人物の撮り方のコツ
人物写真は、日常はもちろんのこと仕事や記念日、旅行先など、さまざまなシーンで撮影する機会があります。思い出の写真は見返すことも多いため、できるだけきれいに写したいものです。
人物写真は、簡単なコツを押さえるだけで仕上がりが格段によくなります。どのような点を押さえればよいか解説します。
基本的な注意点
初歩的な注意点として『首切り』と『串刺し』が挙げられます。
首切りとは、背景に横切る線と被写体(人物)の首の位置が重なる写真を指します。見栄えがよくないだけでなく、さらし首と連想されることから縁起が悪いとされ、人物写真では特に注意が必要です。
串刺しは、背景の縦線と被写体が重なる写真を指します。例えば、室内の場合には柱や棚、屋外の場合は建物や看板などが人物と被ることが多いです。
いい表情を写せたとしても、首切り・串刺しがあると写真を台無しにしてしまうため、注意しましょう。
順光と逆光について
人物の表情をはっきりと写すためには、光の位置がとても重要です。
撮影方法の一つに『順光』が挙げられます。
順光は、人物の顔や体に正面から光を当てて撮影することで、明るくはっきりと写すことができます。光の位置を決めるだけで簡単に仕上がりを改善できるため、初心者の方にもおすすめです。
注意が必要なのは『逆光』です。
順光が被写体の正面から光を当てることに対し、逆光は被写体の背後から光を当てることを指します。背後から光が当たってしまうことで、被写体全体に影がかかります。撮影後に補正できる場合もありますが、不自然になってしまいやすいため、撮影時に光の位置を見定めておくとよいでしょう。
構図について知っておこう
人物写真は、どういったシーンで使用されるかを想定しながら、適切な構図を選択するとよいでしょう。社内報やオーディションで使用する写真は、構図を指定されている場合もあります。構図によって見る人に与える印象が異なるため、目的にそった構図を選び撮影しましょう。
人物写真の構図には、大きく分けると以下の4種類があります。
- ワイドショット
- ポートレート
- バストショット
- クローズアップ
より魅力的な写真を撮るために、まずは基本的な構図を知ることからはじめましょう。
人物と風景を一緒に撮る場合
人物写真は、人物単体での撮影はもちろん、旅行先などで風景や建物と一緒に人物を撮影する機会も多いでしょう。背景をいれた撮影の場合には、どのような点を意識すべきか解説します。
広角レンズの使用
風景や背景をいれた撮影の際には、広角レンズの使用がおすすめです。
広角レンズは、標準カメラよりも写せる範囲が広いことから、人物に加えて背景に広がりをもたせた撮影が可能です。
あまりにも広範囲で写真を撮ろうとすると、被写体に歪みが出やすいため注意が必要です。この場合、レンズを付け替えるだけで風景や背景を活かした写真を撮ることができます。
フラッシュや補正
風景や建物を入れた撮影の場合、逆光であっても背景の向きを変えることはできません。人物の位置や撮影者側に工夫が必要になりますが、フラッシュや補正機能を使うことで仕上がりを整えることができます。
iPhoneなどスマホで写真を撮るときのコツ
近年、iPhoneやスマホのカメラ機能が向上し、一眼カメラやデジタルカメラと同等の性能をもつ機種が多く発売されています。
スマホでも人物写真を上手く撮るためには、どのようなポイントがあるか見ていきましょう。
注意すべき点とは
スマホカメラは、通常のカメラのようにレンズフードなどを使用しないため、気付かない間にレンズが汚れてしまっていることがあります。また、変わりゆく景色の一片をカメラにおさめようと慌ててスマホを出すこともあるでしょう。手元が安定しないと、撮影時に手ブレを起こしやすくなります。
スマホカメラを使った人物撮影は、細かな箇所に気を配るだけで仕上がりが格段によくなります。以下の注意点を頭にいれておきましょう。
- レンズをきれいに拭いておく
- ブレないよう構える
- ピントをしっかり合わせて撮影する
- ズームをせずに被写体に近づいて撮る
便利なアプリを使おう
スマホカメラは、アプリを使った撮影ができることも特徴です。
一眼カメラやデジタルカメラの調整機能には劣る面があるものの、撮影時にアプリを使用することで光源調節やグリッド線を自動で最適化します。撮影後の補正や加工ができるアプリも多く、初心者でもクオリティの高い写真を撮ることができます。
自分の撮りたいイメージや目的に応じたアプリを選びましょう。
まとめ
人物撮影は構図や光源など、少しのポイントを意識して撮影することで仕上がりを格段に上げることができます。近年ではiPhoneやスマホのカメラ性能が上がっただけでなく、多様なアプリがリリースされており、一眼カメラやデジタルカメラに劣らない人物撮影ができます。
日常における何気ない写真撮影を楽しみながら、記念日や旅行先でとっておきの一枚を撮りましょう。