クライアントに巡り合えないフリーランスのための7つのチェック事項

案件が一度も途切れたことのないフリーランスは何割いると思いますか?フリーランスにとって案件の確保は死活問題です。仕事が自動的に割り振られる会社員とは違い、自分の仕事は自分で作りださなければなりません。案件がなくなりそうな時にチェックすべき項目と参考になる記事を紹介していきます。

『収入が安定しない』と答えたフリーランスは64.4%

売上が確保しづらいというのはフリーランスにとって決して珍しいことではありません。条件の良くないクライアントであればいつまで契約が続くかわかりませんし、病気やケガで自分のパフォーマンスが落ちれば当然案件は無くなってしまいます。

不安定なフリーランスの生活

フリーランス協会のアンケート調査の結果によると、『フリーランスを続けるうえで障壁になるものは?』という問いに、64.4%のフリーランスが不安定な収入と答えました。

フリーランスで働いている人の半分以上が自分の生活を不安定と感じていることがわかります。

仕事がない時にフリーランスがすべきこと

「案件のないフリーランスってもしかして無職と同じ…?」「自分はだめだ…」「これからどうしよう。」

突然クライアントから契約を打ち切られ案件がなくなると、不安に駆られ、焦燥感に煽られ、自己否定に陥ることもあるでしょう。しかし、ネガティブになってばかりいられないのが現実です。そんな時フリーランスはどうすればいいのでしょうか。

仕事がないときに見直すべきこと

仕事がないときにすべきなのは、もちろん次の仕事を獲得するための準備です。とにもかくにも仕事がなければ生きていけません。貯金を切り崩して生活することになりますから。そんな時に見直したいのは、自分が案件の獲得に至るまでの過程です。

  • 案件確保の方法
  • 自己アピールの方法

案件獲得までの過程というと、人材エージェントの選び方や面接の仕方など前者の方を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実は案件獲得において最も重要なのは後者の人脈です。フリーランス協会の「フリーランス白書 2018」によると、1141人のフリーランスの回答の内、案件獲得の経路としてダントツで多かったのが人脈でした。

つまり人脈の大前提となる自己アピールの方法も、面接などの直接的な案件確保の方法と同じくらい、案件を獲得するためには重要なのです。

出典:フリーランス協会|フリーランス白書 2018

知識を増やす絶好の機会

案件がなくなったことを無理にでもポジティブにとらえるならば、今まで手を出せなかったことにチャレンジする機会になるかもしれないと言えるでしょう。フリーランスのエンジニアやデザイナーであれば、「あのフレームワークを使って案件をこなしてみたい」「EC系の案件も扱ってみたい」と日々新しい知識や経験を手に入れたくなるもの。

しかし、案件が切れ目なく続いてしまい、自分のキャパが限界まで引き出されているとなかなかそのようなチャレンジはできません。自分の身が空いている状況をとてもポジティブに捉え、新しいことにチャレンジする機会と捉えればやる気が出てくる気がしませんか?

(1)案件確保の方法を再考する

案件が切れた時にまず確認すべきなのは、自分の案件確保の方法に改善点はないかということです。

フリーランスの経済規模は年率9%で拡大中

フリーランスの経済規模は2017年から2018年にかけて9%伸び、20.1兆円規模になるとの見通しを大手クラウドソーシング企業ランサーズが出しました。

規模の拡大だけでなく、フリーランスの報酬は同時期に12%伸びているとも述べています。これはフリーランスの案件が充実し、フリーランス経済が定着してきていることを表しています。副業の経済規模も8兆円規模に拡大しているとしており、いよいよ副業・複業が社会に浸透してきていることがわかります。

出典:ランサーズ|フリーランス実態調査 2018

案件がないのは自分に合った探し方ができていない可能性

しかし、このようにフリーランスに外注する企業や副業ワーカーを雇用する機会が増えているのにも関わらず、採用されないワーカーがいるのはなぜでしょうか。これには主に2つの原因が考えられます。

  • 1.そもそもワーカーのスキルに問題がある
  • 2.いいクライアントと巡り合えていない

1番の場合は研鑽あるのみですが、2番のように企業と個人がうまくマッチングできないことが原因の場合はとてももったいない損失です。いいクライアントに巡り合うために何をすればいいのでしょうか。

1.専用サービスで人脈から案件獲得を図る

フリーランスで働いている方は実感する場面が多いでしょうが、フリーランスの案件の獲得先は知人からの紹介を含めた自分の人脈経由のものが大半です。

フリーランスのための協会団体であるフリーランス協会が2018年にまとめた資料によると、フリーランスの案件の獲得経路を尋ねた質問に対し、69.8%のフリーランスが「人脈」と答えています。これは2番目に多かった「現在・過去の取引先」(57.8%)よりも大幅に多く、フリーランスにとっていかに人脈が大切かを物語る数字となっています。

出典:フリーランス協会|フリーランス白書2018

人脈の案件関連のサービスといえばFacebookやTwitterのようなSNSが代表的ですが、それはすでに活用しているという前提で話を進めていきます。その上で人脈形成に役立つサービスとしては、以下のようなサービスが代表的です。

