マスからコアへ、採用アプローチは変化している

株式会社overflow代表取締役
鈴木裕斗(写真右)
株式会社サイバーエージェントでAmebaプラットフォームの管轄責任者、iemo株式会社代表取締役、DeNAキュレーションプラットフォーム広告部長などを歴任した後、2017年6月に株式会社overflowを創業。

ソフトバンク株式会社コーポレート統括 人事本部 本部長 / 組織人事統括部 統括部長 / 未来人材推進室 室長
源田泰之(写真左)
1998年入社。新卒および中途採用全体の責任者。グループ社員向けの研修機関であるソフトバンクユニバーシティおよび後継者育成機関のソフトバンクアカデミア、新規事業提案制度(SBイノベンチャー)の責任者。ソフトバンクグループ株式会社・人事部アカデミア推進グループ、SBイノベンチャー・取締役を務める。2016年より設立した公益財団法人 孫正義育英財団の事務局長も兼任。さらに2018年よりディープラーニングのインキュベーション及び投資事業を行うDEEPCOREのHR Advisorも兼任。教育機関でのキャリア講義や人材育成の講演実績など多数。

多くの企業にとって、採用は0か100が当たり前でした。しかし、働き方改革によって副業・複業の解禁が徐々に広がっている今こそ、旧来の手法に囚われない、もっと柔軟な採用に取り組んでもいいのではないでしょうか。

そこで本企画では、経営者や人事担当者などとの対話を通じて、これからの時代における複業や採用の在り方について模索していきます。第3回目は、ソフトバンク株式会社の源田泰之さんに話を伺いました。

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ソフトバンクはリモートワークによって生産性が向上

鈴木:コロナの影響によって働き方は変わりましたか?

源田:今は在宅勤務がほとんどですね。それによって働くことへの意識も変化していると思います。世の中的にはリモートワークによって生産性が落ちたという結果も出ていると聞きますが、ソフトバンクでは真逆で、8割くらいが生産性は変わらないか、上がったとアンケートで回答しているんですよ。

鈴木:それはすごいですね。

源田:1つは「集中できるようになった」と。もう1つは「これまで移動に使っていた時間を有効活用できるようになった」という回答が多く見られました。あと面白かったのが、2020年11月に「学びに対する意識がどう変わったか」というアンケートを取ったところ、60%が「学習時間が増えた」と回答しています。

鈴木:学ぶ意識が変わったと。

源田:皆さん今の状況に対して多かれ少なかれ不安を抱いているんだと思うんですよね。だから、自分のキャリアについて考える人が増えたし、移動時間がなくなったから、その時間を学ぶ時間に充てることもできるわけです。

副業に対してもいろんな考え方がありますが、最近はお金を稼ぐ手段として捉えている人ってそんなに多くないんじゃないかなって思うんです。自分自身の腕試しだったり、成長だったり。そういう意識が芽生えている気がします。

しかも大企業だと仕事が細分化されてしまうので、本当はこういうスキルを身につけたいけどできないということも多いと思うんですよ。それがスタートアップだとマルチに動けることが多いじゃないですか。全体像を理解したうえで働く経験を積めるのは良いことだなと思います。

鈴木:それはすごくわかります。Offersでも金銭目的というよりは、ビジョンに共感したとか、自分のスキルが活かせそうだとか、そういうところから複業を始める方が多いので。

手挙げの文化を大切にしているのはパフォーマンスに影響するから

鈴木:ソフトバンクでも副業をしている社員はいらっしゃいますよね?

源田:「本業に影響を与えないこと」「本人のスキルアップや成長につながること」という条件付きではありますが、現在までに1,000件以上の副業を承諾しています。あと、最近社内副業の制度を整えました。期間、労働時間の比率などは決められているのですが、各部門がプロジェクトごとにほしい人材を募集することができる仕組みになっています。

鈴木:すごく良いですね。それによって自分の能力を他の場所でも活かせるわけですよね?

源田:そうですね。例えば、英語をビジネスレベルで使える社員は大体2000人くらい。ただ、彼らのすべてが語学力を活かして仕事をしているかと言われたら、残念ながらそんなことはなくて。そういう人たちにとって副業はチャンスですよね。もし海外とのやりとりが発生するプロジェクトがあったら、手を挙げて参加することができるので。

鈴木:ソフトバンクは「ジョブポスティング制度」や「フリーエージェント制度」などがあって、個人個人のアクションをすごく大切にしていますよね。

源田:ソフトバンクが手挙げの文化を大事にしているのは、そうすることで実際に数値としてパフォーマンスに良い結果が表れているからなんですよね。

鈴木:社員のみなさんのスキルはどうやって定量化しているんですか?

