シャッタースピードの基本
シャッタースピードとは、簡単にいうと『どれくらいカメラの中に光を取り込むのか』を決めるものです。
シャッタースピードが遅いと光は多く取り込まれ、逆にシャッタースピードが速いと光の量は少なくなります。
シャッタースピードとは
シャッターボタンは押している間だけ、奥にあるセンサーに光が取り込まれ、その瞬間を写真として映し出します。その写真の仕上がりを適切な明るさにするために、センサーに当たる光の量を調節します。
この調節は、『1/1000秒』という人間では把握できないスピードから、『2秒』といった長めの時間まで、状況に応じて変えることになります。
シャッタースピードの効果
シャッタースピードは文字通りシャッターの速度なのですが、『1/60』『1/125』『1/250』『1/1000』などと記載されます。分母の数が大きいほどシャッター速度は速くなり、よりブレにくい撮影が可能となります。
たとえば、『1/1000』というシャッタースピードは想像ができないような速さですよね。人間の目では完全に把握できない瞬間をおさえることができるスピードといえます。この瞬間を切り取る作業こそが、カメラの醍醐味ともいえるでしょう。
シャッタースピード優先モードを使いこなす
シャッタースピードが重要になるのは『動いている被写体を撮る時』です。
もちろん、動いている被写体が停止しているかのように撮影するには、高速のシャッタースピードで撮影する必要があります。そのためには、シャッタースピードを優先したモードでの撮影が有効です。
シャッタースピード優先モードとは
シャッタースピードを任意で設定すると、絞り値(F値)の設定をカメラが自動で行ってくれるモードが『シャッタースピード優先モード』です。
シャッタースピードが速いほど絞り値は小さくなり、逆にシャッタースピードが遅いほど絞り値が大きくなります。
シャッタースピード優先モードにおける最大のメリットは、『高速のシャッターを設定することで、ブレを軽減できること』です。しかしながら、明るさが変動する環境では、絞り値が自動で変動してしまい写真が暗くなりすぎることがあるので注意が必要です。
写真が暗くならないための設定
では、写真が暗くならないようにするためにはどうすればよいのでしょうか?
シャッタースピードを自分で高速に設定すると、絞り値は自動的に下がってしまいます。この現象を『アンダー』と呼ぶのですが、この状態になったときはカメラの光への敏感度を示すISO感度を上げることで、明るさを担保します。
しかし、シャッタースピードを自分で決めて、変動する絞り値に対して適正なISO感度を設定することはなかなか困難な作業です。
そこで『シャッタースピード優先モード』を活用することで、自動的に明るさを調整してもらうというわけです。
シャッタースピードを上げることで絞り値が最小値まで下がってしまっても、ISO感度が自動的に上がっていって、適切な明るさでの撮影を実現してくれます。
長すぎるシャッタースピードに注意
シャッタースピード優先モードの特徴として、高速だけでなく低速の数十秒単位のシャッタースピードにも対応していることが挙げられます。
シャッタースピードが遅くなるほど、絞り値は上がっていくのですが、シャッタースピードを遅くすること絞り値が限界を超えてしまうと『オーバー』という明るすぎる写真ができ上がってしまいます。
この場合もISO感度を低くすることで、適正な光量を調整することになります。
優先モードを使うタイミング
シャッタースピード優先モードを使用するのは、どのような時なのでしょうか?
シャッタースピードを変更するタイミングというのは、動いている被写体の動きを止めて撮影したい時や、夜景をくっきり撮影したい時など、カメラでの表現を最大限に生かしたいときです。
被写体の動きを表したいとき
被写体の動きを強調するためには、シャッタースピード優先モードでシャッタースピードを遅く設定することになります。
たとえば、滝で水が落ちていく様子を遅いシャッタースピードで撮影すると、水の流れが糸を引くように見えて幻想的な表現が可能になります。
被写体の動きを止めたいとき
激しく動いている被写体を止まっているように撮影したいときは、シャッタースピードを速くして対応します。ダイナミックな動きを、切り取ったような仕上がりとなります。
まとめ
『シャッタースピード優先モード』を活用することで、写真の表現は無限に広がります。シャッタースピード優先モードを使えば自動的に適切な露出を決めてくれます。
とはいえ、最初はなかなか思い通りの撮影ができないこともあるでしょう。イメージ通りの撮影を行うためにも、カメラはとにかく練習あるのみです。同じ環境下で、シャッタースピードを変えていろいろな仕上がりを試してみましょう。