  • Eight
  • LinkedIn
  • yenta

EightはSANSANの提供する名刺管理サービスです。一度案件を受注したクライアントの担当者や名刺交換会などで名刺を交換した相手とEight内でつながっておけば、新たに案件が発生したときに声がかかりやすくなるでしょう。声がかかる機会を待つだけなので受動的な施策ですが、コストはほぼかからないので試す価値はあるでしょう。

LinkedInはビジネス用のSNSとして有名なサービスです。名刺管理と同じように関わった人とのつながりを持っておけば、声がかかりやすくなるでしょう。また、フリーランスとしては協業出来そうな人に声をかけるなど、能動的な活用方法も考えられます。

yentaはビジネス用のマッチングアプリです。高い精度を持ったAIを使ったサジェスト機能が実装されており、効率的に人脈を広げることができます。yentaから案件につながっていると話すフリーランスも多くいる実績あるアプリです。

2.クラウドソーシングで低単価でもスキルアップに繋がりそうな案件を見つける

人脈を広げるのはとても有効な手段ですが、すぐに案件が欲しいというときにはやはりクラウドソーシングが有効です。クラウドソーシングというと低単価なイメージが強い案件獲得方法ですが、単発案件の数や検索性はエージェントサービスや案件紹介サイトを圧倒します。

もし、経験は短いが勉強がてら使用したい言語があるなど、スキルアップのために利用したい場合はクラウドソーシングで探してみるといいでしょう。低単価なイメージがついてしまい、専業フリーランスには敬遠されがちなクラウドソーシングサイトですが、最近では案件を重ね実績を積めば高単価な案件をオファーもあるとのことです。

敬遠していたクラウドソーシングを使って今後のために案件をこなすのもいいでしょう。

3.団体に所属する

やや飛び道具的な案件獲得の方法になりますが、業界団体に所属してそこに流れてきた案件に応募するという方法もあります。フリーランス業界にはFreelanceNowのようにフリーランスの互助組織がいくつか存在します。

フリーランス一人一人が企業と直接つながるのはとてもコストがかかることですが、このような団体が間に入ることによって、案件とフリーランスをマッチングするハブの役割を果たしているのです。業界団体に加入して、案件を獲得するチャンスを増やすのも手でしょう。

4.人材エージェントを使う

人材エージェント経由の案件獲得は、先ほどのフリーランス協会の調査結果によると実はそれほど多くありません。しかし、給与ベースでみると案件の平均単価が一番高いのは人材エージェントからの案件です。高単価な案件をこなしたい場合や人脈に頼らずに案件を獲得したい場合は検討するといいでしょう。

(2)アピールの方法を再考する

2つ目はアピールの方法を再考することです。人脈のお話のところでも述べましたが、フリーランスにとって質の高い人脈は案件を安定して獲得するためにとても大切なことです。

フリーランスにとってアピールは大切

フリーランス協会の資料によると「自分自身の広告宣伝活動」で案件を獲得したことがあると答えたのは31%で「人脈」「過去の取引先」に次いで3番目でした。案件獲得の経路としてはポピュラーではあるものの、決して一般的ではないと言えます。

しかし、自己アピールの効用に関しては、WEBやSNSを用いた自己アピールがきっかけとなり人脈形成に役立つ側面は無視できません。加えて、残りの70%が活用していないか、活用したくてもできていない案件獲得方法で強みを出すことは案件獲得の面において、他のフリーランスに比べた時大きな差別化になるのではないでしょうか。

5.SNSで積極的に発信

自己アピールの方法として最もポピュラーなものはSNSで積極的に発信することです。フリーランスのSNS活用術については、misocaの『SNSから仕事を獲得しているフリーランスが教える、10の具体的な活用術』にわかりやすくまとめられています。

6.ブログやポートフォリオサイトを作る

ブログやポートフォリオサイトなど自分のメディアを作って発信力を高めることも有効です。WordPress等で一からサイトを作る時間が取れない場合やSEOなどを考えるのが大変なときには、はてなブログのようなブログサービスを利用するのがいいでしょう。

フリーランスの中にはメディア発信力が高まった結果、他サイトからインタビューの依頼を受けるようになり、そのインタビューを見た担当者から案件の連絡があったという事例もあるようです。

ブログなどを運用するメリットは、ブログ経由で直接、潜在クライアントにリーチできるだけでなく、ブログが運営者の顔になることにより思わぬところで波及効果が生まれるところにあるでしょう。

7.勉強会や交流会に参加する

勉強会や交流会に参加して知見を深め、人脈を広げるのも有効です。勉強会などで技術的トレンドやノウハウについて知見を深めることはもちろん重要ですが、人脈形成の観点からもオフラインイベントへの出席は貴重な機会になります。

勉強会や交流会では、対面したときにいかに相手に覚えてもらうかで、案件が発生したときに指名されるか否かが決まります。

対面したときに相手に覚えてもらう方法としては「文系フリーランスって食べていけるの?」というブログの「名刺を渡す瞬間に仕事を受注する方法」という記事で実用的なものが紹介されているのでぜひ参考にしてください。

まとめ

案件がなくなった時は、フリーランスや副業の経済規模が拡大していることから案件自体は増えていますので、なにか自分の案件の探し方に問題があるはずです。意図せず案件がなくなった時はとにかく焦るものですが、まだ試していないことに新しくチャレンジしてみるといいでしょう。

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