源田:1つは自己申告。あとはTOEICのスコアなど数値化できるものを記録するようにしています。これに加えて最近は、適材適所をデジタルで推し進めたいと考えていて。

というのも、現在はジョブポスティングもフリーエージェントもすべて個人の意志に委ねられているんですね。彼らが異動先でどのような評価を受けているのかも数値化して追っているのですが、1年くらいは下がることが多いんです。これは未経験の仕事を担当することになるので当たり前なんですよ。ただ、1年後から徐々に上がっていくのがわかっていて。それだけコミットして働けているから評価にも繋がっていると考えています。

そういう個人のパフォーマンスの向上をもっと効率的にできたらいいじゃないですか。統計的なデータからこういう素質を持っている人はこういう仕事が向いているということがわかってくると、適材適所をさらに推し進めることができる気がしています。ただ、まだデータが十分に集まっていないので、実用化できるのは数年後の話になると思います。

オンラインへの速やかな移行が採用にもポジティブに働いた

鈴木:コロナになってから採用はいかがですか?

源田:コロナの影響で求人をストップしている企業が増えていますが、ソフトバンクではコロナ禍でも業績が好調なこともあり、新卒採用も中途採用も計画通りです。

鈴木:すごいですね。

源田:実は2017年頃から在宅勤務をお試しで導入していて、そのノウハウがあったからコロナ禍でもスムーズに在宅勤務に移行できたのが功を奏したのかなと思います。面接もすぐにオンラインに切り替えました。

鈴木:実際に会うことがないまま採用するわけですか?

源田:そうですね。最終面接だけ対面でやる企業が多いと思うんですけど、ソフトバンクはすべてオンラインで行いました。そうすると内定を早く出せるんです。学生側には、こんなご時世だから早く就職先を決めたいというニーズも多い。だから、他の企業に先駆けて内定を出せたのは大きかったと思います。

それはインターンも同じです。2020年はインターンを見送る企業も多かったと思いますが、ソフトバンクはインターンの代替としてオンラインプログラムを企画・実施し、コロナ渦においても学生を800名程度受入しました。

採用にもマーケティング的な思考が必要になっている

鈴木:ソフトバンクで取り組んでいるDXについてもお伺いしたいです。

源田: 4年ほど前から取り組んでいるのですが、いろんなデータからわかってきたことがあります。新卒採用でも、どういうルートを経由してソフトバンクに興味を持ったのか、どういう選考を経て内定受諾まで至ったのかなどをすべて数値化しています。そうすると、いろんな課題が見えてくるんですね。それをひとつずつ改善しているのですが、一番効果があったのが選考期間を短くすることでした。

以前は1ヶ月に1度エントリーシートを確認して、その2週間後に合否を通達していました。それはすごく効率的ではあったのですが、そうすると面接がエントリーシートの合意結果がわかってから1ヶ月後くらいになってしまい、学生にとっては選考期間が長くなってしまうのがネックだったんです。だから、こちらの工数は増えてしまいますが、1週間ごとに確認して合否を通達するようにしたところ離脱率が下がりました。

鈴木:採用もマーケティングに近い発想が必要ですよね。集客率と転換率を考えながらPDCAを回していかないと結果に結びつかないというか。

源田:そうそう。とにかく母集団を増やすというやり方は、すごく効率が悪いと考えています。人数は集まったはいいけれど、来てほしい層が全然いない、なんてこともありますから。だから、ソフトバンクでは数年前からマス向けのアプローチをやめて、こちらから狙いを定めてアプローチをしていく方針に変えています。例えば「No.1採用」というものがあるのですが、これは「分野を問わずNo.1の実績を持つ人に応募してもらう」という採用手法です。過去に努力をして何らかの分野でNo.1の実績をとった人は、仕事でも活躍する可能性が高いことがデータでわかっているから実施しているものです。

鈴木:そういうデータを把握しておくと同時に、数字に対する感覚も養っていく必要がありますよね。

源田:すごく重要だと思います。これからの時代は、ますます多くのデータが取れるようになってきます。だからこそ、数字を把握するのはベーシックなスキルであり、そこから数字を読み解いてどのタイミングでアクションを起こしていくかを判断する感覚を培っておいた方が良いと思います。

執筆:村上広大
編集:村上広大
撮影:北村 渉

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