タイポグラフィーの基礎知識
様々な場面で登場するタイポグラフィーですが、実はその定義は曖昧で、場合によっては異なる意味で使われるケースがあるので注意が必要です。ここではタイポグラフィーの定義やその効果について解説していきます。
タイポグラフィーとは
デザインの世界において、タイポグラフィーは主に、二つの意味で使われており、その一つは『適切なフォント種類を選び美しく文字を配置する』という意味です。
多くのフォントの中から最適なものを選び、選んだフォントを構成して全体をできる限り美しく、バランスを考えて配置することを指します。
もう一つは『文字を華やかに、アートのようにデザインする』ことであり、こちらは文字や文字の組み合わせ自体を一つのアートとして捉え、色や形にこだわって表現することです。
いずれの意味で使用される場合も、既存の文字に対して工夫を凝らしてデザインすることで、文字の持つ魅力を引き出すという点は共通しています。
タイポグラフィーの効果
タイポグラフィーの一番の効果は、視覚的な工夫を凝らすことで、伝えたいメッセージを相手に伝えられるということです。
タイポグラフィーは、文字を見るユーザーの気持ちを駆り立てることもあれば、読み手の気持ちに寄り添うこともあります。
タイポグラフィーを活用した文字の効果は絶大です。文字の意味合いにフォントや配置といったタイポグラフィーのデザイン性が加わることで、より人々に伝わりやすく印象に残りやすいメッセージを作ることができます。
タイポグラフィーの勉強方法
デザインのノウハウや情報は常にアップデートされています。インターネットや書籍で多くのタイポグラフィーに関するノウハウが出回っており、それらをただ収集するだけではノウハウばかり追いかけるコレクターになってしまいます。
タイポグラフィーには一定のルールがあり、そのルールをきちんと学ぶことがタイポグラフィーを身につけるポイントになるのです。効果的にタイポグラフィーを学ぶおすすめの勉強方法を紹介します。
本を読む
タイポグラフィーの基本的なルールを学ぶためには、何か1冊、信頼できる著者が書いた本を読んで学ぶとよいでしょう。
その際、何冊も乱読するのではなく、デザインの現場で実際に働いているプロのデザイナーが執筆した評価の高い1冊を選び、何度か繰り返して読むことをおすすめします。
実際にデザインしてフィードバックをもらう
知識だけを詰め込んだとしても、デザイン技術が向上するわけではありません。デザインを身につけるためにはインプットだけでなくアウトプットが必要です。
ある程度、基礎的な知識を身につけたら、実際に文字や文章をデザインしてみて、プロのデザイナーに見てもらうとよいでしょう。
自分の作品をフィードバックしてもらう場合には、緊張感が伴います。より真剣味が増すことで学びが深くなり、タイポグラフィーのルールを身につけやすくなるのです。
タイポグラフィーの勉強におすすめの本
大きな書店のデザインコーナーに行くと、タイポグラフィーに関する書籍が何冊も並んでいます。その中で、これから勉強を始める初学者におすすめの、信頼できる本を紹介します。
必読書と言えるタイポグラフィの基本ルール
デザイン業界では非常に有名で評価の高い、タイポグラフィーの専門書です。タイポグラフィーの基本的な知識から実践的なノウハウまでしっかりと学ぶことができるおすすめの1冊と言えます。
- 書籍名:タイポグラフィの基本ルーループロに学ぶ、一生枯れない永久不滅テクニックー
- 販売価格:2138円
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文字レイアウトを学べるTypographic Systems
文字の魅力を引き出して人々に伝えるレイアウト法を、プロのデザイナーによる事例を使っていくつも紹介しています。様々な文字のレイアウトやバリエーション豊かな表現を学べる、実践的な書籍です。
- 書籍名:美しい文字レイアウト Typographic Systems
- 販売価格:1285円
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デザイン入門書のノンデザイナーズ・デザインブック
デザインに対してほとんど知識がない人におすすめできる1冊が、こちらの書籍です。デザインやレイアウトの基本原則をわかりやすく解説しており、この1冊を読むことでデザインが一層身近なものに感じられるでしょう。
デザイナーではない人のために書かれたデザインの定番書籍とも言えるこの本は、第一版の販売から20年近く売れ続けている、信頼できる1冊です。
- 書籍名:ノンデザイナーズ・デザインブック
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まとめ
タイポグラフィーは、複雑なデザインノウハウの中でも基本的で、応用できる範囲の広い分野です。一度勉強して実践で使えるようになれば、デザインの幅が一気に広がることでしょう。
文字の魅力を存分に引き出し、その文字の持つメッセージを人に伝えやすくするタイポグラフィーについて一度学んでみてはいかがでしょうか。