イラストを用いる効果
雑誌や広告では、文字だけではなく『イラスト』が添えられている場合が多いです。広告やWebサイトなどさまざまな場所でイラストは見かけますが、その役割はなんでしょうか?
表現の幅が増える
イラストは、文字では伝わらない雰囲気やイメージなどの情報を伝えることができます。
ポップなイラストを広告に親しみやすさを感じてもらうように工夫をしたり、ファッション誌にはスタイリッシュなイラストは、若者にかっこいい印象を抱かせられるでしょう。美容系の雑誌でよく使われる水彩塗りのイラストは、優しくて淡いイメージを読者に与えるでしょう。
カラーには、緑なら優しさ、白なら清廉さというように『色彩感情』という効果がもあります。イラストを用いることで表現の幅を劇的に広げることが可能なのです。
よりわかりやすい説明が可能
文字だけだと長文になってしまうような複雑な説明を、イラストを添えることでわかりやすくできます。家具の組み立てや機械の操作など、文章で説明すると込み入った内容でも、イラストだと一目見て理解できるものも多いでしょう。
子供向けの絵本や、市役所などが発行する高齢者向けのパンフレットなどにも、イラストを使うことで文字を少なくし、一目見ただけで理解できるように工夫しているものも多くあります。
イラストはデザイナーに頼める?
イラストを描いて欲しいとプロに依頼をする場合、どんな人に頼めば良いかを解説します。
イラストレーターとデザイナーの職業の違いについてもあわせて知っておきましょう。
イラストレーターとデザイナーは違う
イラストを描く職業をイラストレーター、デザインを作成する仕事をデザイナーといい、この2つは明確に違うものです。それぞれの職業の違いを見ていきましょう。
イラストのお仕事には、小説や雑誌などの挿絵、広告やPVに載せるイラストなどがあります。製作手法はパステルやエアブラシ、水彩など、雰囲気や塗り方によってさまざまです。
一方、デザイナーは、デザイン(設計)することが仕事になります。例えば広告のお仕事を受けたら、広告全体のレイアウトや文字フォントの選択、イラストをどの位置に載せるかといった配置を考えるのもお仕事になるのです。
どちらのお仕事についても、高い芸術センスや技術的なノウハウを修めている必要があるでしょう。
両方できる人もいる
近年は、イラストとデザインのお仕事の境目は曖昧になってきています。広告費の削減によって業界全体の需要が落ち込んでいるため、片方のみのお仕事では成り立たなくなってきているのが要因です。
また、PhotoshopやPowerPointなどの発展によって、両方のお仕事を同一データでできるようになったことも要因の一つでしょう。
CDのなどのお仕事では、盤面とジャケットのデザインと掲載するイラストの両方を手がけるような人も多くいます。
費用相場はどのくらい?
イラストとデザインの仕事を頼んだ場合、どのぐらいの金額がかかるのかを解説します。
費用相場や見積もりの考え方をご紹介しますので、Webページや広告の依頼をする際の参考にしてください。
デザインとイラストは別で考えよう
Webページや広告などを依頼する場合、デザインとイラストは別として考える必要があります。
例えば、企業のホームページを作ってもらいたい場合、ホームページのレイアウトはデザインの仕事です。しかし、そこに載せる画像素材を用意する場合、必ずしもイラストの仕事まで頼む必要はありません。写真素材やロゴを企業が用意すればデザインの依頼料だけで仕事は成立します。
逆に、デザインは自分たちで決めるから掲載するイラストだけが欲しいという場合もあるでしょう。このように、同じデザイン事務所に頼むにしてもデザインとイラストの依頼は別ものとして扱うのがオーソドックスです。
デザイン費用の概算
デザイン費用は、依頼する会社の規模によっても相場が変わってきます。会社の規模と相場の関係を、チラシとカタログの依頼についてまとめました。
個人事業主 | 零細・小規模企業 | 中堅企業 | 大企業 | |
チラシ(A4・カラー) | およそ2万〜4万 | およそ6万〜10万 | およそ8万〜12万 | 対応不可が多い |
カタログ(16ページ程度) | およそ16万〜30万 | およそ30万〜55万 | およそ50万〜70万 | およそ60万〜90万 |
大きなデザイン会社に製作を依頼する場合、チラシ1枚のお仕事では断られてしまうこともありえます。クオリティの面で見れば、企業規模が大きくなるにつれて安定していくのは間違いないでしょう。逆にカタログの場合、人数の少ないところに依頼すると時間のかかるケースがあります。
イラスト1点あたりの金額は?
プロのイラストレーターを支援する団体の『日本イラストレーター協会』では、パンフレットなどに使う縦横10cm程度の小さなイラスト1点で、モノクロなら3000~5000円、カラーなら5000~1万円程度と相場を定めています。
もちろん、この相場はあくまで参考です。実際にはさらにサイズや塗り方や用途、また修正に応じる回数や締切りによっても大きく変わってくるでしょう。同じサイズであっても、映画のポスターのようにリアルなタッチか、ポップなチラシかでもかなり費用は違います。
イラストレーターにより大きく異なる
有名なイラストレーターはそれだけ需要があるので、単価が高めに設定されているケースがあります。逆に、駆け出しの個人事業主や小さなデザイン事務所では、それだけ費用を安く設定しているところもあるでしょう。イラストの相場は業界全体で一律には測りにくいのが現状です。
まとめ
イラストとデザインの仕事はそれぞれが異なったお仕事ですが、最近では一括で引き受けてくれるところも多くあります。依頼する際にはどこまでの作業を引き受けてもらうのかをあらかじめ明確にしておきましょう。
費用相場については、仕事の内容や製作会社の規模によっても大きく変わってきますので、一律にははかれません。ホームページなどから見積りを確認して、複数の会社を比べて見るのが良いでしょう。
個人でも有名なデザイナーなどに頼む場合、さらに費用が上乗せされるケースもあります。