発注に対するお礼メールのポイント
発注に対しての返信は、相手へ注文のお礼を伝えることができる機会です。ビジネスの場面で長文を送ることは避けるべきですが、一言でもお礼を添える習慣があると好印象につながります。
お礼メールを送る際にはどのような点を確認すべきでしょうか。
主な項目
発注メールにはお礼に加えて、発注内容に誤りがないかを併せて確認しましょう。必要となる主な項目は以下です。
- 商品名
- 個数
- 金額
- 納品先
- 納期
- (備考欄や特記事項)
特に、個数・金額や納品日については、相違があると迷惑がかかってしまうため、しっかりと確認しておきましょう。
正しい敬語を使う
取引先に送るメールは、言葉遣いや敬語の扱いにも注意が必要です。話すことが得意な人であっても、口語体と文語体とでは用いる言葉が異なります。
ビジネスメールでのやりとりの際に、使用頻度が高い敬語を紹介します。
- もらいたいです:いただきたいです
- 思います:存じます
- もらいたいと思います:いただきたく存じます
- します:いたします
- 言ってください:お申し付けください
- 中身をよく確認してください:ご査収ください
また、敬語の他にも誤字や脱字がないよう、メールを送る前に文面の見直しを行いましょう。
納期についても記載する
依頼者にとって、重要なことは『希望日までに商品が納品されるか』という点です。
依頼者からのメール内容に納品日の指定や相談がある場合は、改めて納品スケジュールを確認しましょう。また、納品スケジュールに変更がなくとも、返信時に納品日の記載を付け加えると、より丁寧な印象を与えることができます。
お礼メールの例文
相手に丁寧な印象を与えることができれば、継続的に依頼を受けることにもつながります。好印象につながる書き方の基礎を学びましょう。
項目ごとに、具体的にどのような書き方があるかを紹介します。
宛名や結びの書き方
発注メールをもらった際に、依頼者の宛名がわかる場合とわからない場合があります。それぞれのケースに応じて、宛名を書きましょう。
また、結びの挨拶は面識の有無によって大きな差はありません。ここでは、一般的な内容を例として紹介します。
- 宛名の書き方(相手がわかる場合)
○○会社
△△部 ××課 □□様
- 宛名の書き方(相手がわからない場合)
例1:
○○会社 △△部 ご担当者 様例2:
○○会社
△△部 御中
- 締めの書き方
例1:
ご不明な点がございましたら、お気軽にお申し付けください。
今後とも、何卒よろしくお願いいたします。
例2:
ご相談事項等がございましたら、何なりとお申し付けください。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
初めての場合の挨拶文や本文の書き方
メールは文字のみのやりとりであることから、対面に比べて、内容の温度が伝わりにくい傾向があります。メールでのやりとりであっても丁寧な印象を与えるために、初めての場合には簡単な自己紹介を挟んでおくとよいでしょう。
- 初めての場合のメールの参考例
お世話になっております。
私、株式会社○○にて営業(販売)を担当しております、□□と申します。
この度はご注文いただき、誠にありがとうございます。
ご注文の件、頂いた条件にてお見積もりを作成いたしました。
添付ファイルにて送付いたしますので、ご確認いただけると幸いです。
なお、ご注文内容が確定しましたら、正式な注文書を手配いただきますようお願い申し上げます。
面識がある場合の挨拶文や本文の書き方
面識がある場合は、発注のお礼と要件を端的にまとめたメールがおすすめです。
- 面識がある場合のメールの参考例
平素より大変お世話になっております。〇〇(社名)の□□でございます。
この度は、お引き合いをいただき誠にありがとうございます。
ご注文の件、確かに拝受いたしました。納品スケジュール等に変更はございません。
つきましては、正式な注文書をご用意いただけますと幸甚です。
返信の際の件名について
件名のマナーは特に決まりはありません。まずは代表的な2種類を紹介します。
また、件名の書き方は会社で統一されている場合もあるため、会社のルールを一度確認するようにしましょう。
Reを使う場合
ビジネスシーンにおいて『Re:』が失礼ではないかと迷う人がいます。しかし、『Re:』を使用することはマナーに反することではありません。
また、件名に『Re:』があることで返信されたメールなのか、新規のメールであるかの判断がつくため、あえて消去せずに用いるケースも多く見かけます。
ただし、メールの文面と件名が大きく異なる場合には件名を見直すべきでしょう。件名の内容を変更する場合には、ポイントとなる単語を抜いてしまったり、内容を大きく変えてしまうと、相手がメールを探すときに手間をかけてしまう恐れがあるため、相手目線で書き換えることが大切です。
件名を変更する場合
別のやりとりをしていた流れのまま、発注メールが送られてきた場合には件名を変更し、メールを分けるほうが親切です。一つのメールの中にたくさんの内容が含まれている状況は、互いにとって内容の把握が難しくなってしまうため、意識的に分けるようにしましょう。
加えて、件名を変更する場合には、相手が一目見ただけでメールの目的がわかる件名がおすすめです。また、件名には、商品名や依頼内容などのポイントになる単語を入れることで、過去に遡って検索をかけやすくすることができます。
- 件名の参考例
例1:
〇〇のご注文のお礼
例2:
〇〇のご注文ありがとうございます
例3:
【ご確認ください】○○について
返信のマナーについて
メールには、書き方以外にも細かなマナーがあります。些細で見落としがちな部分ではあるものの、意識することでより丁寧な印象を相手に与えることができます。
タイミング
メールをもらった際には、基本的に当日、難しければ翌日のうちに返信することが理想的です。
返信は早いに越したことはありませんが、忙しいときは遅れてしまうこともあるでしょう。しかし、相手からのメール内に確認・相談事項があった場合、連絡がないと心配をかけてしまうため、なるべく日を置かずに、返信することがおすすめです。
また、メールを送る時間帯についても配慮しましょう。メールに限らず電話においても、あまりにも夜が遅い場合は眠りの妨げにもつながる可能性があります。夜分になってしまう場合には、早朝もしくは始業開始時刻を目安に送付します。
引用
相手からの文面や日程調整時に、引用を用いるケースがあります。
引用箇所は『>』を用いて、わかりやすく表示させ、互いの認識に相違がないかを確認することができます。
- 引用使用の参考例
例1:
訪問日について、ご確認いただきありがとうございます。
下記日時にて伺わせていただきます。
>5/○ 15:00
例2:
>納品先を下記住所までお願いします。○○県□□市〜
納品先について、確認いたしました。
指定住所にて納品させていただきます。
まとめ
発注メールは、相手へ注文のお礼を伝えられる機会です。また、受領するだけではなく、注文内容に対して相違がないよう確認をすることで、ミスを防ぐことができます。
書き方には、ケースに応じてさまざまなポイントがあります。口語体とは異なりますが、一度覚えてしまえば、相手を問わず使用できる表現ばかりです。
メールは文字でのやりとりのため冷たい印象になりやすいですが、細かな表現やマナーを意識して、相手に丁寧な印象を与えられるように仕上げましょう。