納期回答書の書き方と例
先方から納期確認を受けて、回答を記すときに『納期回答書』を用います。回答書内には、記載すべき項目がありますので、漏れなく記載しましょう。回答書を作るときの心がけについても解説します。
目的や注意点について
納期回答書を書くときに心がけたいのは、照会状の意図を読み取ることです。なぜ照会状が届いたのでしょうか?最終確認のためということもあれば、不満解消のため、ということもあるでしょう。
ケースによっては、回答書内で謝罪する必要があるでしょう。先方の意向をくみ取り、的確な回答を行いましょう。
また、謝罪が必要なケースと判断した場合には、回答書だけでなく、訪問や電話などで直接説明する必要もあるでしょう。
主な項目
ビジネス文書として納期回答書を作成する場合、必ず記載すべき項目があります。
- 送信先:先方の社名・住所・電話番号
- 送信日付:送信した日時
- 送信枚数:記載しておくと送信漏れや紛失があった場合に分かりやすい
- 社名欄:自社の社名・住所・電話番号
- 備考欄:「ご確認ください」「ご連絡ください」など、確認を要する書類であると明記
これらの項目に加えて、注文番号や商品名などと、納入予定日を記載します。
回答書の文例
納期回答書に記載する文例を紹介します。ここで紹介しているのは、通常よりも納入が遅れる例です。
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拝復 平素は格別のお引き立てにあずかり、誠にありがとうございます。
さて、ご照会いただきました、〇〇の納入予定日ですが、〇月〇日を予定しております。遠隔地にある弊社〇〇倉庫より直接納入の予定となっており、通常より納入が遅れますこと、お詫び申し上げます。
まずは取り急ぎご回答申し上げます。 敬具
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細かな部分は、ケースによって変動します。文章全体の流れは『前文・主文・末文』で共通しています。この流れを身につけると、どんなケースでも適切な回答文が作成可能です。
メールで送る場合の基本
メールで納期回答書を送信することもあります。基本的に必要な内容は納期回答書と変わりません。ただし、ビジネスメールならではのルールに注意しましょう。
宛先について
送信するときに指定する宛先には『TO』『CC』『BCC』の3種類あります。それぞれ使い方が違うことに注意しましょう。
『TO』に入れるのは、主にメールを送りたい相手です。返信が欲しい相手へ送信するときには、これを使います。
『CC』は、情報共有のために使う宛先です。TOの相手へこのようなメールを送信しました、ということを知らせたい相手のメールアドレスを入れます。
『BCC』は、一斉送信に使われる宛先です。複数人のアドレスへ同時に送信できますが、他の受信者にメールアドレスが見えないようになっています。
3種類の宛先を適切に使い分け、失礼のないようにビジネスメールを送りましょう。
書き出しや用件
メールの書き出しは、誰宛ての内容なのかがはっきり分かるようにしましょう。『TO』に書いた人全員を記載します。
役職がはっきりと分かれていて序列が明確な場合には、役職順に上から記載しましょう。役職がはっきりしていない場合には、横並びで構いません。
『CC』に記載のある宛先は、情報共有なので、書き出しに名前を記載する必要は基本的にないでしょう。ただし、特に見てもらいたい人がいる場合には、それが分かるよう記載すると丁寧です。
『BCC』の場合、大勢に向けた内容なので『皆さん』『関係者各位』と書き出しましょう。
また、要件はダラダラ書かず、結論を先に書きます。簡潔で分かりやすい文章を心がけましょう。
結びや署名
メールの文末は、結びの言葉で終わりましょう。あいさつの言葉を最後に加えることで、印象のよいメールになります。代表的な結びの言葉を紹介します。
- よろしくお願いいたします:結びの言葉
- ご回答お待ちしております:返信を要するときの言葉
- ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます:検討を依頼するときの言葉
- ご不明な点がございましたら、お問い合せください:連絡を期待する言葉
- ご返信は不要ですが、何か不都合がありましたらお知らせください:返信不要の言葉
また、最後には署名を入れましょう。必要となるのは、会社名・自分の名前・部署名・電話番号・メールアドレスです。シンプルな方が好ましいでしょう。
返信の場合のマナー
返信メールにもマナーがあります。知らずに失礼な内容を記したり、分かりにくいメールになったりしないよう、基本的なマナーを押さえておきましょう。
件名について
返信をするとタイトルに『Re:』がつきます。基本的に『Re:』をつけたまま送信しましょう。返信メールだということがはっきりと分かるからです。
また、使っているメールソフトによっては『Re:』を取ると、ツリー構造が崩れて新規メールとみなされることがあり、これまでのやり取りが分かりにくくなってしまう懸念もあります。
引用について
引用を使うと、過去のメールの内容が分かりやすくなります。そのため『>(引用符)』を使って、前のメールの内容を入れ込んで返信することがあります。
ただし、引用はできるだけ短く大切な部分だけに使いましょう。ダラダラ長く引用すると、読みにくくなってしまうからです。また、引用部分は変更しないのがマナーです。基本的に誤字脱字があっても訂正せず使用しましょう。
まとめ
納期回答書には、記載すべき項目や決まったスタイルがあります。重要なポイントをおさえて、的確で分かりやすい書類を作成しましょう。
また、メールで送信する場合には、ビジネスメールならではのルールを守ることが大切です。宛先の使い方や、署名の書き方など、基本を大切に分かりやすいメールを送りましょう。