準委任契約とは?契約書を結ぶときに知っておきたい基本知識と注意点

仕事の発注を企業などから受注し、委任契約を結ぶことはビジネスにおいてよくあることです。しかし、一言で『委任契約』と言ってもいくつかの形態があり、それぞれ仕組みや法的な解釈が違います。こちらでは『準委任契約』に的を絞って解説します。

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請負契約と準委任契約について

契約形態は大きく分けて『請負契約』と『準委任契約』の2つがあります。まずは、これらの形態の違いを理解しましょう。

請負契約とは

請負契約とは『成果物を完成させることを目的として交わされる契約』のことです。例えばビル建設など、仕事の過程よりも完成することに意味がある業務の場合には、この契約が結ばれることが多いです。

請負契約の場合には完成責任があるため、報酬は成果物が完成してから支払われる仕組みになっています。また、作業の工程そのものはあくまでも受注側の裁量に任されています。

そのため、発注側は管理する権限を持たないのも特徴です。ただ、完成するまではいくら時間をかけても報酬が発生しないので、作業が遅れるほど時間単価が低くなるという厳しい側面もあります。

そして、この契約の場合は受注者側に『瑕疵担保責任』が生じます。つまり、完成後でも成果物に不具合が見つかった際には、修理する責任を負っているということです。

万が一この修理が不可能ということになれば、損害賠償を請求される可能性も出てきます。

※編集部注 2020年4月より民法改正が施行され「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に変わります。

準委任契約とは

実は、準委任契約のほかに『委任契約』という形態もあります。

これは、法的業務を委託する場合にだけ使われる形態を指します。しかし契約の仕組みについては、委任契約も準委任契約も同じです。

委任契約と準委任契約は請負契約と異なり、完成させる目的ではなく、あくまでも作業の処理や維持を目的に交わされる契約です。詳しい特徴について、次の項目からさらに解説していきます。

榎本希

請負契約とは民法632条に規定されている契約で契約当事者の一方が仕事を完成させ、相手方が仕事の結果に対して報酬を支払うことについて合意する契約をいいます。

準委任契約とは民法656条に規定されている契約で、法律行為以外の事務を委託する契約をいいます。

準委任契約の3つの特徴

ここからは、準委任契約について詳しく見ていきましょう。

働いた期間により報酬を受け取れる

準委任契約では、成果物の完成が求められているわけではなく、例えばサーバーのメンテナンスなど継続的な作業を必要とする場合に交わされます。

そのため、報酬は勤務している期間に合わせて、継続的に支払われることになります。なお、契約期間中は発注側の指示に従って業務をしなければなりません。

準委任契約の場合にも業務について指揮命令は発生しません。

そのため、発注側から業務内容について問われたときには、速やかに報告する義務を持ちます。また、契約期間が終了する際には、業務の経過や結果を報告する必要があります。

瑕疵担保責任がない

準委任契約の場合には瑕疵担保責任がなく、業務でエラーが発生しても修正義務を負っていません。とはいえ、業務に責任が無いということでもありません。

民法により『善良な管理者の注意をもって』作業を全うする義務が定められています。また、受注側は自分の事務作業を第三者に委任することは、基本的に禁止されています。

ただ、どうしても第三者に任せなければならない事情がある場合には可能です。

任意解除権がある

準委任契約の場合には、発注側・受注側共にいつでも契約を解除できる権利を持っています。しかし基本的には、契約を途中で解除するという行為は、やむを得ない事情がある場合にするものです。

相手側に不利な状況で契約を途中解除するなどの場合には、損害賠償を支払うことになる可能性もあるので注意しましょう。

榎本希

準委任契約の特徴を箇条書きでまとめると以下のようになります。

  • 成果物の完成ではなく一定の業務の遂行を目的とする契約である。
  • 請負契約とは異なり契約不適合責任はなく善管注意義務がある。
  • 当事者双方がいつでも契約解除することが出来る(ただし相手方に不利益な時期に解除した場合には損害賠償が発生する場合がある)

準委任契約を締結するときのチェックポイント

実際に準委任契約を交わす際に、注意すべきチェックポイントを紹介します。

提供行為は明確になっているか

まず確認することは、提供行為が明確になっているかどうかです。自分が交わす契約は、『本当に準委任契約なのか』『請負契約と間違っていないか』『自分の業務範囲はどこからどこまでか』という点などをチェックしましょう。

例えば、自分は準委任契約を交わしたつもりでいたのに、請負で成果物が無いと報酬を得られない契約だったということになったら報酬の受け取り方が全く違ってきます。

また、自分の業務は『この範囲まで』と認識していたが、実際始めてみると想定よりも広く、報酬が割安になってしまったという事態もあり得るのです。

このようなことが起こらないように、相手方としっかり話し合い、契約内容を共有しましょう。

報酬や費用負担

契約をする際は、報酬はいくらなのか、いつ振り込まれるのかなどをよく把握してから契約をしましょう。特に、フリーランスの場合は資金繰りに影響してきますので注意する必要があります。

また、業務で発生する費用はどちらが負担するのかをよく確認しましょう。一言で費用と言っても、材料費や旅費など細かいところを言えばきりがないくらい、さまざまな種類があります。

どこまで発注側が負担し、どこから受注側の負担になるのかを話し合いましょう。

法的な責任の所在について

業務を請け負う以上は、情報の漏洩などに細心の注意を払い、双方で個人情報の保護に努める必要があります。また、予想外のトラブル発生時にも責任の所在をはっきりさせておかなければなりません。

発生する可能性のある損害賠償の支払いをどうするのかについても、法律に照らしながら取り決めることが大切です。

榎本希

契約を締結する前に委託者と自分との間に業務内容についての認識のズレが生じないようにしっかり打ち合わせを行うようにしましょう。

また、報酬の発生タイミングや支払方法や支払日についての確認も行いましょう。

業務の内容と報酬を比較して自分にとって納得できる金額であるかもお互いに気持ちよく仕事をする上では大切です。

また、責任の範囲や費用の負担についてもしっかり話し合って不当に不利益がないように注意しましょう。

まとめ

専門の人や企業などに外注するということは、ビジネスにおいてよくあることです。これから準委任契約で契約を交わす際には、契約内容や報酬などの費用面、法的責任の確認を必ず行いましょう。トラブルを未然に防ぐことで、双方が気持ちよく仕事を行えるはずです。

榎本希 [監修]

医療機関・医大の研究室にて長年勤務をした後、行政書士試験を受験。医療系許認可をメインに扱う行政書士として、行政書士のぞみ事務所を開業。再生医療関係の許認可・診療所開設・医療広告ガイドラインに基づく医療広告のチェック等の他、任意後見・契約書作成・起業支援を扱う。

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