まとめ
システムアーキテクトは情報処理技術者試験の中でもレベル4に位置する難易度の高い試験です。合格するためには広く深い知識を身につける必要があります。特に論文対策が鍵となるので、参考書や問題集でしっかりと学習しましょう。
難易度が高い試験だけに、合格すれば高い能力を証明することができます。企業によっては資格手当が出ることもあり、活躍の幅を広げることができるでしょう。