カメラのマウントとは?
カメラにはマウントと呼ばれる部分があります。そもそもマウントとは何なのでしょうか? マウントの概要を解説します。
ボディとレンズの結合部分
マウントとは、ボディとレンズの結合部分を指します。マウントはカメラメーカーによって異なるため、A社のカメラにB社のレンズを使うことは基本的にできません。また、同じA社のカメラでも、カメラのセンサーサイズによってマウントが異なる場合があります。
マウントには電子接点と呼ばれる部分があります。これはカメラとレンズの間で絞りやシャッタースピード、オートフォーカスなどの情報をやり取りするために必要なものです。
このようにマウントにはカメラとレンズを結合するだけでなく、情報のやり取りをする役割もあります。
マウントの結合方法は3種類
カメラのボディとレンズを結合するマウントは大きく分けて3種類あります。現在では使われていないマウントもありますが、それぞれの特徴について解説します。
昔から使われているネジ込み式
『ネジ込み式』のマウントは昔から使われている結合方式です。カメラとレンズの結合部分にそれぞれネジが切ってあることからスクリューマウントとも呼ばれます。
単純な構造で規格もオープンなので、世界中でさまざまなレンズが作られていますが、電子接点の実装が難しいため、現在のデジタルカメラでは使われていません。
現在の主流であるバヨネット式
『バヨネット式』のマウントは、現在もっとも使われている結合方式です。ボディとレンズにそれぞれ爪を持たせ、相互に回転させることによって爪を噛み合わせ、レンズを固定します。
爪の枚数は3枚が主流ですが、爪のサイズや位置、電子接点の規格がメーカーによって異なります。カメラメーカー間でレンズの互換性がないのはこのためです。
回転なしで着脱できるスピゴット式
『スピゴット式』のマウントは、バヨネット式と同じく爪を持っていますが、カメラのボディやレンズに締め付け用のリングが付いているのが特徴です。カメラとレンズを相互に回転させるのではなく、リングを回転して爪をかみ合わせます。
スピゴット式のマウントも現在ではほぼ使われていません。バヨネット式以前の古いフィルムカメラなどに多く見られるマウントです。
現在のカメラでねじ込み式のレンズを使う
ねじ込み式のマウントは現在使われていないため、現在のカメラで使うことができません。しかし、マウントアダプターを使えば、ねじ込み式のレンズを現在のカメラでも使うことができます。
マウントアダプターの概要と、旧式レンズの魅力や注意点について解説します。
マウントアダプターを使う
現在のデジタルカメラで古いレンズを使うためには、『マウントアダプター』と呼ばれる器具を使います。
マウントアダプターはその名の通り、カメラのマウントに装着するアダプターで、互換性のないボディとレンズを結合するために用いられます。単純にカメラとレンズをつなぐためのものから、電子接点を備えオートフォーカスに対応できるものまで、幅広い種類のマウントアダプターがあります。
マウントアダプターを使えば、古い規格のネジ込み式レンズでも最新のデジタルカメラに装着することが可能です。
旧式レンズの魅力
フィルムカメラ時代の旧式レンズを最新のデジタルカメラで使う、いわゆる『オールドレンズ』が近年流行しています。
旧式レンズはレンズの素材やコーティング方法が現在のレンズと異なるため、レンズによっては非常に個性的な写真を撮ることができます。最新のレンズに見られるシャープな描写は苦手ですが、どこか懐かしい柔らかな雰囲気の写真を撮ることが旧式レンズの大きな魅力です。
また、最新のレンズに比べると価格が控えめというのも魅力の一つでしょう。よく普及したカメラであればレンズも中古市場に多く出回っているので、数千円で買えることがあります。
旧式レンズを使う時の注意点
旧式レンズを使う時に覚えておきたい注意点がいくつかあります。
まず、旧式レンズにはマニュアルフォーカスレンズが多いということです。自分でピントを合わせる必要があるため、デジタルカメラのオートフォーカスに慣れてしまっていると戸惑います。
また、手ブレにも注意が必要です。現在のデジタルカメラは手ブレ補正機能がレンズに搭載されているものが多いため、旧式レンズを使うと思わぬところで手ブレをすることがあります。
ボディに手ブレ補正機能が搭載されたカメラを使えば、ある程度手ブレを抑えられます。カメラを構えるときにしっかりとわきを締めたり、三脚などを使ってカメラを固定したりすることも有効でしょう。
まとめ
現在は使われていないネジ込み式のマウントですが、マウントアダプターを使えば最新のカメラに装着することができます。古いレンズだからといってすぐに処分するのではなく、有効活用する方法がないか検討してみましょう。
旧式レンズの中には『銘玉』と呼ばれる素晴らしいレンズも多数あります。これらのレンズを使えば、写真の表現に個性を持たせることができるかもしれません。